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寺島しのぶが語る、瀬戸内寂聴の生涯 『あちらにいる鬼』メイキング写真解禁

映画

映画『あちらにいる鬼』メイキングスチール
映画『あちらにいる鬼』メイキングスチール(C)2022「あちらにいる鬼」製作委員会

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寺島しのぶ

豊川悦司

広末涼子

 俳優の寺島しのぶと豊川悦司がダブル主演する映画『あちらにいる鬼』より、メイキング写真が解禁された。

【写真】作品のモデルとなった瀬戸内寂聴と井上光晴、光晴の妻・郁子が並ぶ実際の写真

 本作は、直木賞作家・井上荒野が父である作家・井上光晴と母、そして瀬戸内寂聴をモデルに、男女3人の特別な関係を描いた小説を、廣木隆一監督・荒井晴彦脚本で映画化。

 昨年11月、満99歳で波乱の人生を全うした作家・僧侶の瀬戸内寂聴。1960年代から人気作家・瀬戸内晴美として活躍した彼女が出家した背景には、同業者で妻子ある井上光晴との恋があった。出会うべくして出会い、互いにのめり込んでいくふたりと、全てを承知しながら心を乱すことのない男の妻。同志にも共犯にも似た不思議な3人の関係を、光晴の長女・井上荒野がセンセーショナルな物語に書き上げた。

 文学に導かれ、求め合う主人公・長内みはる、のちの寂光に寺島しのぶ。井上光晴をモデルとした白木篤郎に豊川悦司。白木の妻・笙子を広末涼子が演じる。

 昨年のきょう11月9日、瀬戸内寂聴はその生涯に幕を下ろした。「恋を得たことのない人は不幸である。それにもまして、恋を失ったことのない人はもっと不幸である」という名言を残しこの世を去った寂聴。彼女の墓石には、「愛した、書いた、祈った」と刻まれている。この言葉が書かれた墓石は生前寂聴が住職を務めていた岩手県の天台寺にあり、同じ寺に長年恋人関係であった井上光晴とその妻も眠っている。

 井上をモデルにした篤郎の妻・笙子役を演じた広末は「3人の関係性を受け入れるのに充分なシーンを経験させていただきました。3人が同じ墓地で、お酒を飲んでいる画も、演じ終わった今ならば想像ができます」と語る。

 出家の裏側について、実際に撮影で自身もてい髪をした寺島は「寂聴さんは全てを捨てるために髪を剃ったのではなくて、生きるために剃ったのでは。本当の原因はわからないけれど、ご本人は(原作者の)荒野さんに『更年期だったのよ』とぽろっと仰っていたみたい」と明かす。また、寂聴と井上光晴とのつながりについては、「単に男女の関係というよりも、一緒に文学を作るという、創作を通してのつながりがあるから、2人でいるのがおもしろかったのだと思います」と語っている。

 今回解禁されたメイキングスチールには、クランクアップを迎えた寺島と豊川の姿が写されている。みはるが髪を刈り上げ俗世を捨てたその日に、光晴がお寺へとやってくるシーンで撮影は終了となった。みはる・寂光をやり切ったという達成感とこの物語が終わるという寂しさで、満面の笑みながら瞳が潤んでいるような寺島と、そんな寺島の横に穏やかな雰囲気で立つ豊川の姿は、寂聴と光晴そのもののように見える。

 コロナ禍にほんろうされた本作は5月26日に撮影が終了、6月初旬に廣木監督と寺島は京都・寂庵を訪問し、寂聴さんの霊前に撮影の無事終了の報告を行った。くしくも本作の公開日である11月11日は、昨年寂聴さんの訃報を世が聞いたその日にあたる。まるで亡くなった後に寂聴さんに見守られ、導かれたかのように映画は進行し完成、そして一周忌での公開となる。

 映画『あちらにいる鬼』は、11月11日より全国公開。

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