『テルマエ・ロマエ ノヴァエ』ヤマザキマリが明かす“漫画では実現しなかった”新作裏話
関連 :
3月28日よりNetflixで独占配信中のアニメ『テルマエ・ロマエ ノヴァエ』より、シリーズ構成としても参加する原作者・ヤマザキマリが書き下ろした新作エピソードの誕生裏話を語った。主人公ルシウスのテルマエ(自国の浴場)への情熱はどこから生まれるのか、なぜ浴場技師を目指すことになったのかが初めて明かされる。
【写真】アニメ『テルマエ・ロマエ ノヴァエ』ルシウスと歌川国芳
原作は、ヤマザキマリの漫画『テルマエ・ロマエ』。ローマ帝国で浴場技師として伸び悩む青年ルシウスが、なぜか古代ローマと現代日本をタイムスリップできるようになってしまい、テルマエの設計に日本の入浴文化を取り入れていく奇想天外なお風呂コメディ。手塚治虫文化賞短編賞を受賞し、実写化された映画ではシリーズ興行収入100億円を突破している。
“ノヴァエ(新しい)”として生まれ変わった本作では、ヤマザキが、「ルシウスの少年時代を描く前日譚」と「ルシウスが江戸時代にタイムスリップする物語」を書き下ろしている。どちらも原作では描かれていない新作エピソードで、江戸時代へのタイムスリップで描かれるのは浮世絵絵師・歌川国芳(声:池田秀一)とルシウスの出会い。ヤマザキが温めていたアイデアが、本作でアニメとなって息を吹き込まれる。
「ルシウスのおじいさんやお父さんの話をどこかで書きたいなとずっと思っていました」というヤマザキは、「漫画では実現しなかったので、この際アニメで書いてみようと。ルシウスにどんな出自があって、ああいう人間になったのかって、みなさんも知りたいところでもあるんじゃないかなと思い書かせていただきました」と、ルシウスが情熱を注ぐに至った道筋を持ち続けていたことを明かした。
ルシウスが現代日本ではなく江戸時代へタイムスリップするエピソードは、ヤマザキ自身も見たかった物語だという。「江戸時代のメンタリティって、現代の日本人とはちょっと違いますよね。だからその差異を楽しむというのも、漫画の一つの回としてあっていいかなと思っていたら、アニメで実現することができました。江戸時代は混浴など今の入浴と別の概念があると思うので、そこに触れるのもありかと。映画でも江戸時代を扱ったものが大好きなので。本当に念願叶ったりです」と喜ぶ。
また、ルシウスを演じる津田健次郎も新たなエピソードを楽しんだと語る。「江戸時代のエピソードは、タイムスリップって、僕らがいる現代の日本以外にも行けるんだ、先生自らもその設定があるんだなと思ってびっくりしました。幼少期のお話もそうですけど、『テルマエ・ロマエ』自体がさらに面白く、ものすごく膨らんだ印象があります」とコメントしている。
ルシウスはなぜ浴場技師を目指すことになったのか、そして江戸時代ではどんな入浴文化と出会い、どんな笑いを届けてくれるのか。『ノヴァエ』として生まれ変わった本作に期待が高まる。
Netflixシリーズ『テルマエ・ロマエ ノヴァエ』は、Netflixにて独占配信中。