
浅丘ルリ子
出身地:満州国
生年月日:1940/7/2
浅丘ルリ子 出演映画作品
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男はつらいよ お帰り 寅さん
制作年:2019年12月27日(金)公開
ひとりの俳優が演じた最長映画シリーズとしてギネス認定されるなど、長年にわたって愛された『男はつらいよ』シリーズの22年ぶりとなる50作目。寅さんの甥の満男が、初恋の人イズミと再会する姿や寅さんとの日々に思いを馳せる姿を描く。主演を『ALWAYS…』シリーズの吉岡秀隆が務め、後藤久美子、倍賞千恵子、前田吟らが共演する。
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デンデラ
制作年:2011年6月25日(土)公開
カンヌ映画祭でパルムドールに輝いた今村昌平監督の『楢山節考』。それから28年、今村監督の息子である天願大介監督が、佐藤友哉の同名小説を基に、姥捨て山伝説に挑む。さまざまなバックボーンを背負った老婆たちに扮するのは浅丘ルリ子、倍賞美津子、山本陽子、草笛光子というベテラン女優。日本映画界を代表する豪華女優の競演に注目したい。
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寝ずの番
制作年:2006年4月8日(土)公開
マキノ省三を祖父に、マキノ雅弘を叔父に持つ俳優、津川雅彦が“マキノ“姓で初監督に挑戦。上方落語界の舞台裏を背景に、故人の思い出話に花を咲かせる噺家たちの哀しくて可笑しい通夜の席の情景を、自由闊達な語り口で描いていく。
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博士の愛した数式
制作年:2006年1月21日(土)公開
『雨あがる』の小泉堯史監督が、芥川賞作家、小川洋子の同名ベストセラー小説を映画化した感動作。交通事故の後遺症で80分しか記憶がもたなくなった数学博士と、若い家政婦とその息子が育む交流を丹念に描き出す。『半落ち』の名優、寺尾聰が主人公の天才博士役で圧倒的な存在感を放つ。
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男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花〈特別篇〉
制作年:1997年11月22日(土)公開
最新作「…寅次郎紅の花」のヒロインでもあるリリーの前作に当たる'80年作品を、リニューアル。寅さんと、とりわけ縁の深い彼女との恋模様が沖縄を舞台に展開していく。
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昭和のいのち
制作年:
石原裕次郎をはじめ、当時の日活オールスター・キャストによる任侠ものの大作。昭和初期、主人公は右翼テロ組織の刺客だったが、首相暗殺に失敗。危ないところをテキ屋の親分に助けられ、その道に生きようとする。ラスト、大義名分のためではなく自分のために殴り込みに出かける主人公のクローズ・アップが印象的。
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不死身なあいつ
制作年:
都築浩介は、ヤクザを嫌って刑事と結婚したかつての恋人と再会する。しかし、彼女の夫は誤殺事件を起こして刑事を辞め、悪玉の用心棒になっていた。彼女の夫は、悪玉から都築の殺害を依頼されるが、彼はそれを拒否して殺されてしまう……。二谷英明が悪になりきれない男を好演。
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栄光への挑戦
制作年:
裕次郎が、元ボクサーを演じたアクション。ボクシングで稼いだ資本をもとに遊興娯楽の事業に乗り出した宗吾郎。彼は、事業発展を邪魔する暴力団・野沢会に片腕・長田を殺され、営業停止に追い込まれる。すっかり意気消沈する吾郎だったが、恋人・紀子に励まされ、彼は野沢会に復讐を遂げる。
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銀座旋風児 黒幕は誰だ
制作年:
日本開拓公団汚職の核心であるニセ札事件を探知した銀座旋風児・二階堂卓也。殺し屋の手から印刷工を救った彼は、ニセ札の首謀者が公団理事長であることを突き止めるが、その裏にはまだ、新日本共産促進連盟の黒川という黒幕が潜んでいて……。
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銀座旋風児 嵐が俺を呼んでいる
制作年:
『銀座旋風児』シリーズの第4弾は、謎解きが入りミステリー的色彩の濃い作品になった。小林旭が演じるマイトガイの神出鬼没な活躍に加え、探偵助手に扮する若かりし頃の浅丘ルリ子の、アイドル乗りのキュートさにも要注目! 東京税関の係官殺人事件が起こり、さらにその娘が誘拐された。事件を知った探偵が真相究明に乗り出す。後半の犯人追跡シーンなどがスリリング。
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木曜組曲
制作年:
【カリスマの幻影に支配される5人の女のディスカッション】 『命』の篠原哲雄が6女優競演で描き出す密室サスペンス。亡き女性作家の幻影にさいなまれる5人の女たちが、ゆかりの館で作家の死因を探るうち、それぞれの愛憎と向き合うことになる。
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風に逆らう流れ者
制作年:
野村浩次は、親友の瀬沼に会うため豊橋市にやって来る。ところが瀬沼は、すでに火薬工場の爆破事故で死亡。その裏に事件の匂いを嗅ぎつけた浩次は、塩沢火薬の社長に近づく。塩沢が、瀬沼の父が持つ造船所と島を乗っ取り、火薬の密造所にしようとしていることを知った浩次は……。ライバルの拳銃使いが神山繁では、いささか役不足の感じがするシリーズ最終作。
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星よ嘆くな 勝利の男
制作年:
オリンピックで金メダルを取ったボクサー・速水は、一度は断ったプロ入りを師匠の死によって決断。彼に自分の夢を託した矢代とともにチャンピオンの道を目指した。やがて矢代の妹・葉子との恋も芽ばえるが、町のボス・加納の妨害が……。次々作の「紅の流れ星」で渡哲也をスターダムに押し上げた舛田監督・日活アクション末期の一編。
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大海原を行く渡り鳥
制作年:
“渡り鳥“滝伸次は九州の雲仙高原に流れつき、観光事業にからむ悪玉の企みからヒロインを助けて大活躍。ダイヤモンドライン入りした宍戸錠に代わって藤村有弘がライバル“ツブテの竜“に扮し、得意の無国籍語を駆使して怪演!
