是枝裕和監督の最新作、カンヌ国際映画祭コンペ部門正式出品 6月に日本公開
是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー』が、5月17日(現地時間)から開催される第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出され、正式出品が決定した。また、日本では6月に公開されることも発表された。
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是枝監督にとって初の韓国映画となる本作は “赤ちゃんポスト”に預けられた赤ん坊を巡り出会っていく人々が描かれるヒューマンドラマ。
是枝監督作品が同映画祭でコンペティション部門に選出されるのは、最高賞のパルムドールを受賞した2018年の『万引き家族』から4年ぶり6回目。出品は8回目となる。『誰も知らない』(2004年)では主演を務めた柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞、『そして父になる』(2013年)では審査員賞を受賞、『万引き家族』(2018年)ではパルムドールを受賞している。
是枝監督は正式出品決定に「6回目だからといって嬉しくないかと言ったらそんなことはありません。異国での、言語や文化の違いを超えた今回の共同作業を高く評価して頂けて、僕だけでなくスタッフ、キャスト皆が報われたとホッとしています。4年ぶりのカンヌ参加になりますが、コロナ禍だけではなく、世界が大きく揺れる時代に映画を作り続けること、そして、世界に届けることの意味を考える良い機会にしたいと思います」とコメントしている。
本作で主演を務めるのは、2020年アカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』でも主演を務めたソン・ガンホ。共演に『MASTER/マスター』のカン・ドンウォン、『空気人形』のペ・ドゥナという韓国を代表する名優に、フレッシュな顔ぶれとしてIUとしても活躍するイ・ジウンが出演。さらに、日本を始め世界的にも話題を呼んだ2020年の韓国TVドラマ『梨泰院クラス』で、主人公が経営する居酒屋の料理長マ・ヒョニ役を演じたイ・ジュヨンが、ペ・ドゥナとコンビを組んでブローカーたちを追う刑事を演じることも発表された。
■ストーリー
古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョン(ソン・ガンホ)と、<赤ちゃんポスト>がある施設で働く児童養護施設出身のドンス(カン・ドンウォン)。ある土砂降りの雨の晩、彼らは若い女ソヨン(イ・ジウン)が<赤ちゃんポスト>に預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。彼らの裏稼業は、ベイビー・ブローカーだ。しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づき警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく白状する。「赤ちゃんを大切に育ててくれる家族を見つけようとした」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。
一方、彼らを検挙するためずっと尾行していた刑事スジン(ぺ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)は、決定的な証拠をつかもうと、静かに後を追っていくが…。こうして、<赤ちゃんポスト>で出会った彼らの、予期せぬ特別な旅が始まる――。
映画『ベイビー・ブローカー』は6月全国公開。