主演・高橋文哉「大切な一作になった」 齋藤飛鳥、宮世琉弥がオーディション秘話語る アニメ映画『クスノキの番人』完成披露レポート
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アニメ映画『クスノキの番人』の完成披露試写会舞台あいさつが行われ、主演・高橋をはじめ、声優キャストの天海祐希、齋藤飛鳥、宮世琉弥、大沢たかお、そして伊藤智彦監督が登壇した。また、上映後、サプライズゲストとして原作者・東野圭吾が登場し、20年ぶりに舞台登壇した。
【写真】主人公演じた高橋文哉と伯母役・天海祐希のコンビネーションがばっちり! ソロカットも! 映画『クスノキの番人』の完成披露試写会舞台あいさつフォトギャラリー
本作は、累計100万部を突破した東野圭吾の同名小説を、東野原作作品では初めてアニメーション映画化。
理不尽な解雇の末、逮捕された青年・玲斗(高橋)。人生を諦めて生きてきた彼が、見知らぬ伯母・千舟(天海)から命じられたのは、月郷神社に佇む「クスノキの番人」になること―ここから、彼の運命が大きく動き出すこととなる。
作品を楽しみに待つ観客の温かな空気を会場を包むなか、舞台上の白幕が振り落とされると、そこには人々の祈りが集まるようにキラキラと煌めく大きなクスノキがそびえ立ち、豪華声優陣&監督が一挙登場。
伊藤監督は、改めて本作を映画化しようと思ったきっかけや本作との出会いを聞かれ、「原作が出たのは2020年で、その直後に読んで『やりましょう』となりました。東野先生の小説でもファンタジー度数が高いので、実写よりもアニメでやった方が良いと思ってやらせて頂きました」と作品を手掛けたきっかけを振り返った。さらに「なるべく派手な画と、キャラクターを活き活きと描く、日常の景色も楽しく描く、最後のクライマックスは盛り上がるような、アニメならではの表現を使った構成を心掛けました」と、こだわりを明かした。
玲斗を演じる高橋は出演が決まったときの気持ちを「東野先生の初アニメーション作品にすごく惹かれた自分もいれば、凄くドキドキした自分もいて。そんな中で選んで頂いたことが嬉しいなと率直に感じたのと、この作品をやらせていただいて、終わった後に自分は何を感じるんだろうって…そこを大切にしたいなと思いました」と期待と緊張が混じる当時の想いを語る。
さらに「原作を読ませて頂いて東野先生が描く小説の文字1つ1つに、情景描写がすごく丁寧で魅力的に描かれていて、1人1人のキャラクターを愛させる能力が文にあるというか。それぞれのキャラクターに感情移入できるからこそ、こう、どんどん読み進めていける。やはりそこは東野先生が作り上げる小説の大きな魅力なのだなと思いました。そんな作品がアニメーション映画になると、どういうものになるんだろうとワクワクしていました」と、東野作品にしかない深い魅力を熱弁した。
本作への出演にあたって監督から手紙をもらったという天海は「本当に情景が自分の中でふわっと広がるような東野先生の文章で、この中の千舟さんという方を真摯に演じられたらいいなと思っていました。私も原作から“何か”を頂いたので、それがちゃんと見てくださった皆さんに伝わるといいなという思いで声を入れました」と募る想いを語る。
大沢は「本当に素晴らしい台本で、すごく心に染みる。心に手を当ててみると、それぞれのキャラクターに共感できるような素晴らしい原作だったなと思いました」と、物語が心にすっと入ってくる本作の魅力を述べた。
佐治優美役の齋藤飛鳥、大場壮貴役の宮世琉弥は、今回オーディションを経て声優キャストに抜てきとなった。齋藤はオーディションの時の様子を「声優をやったことがなかったのでオーディションは初めてでしたし、東野作品初のアニメということでオーディションに参加するだけでも記念になるかなという気持ちでした。当日は監督に指示を頂いて、特に手ごたえもなく…優しくもなく…(一同笑い)」と話す。
