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不思議なタイトルからは想像もつかない重層的な物語 注目作『ザリガニの鳴くところ』<5つのポイント>

映画

■家族に見捨てられ、独自の価値観で育った少女の驚異的な生きざま

 多くの人たちを魅了しているのが、主人公のカイアの生きざまだ。6歳という幼い年齢で家族に見捨てられた彼女だが、たった一人で孤独に生き延びる姿は実にたくましい。監督のオリヴィア・ニューマンは、カイアの素晴らしさを「彼女が単に生き延びただけでなく、力強く生きる方法を見出したことです」という。

 さらに「正式な教育を受けてこなかったにも関わらず、カイアが機知に富んでいて賢いところ、そして自然観察を通して非常に多くのことを学んでいるところが私は大好きです。傷つきやすくて、他の人との繋がりを切望している彼女ですが、しなやかな強さを持っていて自立しています」と解説する。

 原作者のディーリア・オーエンズは、誰にでもカイア的な部分があるとし、「『ザリガニの鳴くところ』は孤立についての物語です。拒絶され、差別され、孤立することが人間にどのような影響を及ぼすかを描いた物語です。誰もがそういう影響を受けたことがあるので、孤立している間のカイアの気持ちがよく理解できるのです」と語る。

■ロッテン・トマト驚異の97%! 原作ファンからも絶賛された映像化

 原作に惚れ込んだ女優リース・ウィザースプーンが自らプロデューサーとなり、自身の製作会社ハロー・サンシャインを通して映像化した本作。製作に『プラダを着た悪魔』のエリザベス・ガブラー、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』のマイケル・ダナ、脚本に『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』のルーシー・アリバーと、スタッフの多くが女性で構成されている。

 撮影は原作小説の舞台となるルイジアナ州ニューオーリンズ周辺の地域で行われた。湿地や沼、そして歴史的な南部の町は、まさに原作の風景そのまま。舞台となる家は、湿地帯の中に丸ごと一軒の家を建てて再現した。

 原作のムードを見事に再現した本作は、米映画批評サイト「ロッテン・トマト」でオーディエンス・スコア97%を継続中(10月19日現在)。多くの原作ファンからその完成度に太鼓判を押されている。

 ミステリーを軸に、まるでザリガニの鳴き声が聞こえるかのような自然あふれる描写、その中で暮らす一人の少女の過酷な半生とロマンス、そして徐々に明らかになっていく殺人事件の真相…。全世界で多くのファンを魅了してきた本作は、日本でも多くの観客の心をとらえることだろう。

 映画『ザリガニの鳴くところ』は、11月18日より全国公開。

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