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『国宝』22年ぶり邦画実写No.1に! 吉沢亮&李相日監督ハリウッド&ニューヨークへ

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映画『国宝』2026年北米公開決定
映画『国宝』2026年北米公開決定(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

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 映画『国宝』の米国上演キャンペーンがハリウッドとニューヨークで行われ、主演の吉沢亮と李相日監督が現地へ駆けつけた。また、歴代興行収入ランキングにて、11月24日までの公開72日間で、邦画実写No.1となる17,377,394,500円を突破した。

【写真】映画『国宝』吉沢亮&李相日監督ハリウッド&ニューヨークへ!

 歴代興行収入ランキングにて、邦画実写No.1をついに達成(※興行通信社調べ)。11月24日(月・祝)までの公開172日間で、観客動員数12,311,553人、興行収入17,377,394,500円を突破した。

 歴代の興行収入ランキング(※興行通信社調べ)では、『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年公開、173.5億円)の興行収入を超え、邦画実写第1位の成績を記録。22年間、打ち破られることのなかった記録をついに塗り替え、日本映画において新たな金字塔を打ち立てた。

 現地時間11月18日18時からアカデミー・ミュージアム(映画博物館)内のTed Mann劇場にてジェトロ(日本貿易振興機構)ロサンゼルス事務所主催イベント「J-SCREEN」の一環として、アカデミー賞日本代表に選出された映画『国宝』の特別上映会が行われた。上映前に李相日監督が登壇。「こんばんは、ようこそお越しくださいました」と英語であいさつし、「ロサンゼルスに来て3日目ですが、やっと晴れました。ワールドシリーズが雨でなくてよかったです」と満席の会場を沸かせた。そして、幼い頃に見たアメリカ映画の原体験や19歳の頃に訪れたハリウッドでの思い出を話した。

 エンドロールが始まると会場からは割れんばかりの大きな拍手とともに「ブラボー!」の声も聞こえ、その中を吉沢亮と李監督が登壇。上映後の舞台あいさつを行った。司会者より「李監督は、長い間、歌舞伎についての映画を撮りたいと考えていらっしゃいました。この世界に惹かれたのはなぜですか?」との問いに、李監督は「僕は歌舞伎の中でも特にこの女形という存在に非常に魅了されました。美しさはもちろんのこと、ちょっとしたグロテスクさもあり、多分たくさんのものを失いながら一生涯をかけて芸を究めていく。非常に純粋で稀な生き物な気がしています。なぜ彼らがそこまで高みを目指すのか、彼らの人生の見えない部分を知りたい、解明したいと思ってこの企画に着手しました」と明かした。

 また、1年半もの時間かけて稽古した歌舞伎への取り組み方、プロセスを聞かれた吉沢は「僕自身、歌舞伎を見たことはありましたが、深く理解していませんでした。そのため、基本的にはゼロからのスタートでした。稽古を始めて最初の 3〜4ヵ月は、『すり足』という歩行技術の練習だけでした。そして、基礎稽古の後、実際の踊りに移っていきました。その中で、本物の歌舞伎役者のレベルには決して到達できないだろうと悟りました。ですから、僕はただ、その芸術への献身に集中しました。それは喜久雄の中にも本当にある想いで、喜久雄という役を演じるうえでも相乗効果があったと思います」と語った。

 翌日は、有名な観光名所ハリウッド・サインを訪れた吉沢と李監督。今回ロサンゼルスを初めて訪れた吉沢は「写真などではよく拝見していましたが、実際に見ると違いますね」と快晴の中、笑顔で語り、李監督は「最初にハリウッド・サインを見たのが10代の頃。当時は驚きましたが、今は何か感慨深いものがあります。距離が不思議と近く感じます」とコメント。

 前日の上映会を振り返り、吉沢は「迎え入れてくださる時の拍手や僕たちが話している時に観客の皆さんが頷きながら聞いてくださっていて、すごく深いところで観てくださっているということが伝わってきました」と語り、李監督は「歌舞伎を題材にしているので、どこまで理解してくださるのかという懸念は少しありましたが、そういったものを超えて何か迫力を感じ取ってくれている。上映が終わり、我々が登壇した時、特に“喜久雄(吉沢)”が登壇した時の『本物が現れた!』と、空気がざわつく感じがあり、肌で感じるものがありました」と米国での上映の手応えを語った。

 その後、来年の北米公開に先立ち、先行限定劇場公開をしているAMC Universal Cityでも舞台あいさつを実施。

 ここでは李監督が「歌舞伎を題材にした映画ですが、特にハリウッドで観てもらう意義、役者の人生そのもの、歌舞伎役者もハリウッドの映画スターも同じように自分の人生を犠牲にしながら芸術家として高みを目指して、何かその狂気を含め畏怖心と美しさを感じる。それは日本のみならず、世界的に普遍的な感動をもたらすと思っています。今日、ここアメリカで皆さんの顔を見ながら、その反応を見ることができ、とても有難く思っています」とコメントし、吉沢は「(日本での大ヒットを受け)これほど日本のお客様が歌舞伎を題材にした映画を愛してくれると想像もしていませんでした。芸事に対する愛憎、ひたむきに向かっていく人間たちがものすごく美しく、お客様に観ていただけたのかと思っています。それは日本だけではなく、アメリカでも、世界中で共感してもらえることではないかと思います。世界の皆さまに観ていただける機会が増えればいいなと思っております。ぜひお力添えをいただければ非常に嬉しく思います」とコメントした。

