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小沢仁志「セーフティとか関係ねえ。全部ガチでやってる」 還暦記念映画『BAD CITY』インタビュー到着

映画

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<小沢仁志 オフィシャルインタビュー全文>

■小沢仁志(製作総指揮・脚本・主演)

Q.本作のアイデアはどのようにして生まれたのですか。

おれはいつも映画のアイデアをメモ書きにしていて、溜まってきたらメモ書きを全部並べて、物語の構成を、並べながらイッキにやるんだよ。ちまちま書いて詰まったら、すぐ辞めたくなるから。この映画の脚本も4日とか5日で書き上げた。おれにとって還暦の集大成で新たな一歩っていうのが大事だった。

Q.映画『ベイビーわるきゅーれ』のアクション監督を務めた園村健介監督作だけあって、アクションシーンは素晴らしかったです。

アクションは、全部即興で園村監督が作っていたよ。でもさ、いざ本番が始まると関係なくブンブンやっちゃうんだよな(笑)。でもヤマ(山口祥行)とおれのタイマンの荒々しさはあれでいいと思ってんだよ。おれらのアクションはガチの喧嘩だからよ、逆にちゃんとしたアクションをやれっていってもできないんだよ。でもその融合がいいんじゃないか、きっと。

ヤマとのシーンなんてさ、とにかくぶち殺そうと練習してたからね(笑)。ラストの立ち回りは、おれとヤマじゃなきゃできねえと思っているよ。それに他のチンピラ役の奴らも金属バットとか鉄パイプ持ってバッチバチにくるからね。あれがいいのよ。ほんとにおれも「お前ら殺してやるからな」ってなるから。「殺らなきゃ殺られるよ?」って、乗っけてったほうが相手の芝居も引き出せるんだよ。

Q.撮影現場では、実際にどのようなやりとりをしたのですか。

監督から「やっぱりフリーでお願いしたい」ってお願いされて、「フリーって、アクションが決まっていないってことだよね」って言ったの。坂口拓とのアクションシーンも、「その方が生きるんで」って言われてさ。相手ナイフ持ってんだけどっていうな(笑)。でも、おれは、すげえ楽しかった。

子供が新しいおもちゃを与えられたというか、アクションがおれらの若い頃のアクションとは、質が全く違うから面白い。あれから何十年も経って、あの谷垣健治、下村勇二、園村健介が作り上げてきたアクションに初めて触れることができた。稽古に行った時に、足が疲れるから、無駄な動きをしない避け方とか足運びを教わったんだけど、撮影では、カメラが回り始めたら、とにかく殺してやると思ってるからどうでもいい。どうでもよくなっちゃってマジでやっちゃった。

Q.小沢仁志ならではのアクションシーンとは、どんなものだと思いますか。

やっぱりガチってところだよな。最近の映画って、なにかっていうと安全、安全、セーフティじゃん。おれは、そういうセーフティとか関係ねえから、スタントマンとかもいらないし、全部ガチでやってる。ヤマとの対決シーンだって、マジだからさ。あれが、マジじゃなかったらつまらないと思うし。このガチなアクションができるのは、どこ探したっておれたちぐらいしかいないよな。だからこの映画を、日本だけじゃなくて、海外にもどんどん出していきたくてさ。韓国とかでもかかったら嬉しいなって思うよ。

Q.アクションシーンで特に心がけた点について教えて下さい。

『SCORE』(1995)のときは銃撃戦重視で、あの当時のアクションについて、一石は投じた自負はあるんだけど、同じことやったらつまらない。やっぱ銃撃戦も、日本出ちゃうとさしてすごいことではなく。ハリウッドの方が金掛かっていたり、もっとすごかったりするわけじゃん。どっちかっていったら日本のアクションで凄いのはノースタントとか、殴り合いだと思ったんだよ。ハリウッドは日本と逆で、セーフティ重視だからタイトルを「フルボッコ」にしようかと思ってさ。肉弾戦っていうのは世界に通用すると思っている。

日本でアクションできる人間たちはマイナーで小規模な映画ばっかり作ってるから、メジャーにならないんだよって思っていたんだよ。本当は、日本には動ける奴いっぱいいるんだから。要はさ、アクションできない奴にアクションを教える時間と、すげえ動ける奴に芝居を教えてる時間だったら、圧倒的に後者の方が早いわけ。今回はそういうすげえ動ける奴らと一緒に作った映画だから、そりゃ面白いアクションシーンになるよな。

Q.登場人物は、当て書きだったのでしょうか?

ヤマとか泰風は当て書きだよ。例えば坂口拓はさ、喋らない方が画になるの。あいつの動きと、立ってるだけの不気味な感じって絶対出るからね。あいつは自分で分かっているんだよ。意外と喋らせない方が良いの。喋らすとね、あいつの持ってる雰囲気がけっこう優しくてちょっと役が揺らいじゃうからさ。それとやっぱり本宮泰風と山口祥行の「日本統一」コンビが喧嘩するっていうのは良いやろ?本宮泰風がヤマにバカバカ銃撃つなんて面白すぎるじゃん。

Q.本作に登場する女性たちも魅力的でした。

坂ノ上はマジで頑張ったと思うよ。アクションも、あいつ稽古で怪我したのに本番も頑張って。スタントマンも、女優だからっていう遠慮もなく、容赦無く行くから。それに対して、全部ちゃんと受けて戦っていたんだから、本当にすごいよ。今回はおれがプロデューサーとしてオーディションのときから参加していたんだけどさ、やっぱり坂ノ上しかいないんじゃないかってなったんだよな。

あと、梨乃ねえ(かたせ梨乃)も泣かせてくれたよなあ。試写をやったときもみんな梨乃ねえに泣かされてた。テジュンの奥さんを演じた、圭叶もすごいよかったんだけど、あの子、嶋大輔の娘なんだって聞いてびっくりしちゃったよ。韓国語話せるし、芝居もいいし、かわいいしさ。おれも合格した後に大輔の娘って知ったんだけど、口説かなくて良かったよ(笑)。

Q.ご自身の還暦記念映画を完成させた、今の気持ちをお聞かせ下さい。

日本の映画界のアクション映画の主演なんて、若手ばっかりだろ。おれみたいなのに主演のオファーなんて来ないからさ、こうやって作り続ければいいじゃんって思ってる。だから海外の映画祭に出ていって、こんなことができる日本人がいるんだよって知らしめたいなって思ってるよ。

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