哀しみと涙が孤独な“怪物”を産み落とすまで『メアリーの総て』予告

女優のエル・ファニングが主演を務める映画『メアリーの総て』から予告編が解禁。公開された映像には、18歳で小説『フランケンシュタイン』を書き上げたヒロイン、メアリー・シェリーの衝撃の人生が描かれている。
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本作は、ゴシック小説の金字塔として、ティム・バートンやデヴィッド・リンチら巨匠監督に大きな影響を与えた『フランケンシュタイン』の作者、メアリー・シェリーの生涯を描いたヒューマンドラマ。19世紀のイギリスを舞台に、若干18歳で“怪物”を生み出したメアリーが経験する、道ならぬ恋や愛と放蕩の日々、大切な人の死など、ベールに包まれていた波乱の人生をつづっていく。
エルがメアリーをエモーショナルに表現し、無神論者で自由主義、奔放に生きてメアリーを創作へと“追い込む”詩人のパーシー・シェリーに『ノア 約束の舟』のダグラス・ブース、異母妹のクレアに『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』のベル・パウリーを配役。『少女は自転車にのって』で第86回アカデミー賞外国語映画賞サウジアラビア代表に選出されたハイファ・アル=マンスールが監督を務める。
このたび公開された予告編は、作家を夢みる少女として、愛する人と出会い希望に満ちた人生を信じるメアリーの姿からスタート。しかし、幸せな時間が流れたのも束の間、我が子の死、破産、愛する人の裏切りという「絶望」がメアリーを襲い、次第に執筆活動に取り憑かれていく様子が映し出される。
さらに「若い女が書いた怪物モノを誰が読む?」と言われたメアリーが、「報われることのない愛を乞うこの哀れな<怪物>は私自身よ!」と叫ぶ姿が捉えられ、孤独なメアリーが葛藤の中で傑作を生み出していく様子が、エルの鬼気迫る演技からも伝わる映像となっている。
また予告編と併せて公開された場面写真には、英国調のドレスを身にまとう美しいエルの姿や、 後に名作『吸血鬼』を生んだ、文学史を変えた伝説の一夜「ディオダティ荘の怪奇談義」につながる一幕が収められている。
映画『メアリーの総て』は12月より全国順次公開。