 一行はロサンゼルスから約3900kmの米大陸横断をし、ニューヨークに到着。現地時間11月22日、ニューヨークの多くの映画好きに愛される、歴史ある劇場・Angelika Film Centerでは『国宝』が先行限定劇場公開中。上映前から多くの観客が詰めかけ、熱気に満ちた会場で上映がスタートした。そして、上映が終わると会場からは大拍手と歓声に包まれ、その中を吉沢亮と李監督が舞台あいさつで登壇。

 司会者から「吉沢さんのこの映画でのパフォーマンスは本当に素晴らしいですね。誰かの一生が目の前で繰り広げられるのを見ているようです。これまでに経験したことのある中で、最も大変な挑戦でしたか?」と質問され、ゼロから始め1年半費やした歌舞伎の稽古の話をすると、会場からは「1年半…」とため息が漏れ聞こえた。

 吉沢はまた、「今回歌舞伎役者を演じ、彼らのアイデンティティや他の誰かになって演じること、また常に自分自身であり続けることの間で意識したこと」について問われると、「僕自身はオンオフがはっきりしていると思いますが、喜久雄は日常と舞台の境界線がどんどんなくなってしまう役だと思います。舞台に立てば立つほど、日常の幸せが舞台に吸い取られてしまうイメージで演じていました。喜久雄ほどの、ある種狂気じみた覚悟は自分にはありません。ただ歌舞伎役者さんも我々のような役者も、芝居をしている時にしか感じられない幸せの瞬間というのは非常にわかります。結局、芝居している時が一番生きている実感があり、そういう部分は理解できるなと思いながら演じていました」とコメント。

 翌11月23日にはジャパン・ソサエティー・ニューヨークにて『国宝』が上映された。14時からの上映後舞台あいさつで登壇した吉沢は「『国宝』は喜久雄の50年に渡る物語で、若い時代から高齢期まで演じました。歳月を重ねる中で喜久雄を変化させていくというのはどのような感覚でしたか?」と問われ、「年齢を重ねれば、重ねるほど、日常生活にその女形が染み付いてくる、例えば姿勢や話し方、目線の動かし方という部分に、普段からその女形としての生き方が出てしまうということを意識しながら演じました」と答えた。

 また「最も難しかった、あるいは最も誇りに思っているシーンはありますか?」と聞かれると、「困難ではないシーンはないので(笑)」と答え、会場の観客の笑いを誘った。

 さらに「喜久雄としてお初を演じたり、踊ったりすることが一番難しく、最初に李監督からその演出を受けた時、何を言っているのかわからなかったのですが、それまでの喜久雄の人生、今そこに置かれている状況を含めてお芝居してくれ、ということでした。実際の歌舞伎役者さんに比べて非常に感情的になる部分も多いですし、様式美として見せるところをあえてエモーショナルなお芝居で演じる部分は特にドラマチックになっていて、作品を観て李監督が言っていることが分かったと同時に、歌舞伎役者さんではなく、我々のような役者が選ばれた意味が分かりました」と胸の内を明かした。

 李監督へは、米国アカデミー賞国際長編映画賞日本代表に選ばれ、日本でも大ヒットし、社会現象にもなっていることを問われると、「非常にたくさんの方が映画館に来てくださり、何度も観てくださる方がいらっしゃいます。3時間の映画で歌舞伎を題材にして、まさかこういう風に広がっていくとはなかなか予想していませんでした。映画館には時間を忘れさせてくれる没入感があり、この美しさ、それと歌舞伎を演じる俳優、それはアーティストであり、芸術を突き詰める人間の生き方みたいなものを劇場で浴びてくれているのかなと思います。またその浴びたものが何なのかを確認したくて、何度も劇場に行ってくださっているような気がします」と日本での記録的大ヒットを分析した。

 19時からの上映会では上映前舞台あいさつを実施し、観客全員がスタンディングオベーションで吉沢、李監督を迎えた。李監督は「約25年前に学生時代の卒業制作で作った作品(『青~chong~』)が日本代表になり、NYUの学生映画祭に参加した時に初めてニューヨークを訪れました。そして、今回アカデミー賞国際長編映画賞日本代表の作品という形で、またこの地に戻ることができたことを喜び、また同時に興奮と責任を感じています」と話し、吉沢は「20歳くらいの時にニューヨークに来て以来大好きになり、そこからほぼ毎年1回は訪れています。今回初めて仕事で呼んでいただき、またニューヨークの皆様と直接お会いできて、こうして僕らの映画が届けられることを非常に嬉しく思っています。最後まで楽しんでください」と締めくくり、感謝を伝えた。

 映画『国宝』は公開中。

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