監督が「それが良かったんですよね。「いたいた!」と思って僕は心のなかでガッツポーズをしていました」と、実は監督も絶賛の演技だったと話すと、齋藤は「本当に手応えがなかったもので…人生の思い出だなと思っていたら急にお知らせをいただいたので、すごく嬉しかったです」とほっとした表情を浮かべた。
宮世もまた「僕も手ごたえゼロで、絶対にオーディション終わったらマネージャーさんと電話するっていうルーティンがあるんですよ。今回のオーディションだけは「僕、絶対落ちたんで」と言ってしまったぐらい自信がなくて。でもこうしてオーディション受かりましたっていう連絡が来て、驚きました」と、キャスト陣が思っているよりも想像以上に、監督が抱くキャラクターの理想像にぴったりな演技で魅せる、実力派の声優陣がオーディションで選ばれたことがうかがえる。
アフレコ時印象に残っていることを聞かれると、高橋は「天海さんとのシーンで、伊藤監督が「面と向かってこのシーンはやってみましょう」となって、天海さんのお顔をみてアフレコをしていたのをよく覚えています。大きいスタッフさんがいて、取っ組み合いをしながらカメラを回して、その表情づくりも作画に活かしたんだよ、という話もして頂きました。普段のお芝居に近い状態でやらせて頂けたのもありがたくて、作画として僕が作り出す表情を少しでも玲斗に吹き込めたのがすごく嬉しかったです」と、珍しい制作秘話を語る。
さらにアフレコ現場には原作者の東野が訪れる機会があったそうで、高橋は「ブースの中でお話をする時間があった時に、天海さん発信でどういう風にこうキャラクターを作られているのかという話を目の前で東野先生にして頂いて。だからこんなにも観ていて情を動かされるんだなと感じたのは、すごく覚えてますね」と、東野作品にしかない魅力に気づくきっかけになったという。
天海は「東野先生の原作で1作、出演させて頂いたことがあるのですが、演じるにもこう流れがあって。なぜこんなに共感というか、感情が理解できるんだろうと思って質問させて頂いたら、川には感情にも流れがあると。それを食い止めたり、せき止めたりしないように、脇道に逸れないようにしているって仰っていて、そういうことなんだと」と、東野との会話を通して全ての人の心に沁みる東野作品の深い魅力を熱弁した。
本編を鑑賞した高橋は「圧倒されましたね、本当に。アフレコの時は絵が動いてなかったりとか、まだ色が入ってない段階でも見てて感動してましたが、完成形を見た時に、色でも楽しめるし、映像美ももちろん、音楽も合って。だから僕は見てすごく感じたのが、“目でも耳でも心でも楽しめる作品”はこういう作品なんだなっていうのを感じました。監督が仰ったように、ファンタジー要素もありながらも、どこかにこんなものがあるのかなと思わされるリアリティと作品の表現に圧倒されながら、あっという間に終わりました」と、本人も感無量の様子。
天海は「びっくりするくらい泣いてしまって。うまく言えないんですけど、きっと誰の心の中にもクスノキがあるんだろうなと・・何かを受け取って誰かに伝えられたらいいなと思いました」と今にも涙しそうな感動の想いを馳せる。
本作のタイトルにちなんで、「〇〇の番人」だと思うことを聞かれると、宮世は登山にハマっているということで「山の番人」、大沢は「本当にこのメンバーや作品が大成功するような番人の一人でいたい」と、素敵な番人を発表すると会場から大きな拍手が贈られた。
