2022年注目の人・黒島結菜 「作品に向き合い、思い切り楽しむ」1年に
2013年『ひまわり~沖縄は忘れない あの日の空を~』でスクリーンデビューを果たした女優の黒島結菜。その後は、透明感あふれるビジュアルを生かした爽やかなキャラクターを演じることが多く、主演を務めたドラマ『アシガール』(NHK総合)は高い評価を受け、2022年前期連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合)ではヒロインの座を射止めた。一方で最新作『明け方の若者たち』では、これまでとは趣の違う女性を演じ、役柄の幅の広がりを印象づけた。映画、“朝ドラ”と注目されるだろう2022年。黒島は「目の前の作品に向き合って、思い切り楽しみたい」と笑顔を見せる。
【写真】2022年注目の人・黒島結菜「思い切り楽しみたい」と笑顔を見せる24歳
ラブシーンに「迷いはなかった」
カツセマサヒコの小説を実写映画化した『明け方の若者たち』。本作で黒島は、参加していた学生同士の飲み会を抜け出し、北村匠海ふんする主人公“僕”に「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」というショートメッセージを送り、恋をスタートさせる魅惑の“彼女”を演じている。
「台本を読んだとき、この恋愛にはあまりリアリティーは感じなかったんです。だってあんな誘い方あります?(笑)。かなり強気ですよね。私の中にはない言動です。男性目線で見ると『こんな彼女いたら、惹(ひ)かれちゃうかも』と思いますが、それだけ魅力的な女性なので、正直最初は『私で大丈夫なのかな』という思いもありました」。
さらに、ある意味で“彼女”は“彼”を翻ろうする。劇中には大胆なラブシーンもある。黒島の新たな一面に驚く人も多いのではないか。
「“彼”よりも大人に見せるために考えたのが、とにかく“彼”のことをかわいいと思うこと。そうすると自然にお姉さん感が出ると思ったんです。撮影中はあまり表には出しませんでしたが、意識の中ではずっと『かわいい、かわいい』と思いながら演じていました。ラブシーンに関しては、北村くんとは共演も3回目ですし、彼も大人なので思ったよりも迷いはなかったです。松本(花奈)監督が女性で同世代ということで、安心して任せられるというのも大きかったと思います」。
黒島が演じた“彼女” 映画『明け方の若者たち』より (C)カツセマサヒコ・幻冬舎/「明け方の若者たち」製作委員会
黒島の言葉通り、松本監督をはじめスタッフ、キャストはほぼ同世代。そんな空気感も、作品作りでは大きかったようだ。
「年齢が近い人たちが多く、現場の雰囲気も良かったので、自分からいろいろと提案するなど、お芝居にしてもチャレンジしやすかった。私自身も脚本に書かれたセリフが、とてもナチュラルだったので、“彼女”という役の中に、自分の普段のしぐさだったり、癖だったりをあえて控えるのではなく、そのまま出しています」。