モーニング娘。歴代最長リーダー・譜久村聖「卒業はグループに変化を加えたくなったとき」
関連 :
■不安だった武道館から大型フェス6万人のステージに立てるまで
譜久村、そしてグループにとって、当時モー娘。の象徴だった道重の存在は偉大過ぎたのだろう。「『先頭の道重さんについて行けば大丈夫!』と思ってずっとやってきたので、卒業されてからは心配しかなくて…。日本武道館のステージは自分たちだけで大丈夫なのか、お客さんは来てくれるのかとメンバー全員自信がなかったですね。私がリーダーになったことに対しても絶対に何か言われるだろうと不安でした」。
そう感じていた譜久村を支えたのはファンだという。「その頃、握手会などでファンの方がすごく心配してくださって。『フクちゃんらしくでいいんだよ』とか『変わらなくていいから』とか、優しい言葉をかけてもらったときに『私を一番好きでいてくれる人のためにまずは頑張ろう』と思ったんです。自分自身を無理に変えてしまえば、悲しむのはその方だし、好きと言ってもらえている自分らしさを大切にしようと意識も変わりました。
気持ちが楽になってきたのはリーダーになってから2年後くらいです。私と同期のえりぽん(生田)、10期のあゆみん(石田亜佑美)やはるなん(飯窪春菜)の“お姉さんズ”でいろいろと相談するようになって、1人で抱えていたこともメンバーに任せるようになったのが大きかったです」 。
グループにとって欠かせないパフォーマンス面でも変化はあった。譜久村が転機と感じているのは、2018年に初参加した日本最大の夏フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」(以下、ロッキン)だ。
2018年には単独ツアーとハロプロ合同ツアーで年間約100本のステージに立つモー娘。だが、ロッキンは、彼女たちのパフォーマンスを初めて観るというオーディエンスが大多数のいわばアウェイなステージだ。
30℃を超える真夏に、約40分間ほぼノンストップ、全11曲ダンスナンバーを全力パフォーマンスしたモー娘。に驚いた観客は、“体力おばけ”と称賛。その時のステージを譜久村は「初めてだったし、たくさんの人に響かせたかった」と当時の強い思いとともに、「多くの方に評価いただけたのですが、実は1曲目から飛ばし過ぎて、後半戦がフラフラだったんです。心臓が宙に浮いてる感じで(笑)。それがすごい悔しくて、翌年も絶対出たいと思って1年間かけて筋トレを頑張りました」と振り返る。
「ROCK IN JAPAN FES. 2019」GRASS STAGEに立つモーニング娘。'19 (当時)
翌年のロッキンでは前年の評判を受けて、最大規模の6万人収容のステージに立つことに。「筋トレを始めてからどんどん体が変わって、食事にも気を使うようになって、炭水化物を食べた翌日には『体が重くなった』から調整するみたいな、感覚的に管理ができるようになりました。そのおかげで、グループのツアーでも後半戦にバテなくなりましたし、翌年ロッキンの大きなGRASS STAGEで最後まで全力でパフォーマンスができて、本当に達成感がありました。グループとしてもロッキンのおかげで成長できたと感じています」。