齋藤はお風呂をぴかぴかにすることが好きということで「お風呂の番人」、天海は自分で自分を戒めつつ頑張れたらということで「天海祐希の番人」、高橋は「蓋の番人」と気になるワードを話すと、「自分の中で心に蓋をする瞬間を使い分けてることがあるなと思ったので、クスノキのような寛大の人に全て受け止めてもらいたいなと思って過ごしています」と思わぬ胸の内を明かすと、すかさず天海が「一緒に(蓋を)開けますか」と入り、コンビネーションばっちりのやり取りをみせた。
最後に高橋は「この作品のお話をいただいた時に、長編アニメーション初主演ということで、どうして今の自分にこんな贅沢なお声をかけて頂けるんだろうと思いながらお話を受けさせて頂きました。玲斗がクスノキの番人に選ばれ、玲斗が千舟さんやそれぞれのキャラクターと出会い、成長して、“クスノキの番人”としての覚悟や責任を感じていく物語を演じる中で、僕自身も天海さんをはじめとするキャストの皆様と、伊藤監督をはじめとするスタッフの皆様に本当にたくさんお力添えをいただいて作り上げることができた、役者・高橋文哉としての本当に大切な一作になっていると思います」とコメント。
そして「『クスノキの番人』をこの世で1番最初に観るのが皆さんなので、最後は僕らスタッフ、キャストが作ったものを皆様の手で完成させて頂ければなと思います」と高橋が作品への強い想いを語り、観客からの盛大な拍手が贈られ、完成披露試写イベントは幕を閉じた。
上映後の会場に感動と温かな空気が会場いっぱいに広がってるなか、高橋、天海、伊藤監督が登壇。高橋が「皆さんが1番最初に観た方なので、僕が今ほんとに聞きたいのは、どうでしたか?」と投げかけると割れんばかりの拍手が会場に鳴り響いた。
高橋は「このお話いただいた当初から今日まで、皆さんに届く日をずっと待ちわびている自分と、少し怖さを持っている自分と戦いながら今日を迎えましたが、皆さんの温かい拍手に救われました。皆様が今日感じてくださったことを、家に帰って、自分の身の回りの人だったり、近くにいらっしゃる方々と繋がりや、目で見えるものだけじゃなくて心と心で通じ合えるような作品のきっかけとして、この『クスノキの番人』が架け橋になれたらすごく嬉しいです」と語る。
天海は「楽しんでいただけたでしょうか。たくさんの人が心を込めて作った作品です。皆さんの心にもクスノキがあると思います。それをどんどん成長させて、たくさんの人と繋がって、何かを伝えていっていただけたらなと思います。この作品が本当どんどん成長することを心から願っています」と、観客の表情を1人1人見ながら想いを募らせた。
監督は、天海祐希演じる柳澤千舟のキャラクターをかっこよく描きたかったと話していたなか、彼女のセリフ『おろかですね』を流行らせたい(笑)。皆様のお力が頼りです」と話し、観客の笑いを誘った。
ここでまさかのサプライズゲストが登場。原作者・東野圭吾が舞台上に登壇すると驚きの声が会場に響く。東野は「みなさんこんにちは。こういう場に出るのは20年ぶりになります。大事なことは今日みなさんがどう感じてくださったのか、お客さんがどれだけ満足したか、そういうことを気にしながら、宣伝を応援したいと思います」と強い想いを言葉に込めた。
さらに本作では東野圭吾 原作作品初となる、入場者特典として、書き下ろし小説「クスノキの裏技」の配布が決定しており、「作品をみた人のために書いています。みたらわかるように社長(柳澤将和)の話が少しでてきます。映画をみないと面白くないですから、そのようにみなさんみてください」と語った。小説では、玲斗や千舟に深く関わる千舟のはとこ、柳澤将和の過去にまつわるエピソードが描かれ、原作小説や映画では描かれなかった、知られざるクスノキの力の“裏技”も明かされることに。感動のラストのあと、劇中では描かれなかったエピソードに触れ、より一層鑑賞後の余韻が胸いっぱいに広がる小説となっている。
アニメ映画『クスノキの番人』は、1月30日より公開。

