西野七瀬「現場が楽しい」 女優業を一歩ずつ漸進
2018年12月に乃木坂46を卒業し、女優への道に舵を切った西野七瀬。乃木坂1期生としてデビューをして10年を迎える彼女だが、20日公開の映画『孤狼の血 LEVEL2』では、姉御肌のスナックのママ・近田真緒を演じ、男社会を描いた作品を艶やかに彩った。白石和彌監督が往年の“東映実録やくざ映画ファン”に挑んだシリーズ最新作での大役。「迷わず飛び込んだ」という西野の女優業に対する思いとは――。
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■乃木坂46卒業後、「なにをしていけばいいのか分からなかった」
乃木坂46を卒業する際、引き続き芸能界で活動することを公式ブログで発表していた西野。しかし「悩んでいた」と苦笑いを浮かべると「もし実家がなにかの稼業などをやっていたなら、そちらを継ごうかなと思うぐらい、卒業してなにをしていけばいいのか分からなかった」と胸の内を明かす。
とは言うものの、大人として仕事をしなければ生きていけないという思いがあり「芸能界にとどまってみよう」と不安のなかでのスタートだった。女優業についても「卒業してすぐは、お芝居をしっかりやっていこうと思えるほど強い気持ちではなかった」と語ると「雑誌や番組のレギュラーなどをやらせていただきましたが、一人で考える時間がすごく増えて『やめた方がいいのかも』とマイナスな考えに陥ることもありました」とやや消極的な思いが強かったという。
そんななか、卒業後に出演したドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)で演じた黒島沙和役が大きな反響を呼んだ。「すごくいろいろな声をいただき、ほかの現場に行っても『ドラマ観たよ』と言ってもらえることが多くて…。観ている人に楽しみを与えることができるお仕事ってすごくやりがいがあるんだなと改めて感じて、もっとしっかり頑張らなければと思えたんです」と芝居への思いにエンジンが掛かった。
「一つの作品で多くの出会いがあり、そこで出会った人と話すことが、こんなにも楽しいんだと思えてから、現場がとても楽しくなってきたんです。出会った監督やスタッフさんたちからも『もっと芝居をやって』と言っていただけて…。そこからいろいろなお仕事をやらせていただくなかで、お芝居を軸にやっていけたらと思ったんです」と一つのきっかけとなったことを明かす。
■イメージ一新! 大きなチャンスに「迷わず飛び込みたい」と思った
一つずつ丁寧に作品を重ねるなか、『孤狼の血 LEVEL2』という作品に出合った。前作は役所広司×松坂桃李、さらには実力派俳優たちが顔をそろえ、その年の日本映画を代表するような作品となった。西野自身も友人と劇場で鑑賞したというが「まさかこの世界観に自分が参加できるなんて…」とオファーを受けたときは、喜びはもちろんあったが、驚きの方が大きかったという。
演じる役柄やキャストなど、詳細が明らかになっていないなか、西野は大きなチャンスを逃したくないという思いで「迷わず飛び込みたいと思った」と即答。西野が演じたのはスタンド「華」のママ・近田真緒。姉御肌で弟(村上虹郎演じる・チンタ)思いの女性。艶やかな一面を持ちつつ、呉弁でにらみを利かせ煙草を吸うなど、これまでの西野のイメージとは違う役柄だ。
西野七瀬がスナックのママ役で見せる新境地 弟・村上虹郎にビンタも! 映画『孤狼の血 LEVEL2』 8月20日公開 (C)2021 「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会
「自分のなかにはないようなイメージの役でお声を掛けていただき、なんで私なのかな…という思いはあったのですが、すごくうれしかったです」と率直な思いを述べると「呉弁や煙草を吸うところ、声を荒げるシーンなどは、とても難しかったです」と苦笑い。呉弁は流ちょうに聞こえたが「私は大阪出身で、自分でもやりやすいのかなと思っていたのですが、呉弁と関西弁の相性はあまり良くないらしく、イントネーションがとても難しかったです」と撮影を振り返っていた。