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柳楽優弥、有村架純が語る “戦争体験のない世代”が、事実を知る大切さ

映画

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柳楽優弥

有村架純

■日本も原子爆弾の研究をしていたと知って

柳楽優弥
――そして、青春ものであり、やはり戦争ものでもあります。

柳楽:僕はこの事実(日本も原子の力を利用した新型爆弾を作ろうとしていた)を知らなかったので、参加できるならいろいろ勉強しなければいけないと思いました。

有村:私もそういった事実があったことを知らず、衝撃を受けました。黒崎(博)監督が十何年と企画を練ってこられた思いの強さもすごく感じましたし、戦時中のお話しではありましたが、きちんとした青春ストーリーでもあって、ひかれる部分がたくさんありました。

――柳楽さんは実際に研究をしていた役、有村さんは近しい人です。

柳楽:爆弾の作り方なんて全く知らなかったですし、ウランとかも関心を持ったことがなかったので、勉強会を開いてもらって、研究室のみんなで、役柄がどういうことをやっているのかという作業の説明を受けました。みんなのスタート地点が近かったので、一緒に学びながら前進できたのはラッキーでした。あと、黒崎監督からは、修は共感しやすい主人公ではない。特に後半になるにつれて、修を疑うような瞬間が増えてくる。難しいと思うけど、頑張ってと声を掛けられました。

有村:世津は科学者の修に近い存在ですが、観てくださる方たちにとっては親近感の湧くキャラクターだと思うので、なるべくネガティブに見えない方向を心掛けて、修と裕之、2人の幼なじみを愛おしく見守る、人間的な愛情を持つことをまず気を付けました。そして戦時下という厳しい環境で生きている人間なので、そうした環境と直面したときに、どう感じて生きているのかという葛藤も、しっかり考えていきました。

■戦争体験のない世代が、事実を知る大切さ

有村架純
――先日、一般の方向けの試写会が行われましたが、「戦争ものを初めて観た」という若い方の感想が多くありました。

柳楽:そうなんですね。戦争体験をしていない世代が、それについて知識を深めて、こうした事実があったんだと学習していくことによって、「これは怖い」という恐怖感を持っていくことってすごく大事だと思うんです。撮影現場といえども結構リアルなものだったので、僕もきついと思う瞬間がありました。でも逆にそういうリアクションを持たないといけないと思うんです。

――きついと感じた方がいいと。

柳楽:知り合いの監督に、「ストーリーはもちろんだけど、戦争映画は怖い描写、拒否反応を起こすような描写があるべきだ」と言う人がいて、確かにと思うんです。観ることによって、そういうリアクションになるのは、むしろ必要なことなのかなって。

『映画 太陽の子』より(C)2021 ELEVEN ARTS STUDIOS / 「太陽の子」フィルムパートナーズ
――本作を撮られた後、コロナ禍に見舞われています。観る側の受け止め方も変わるかと。

有村:いろんな方が、自分自身の持っている考え方を変えざるを得ない状況になって、戸惑いや混乱もいまだあると思うのですが、この作品を観て、未来を作るのは、やっぱり今の自分たちの行動、言動なんだと再認識しましたし、これからの子どもたちのために自分たちが社会を作っていかなければいけないなと。

――世津は戦争後の未来を見ている重要な人物ですね。

有村:未来の子たちに希望がないって、それほど悲しいことはないですよね。これまで生きてきてくれた方々が残した歴史を自分たちがつないで、下の子たちに受け渡していくということがみんなでできたら、よりよい世界を作ることができるのかなと。そういったことを一緒に考えていけたらいいなと思います。『映画 太陽の子』のような作品は、自分自身と向き合うことができる。すごく重要だと思いますし、私自身も観る方にも、無関心にはならないようにと願っています。

柳楽:重いからといって観るのを避けるよりは、観て、自分のアイデンティティーをしっかり持って過ごすことの方が、責任感もあって、僕は好きです。若い方にもぜひ観てもらいたいです。(取材・文:望月ふみ 写真:ヨシダヤスシ)


 『映画 太陽の子』は全国公開中。

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