イーストウッド監督最新作、『アメリカン・スナイパー』イラク・バグダッドで上映中止

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ブラッドリー・クーパーが、イラク戦争に従軍した実在のネイビーシールズのスナイパー、クリス・カイルを演じたクリント・イーストウッド監督最新作『アメリカン・スナイパー』。早くもイーストウッド監督史上最高の成績を記録し、話題を呼んでいる本作だが、イラクの首都バグダッドでの上映が中止となった。
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今回の上映中止の件は、イラク政府と視聴者たちの「イラク人を侮辱している」との判断によるもの。とある映画館のマネージャー、ファレス・ハイラル氏は「映画を上映し続ければ罰金、もしくは映画館の閉鎖の可能性がある」と文化庁高官から警告を受けたことをワシントン・ポスト誌に明かしている。
「高官は私に、“あの映画はイラク人を侮辱している”と言いました」とファレス氏。「もし我々が上映すれば、批判の対象になってしまうでしょう。しかし、上映をしないと赤字になってしまうでしょうね。実際のところたくさんの人たちがあの映画を観たいと思っていますから」と、映画館のマネージャーであるがゆえの苦悩を語る。
主演のブラッドリーは、本作がこれほど論争の的になるとは思わなかったと口にする。「製作中は観に行く人がいるかさえわからないだろ。だから大胆な表現が、どんな影響をもたらすか考えることだけでも結構厚かましいことなんだよ」と話し、また「兵士の苦境にスポットを当てたどんな議論も素晴らしいと思うよ」と自身の見解を述べた。