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二宮和也が断ち切った「甘え」 20年以上のキャリアで初の試み

映画

■ 20年以上のキャリアで初めて “僕はこう思う”の「甘え」を断ち切る

映画『浅田家!』より(C)「浅田家!」製作委員会
 今回、「監督からのご指示通りにやり切ろうというのを、最初から一貫して決めて臨んだ」という二宮。写真を撮りながら涙を流すシーンでは、泣かずに撮るパターンを撮影した後、2テイク目で監督のオーダーに応えて泣きながら撮る演技を披露。現場では監督からの演出やリクエストに、躊躇(ちゅうちょ)なく瞬時に応えることに努めた。

 「僕の場合、どうしても長く撮影をしていると甘えが出てくる」と明かす二宮。「例えばあまり難しいことはやりたくなくなるから、『僕はこう思うんですけど』って言いがちになるのは、自分のできる範囲だけで芝居をやっていこうとするから、と思っています」。

 「僕はこう思う」という自己判断し、できる範囲の芝居に終止するという「甘え」を、今回は断ち切った二宮。監督から求められたことを最大限に実現しようとし、さらに求められた以上のものを提示したかった。「こういうやり方が僕は初めてだったから、難しかったです(笑)。これまではなんとなく濁したりしていたので(笑)。今回はやってみよう! と思ったけど、やっぱり難しかったですね」と振り返るが、その表情には充実感がみなぎる。

■ 家族との食事の思い出 祖父が来る前に食べ終えようとしていた理由は?

映画『浅田家!』より(C)「浅田家!」製作委員会
 ちなみに、実際の浅田家は朝ご飯と夕ご飯は家族全員で食べるというルールがあったという。二宮自身の家族にそうしたルールは「特になかった」というが、「それ以外は本当に普通の家族でした。例えば学校をずる休みしないとか、そういうありふれたどこの家庭でもあるようなルールはありましたね」。
 
 また、幼少期には祖父と昼食を食べることが多かったが、「祖父がやって来る前に先に急いで食べる」という自分だけの“ルール”があったという。「僕は左利きなんですが、祖父は左利きが嫌だったみたいで。世代的なものなのかな、よく注意されていたので(笑)」と幼いころを懐かしそうに明かしてくれた。

 「もしこの作品に出会わなかったら後悔すると思えるくらい、いいものをちゃんと作れたとは思っています」と言い切った二宮。俳優としての“甘え”を断ち、監督の希望に最大限に応えるというプロフェッショナルとしての新たなる一面を見せてくれた彼の今後の芝居が楽しみだ。

 映画『浅田家!』は全国公開中。

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