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太平洋のかつぎ屋
制作年:
腕利きパイロット・哲次は、パートナーのジムの失敗を一人でかぶって解雇される。航空大学の教官となった哲次だが、自分もパイロットとしてもう一度飛びたいという思いを捨てきれない。が、ある日救助物資輸送のため、哲次は台風の中を飛ぶことになった……。小林旭主演の痛快な航空アクション。
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日本一の男の中の男
制作年:
有能なセールスマン・小野子等は、会社の会長をどなりつけて子会社に左遷される。しかし、ここでも奇抜なアイデアで手腕をふるう小野子と会長の孫娘の間にいつしかロマンスが……。それまでのマドンナ・浜美枝に代わり浅丘ルリ子が共演した痛快な一編である。
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早咲きの花
制作年:
【名女優がじっくりと伝える平和の願い 】 近年は『博士の愛した数式』などの脇役で活躍しているベテラン女優・浅丘ルリ子が、失明することを運命づけられたカメラマンに扮した人間ドラマ。そんな主人公の戦時中の体験を通して、平和の尊さを改めて見る者に問いかける感動作だ。
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渚の白い家
制作年:
夫の転職に伴ってハワイで暮らす妻が、疑惑と妄想の果てに夫への愛を失い、当地の青年と激しい恋に落ちるというサスペンス・メロドラマ。ヒロイン、浅丘ルリ子の恋人役として登場の名高達郎はこれがデビュー作。浅丘ルリ子のファッションも見もの。
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嫉妬〈1971年〉
制作年:
夫が失踪してクラブのママと心中。しかし女は生き残り、夫だけが死んでしまった。その謎を探るためにホステスとなってその女の店に勤め始めた妻は、夫が陰謀に巻き込まれ殺されたことを知る。藤本義一の同名小説をもとにしたサスペンス・ドラマ。
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ジーン・ワルツ
制作年:
【菅野美穂が禁断の代理母出産に挑む女医役に】 『チーム・バチスタの栄光』の海堂尊のベストセラー小説をベースに、代理母出産に挑む産婦人科医師の闘いを描く医療ドラマ。妊婦受け入れ拒否や地方の医師不足などの医療問題を背景に、菅野美穂演じる不妊治療のエキスパートの主人公が生命誕生に全力を尽くす姿を描く。壊滅寸前の産婦人科医療の現実に圧倒されながらも、希望につながるラストが感動を呼ぶ。
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ひとり旅
制作年:
悪党どもが密輸取り引きをするたびに現れては現ナマを奪う男、“エースのジョー“と呼ばれる男がいた。日ごろの復讐のため罠を張る悪党どもに、ジョーは銃弾を浴びて車ごと海に沈むが、恋人・美佐の危機に不死身のジョーは再び立ち上がるのだった。渡り鳥シリーズの斎藤武市が描く痛快アクション。
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想い出のかたすみに
制作年:
歌と主演作から“ふれあいコンビ“と名付けられた、中村雅俊・檀ふみ主演の第2作。遅咲きの初恋を体験した大学生の男女。だが年上の人妻が現れたことから二人の間に亀裂が生じはじめて……。中村と人妻役・浅丘ルリ子との大胆なベッドシーンが話題になった。
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愛ふたたび
制作年:
「個人教授」で一躍人気者になったフランスのR・ベルレーと浅丘ルリ子が共演した愛の物語。パリへ留学したみやは、レーザー技師のニコと知り合い、愛するようになる。1年半のパリ生活を終え、みやは“さよなら“も言えずにニコと別れてしまう。そして数ヵ月後、ニコはレーザー・セミナーに出席するため来日、みやと再会する。
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赤木圭一郎は生きている 激流に生きる男
制作年:
トニーこと赤木圭一郎は「激流に生きる男」の撮影中の昭和36年2月14日休憩中に撮影所内でゴーカートを運転し、ハンドルを切りそこねコンクリート塀に激突して入院。1週間後の21日、21才の若さで死亡した。この作品は、吉田憲二の監修によって、トニーの生前撮影された未完成のフィルムと故人ゆかりの人々の座談会の2部構成になっている。
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海を渡る波止場の風
制作年:
宍戸錠が前作の悪役からライバル役へと昇格した。大金を積んだセスナとともに消えた弟を探して、鹿児島に現れた浩次。彼は弟の婚約者と一緒に背後にいる敵の正体を暴くが……。“渡り鳥“シリーズに比べると話は暗いが、錠のコミカルな金庫破りは旭との掛け合いとともに一見の価値あり。
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鹿鳴館
制作年:
三島由紀夫の同名戯曲を市川崑が演出した。明治中期、日比谷の鹿鳴館で催された舞踏会に集った人々と、それを襲撃しようとたくらむ自由党残党の群像を描いた大作。市川崑の演出は原戯曲のムードを、錦絵のごとき絢爛豪華な美術の中に再現することに成功している。
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帰らざる波止場
制作年:
石原裕次郎と浅丘ルリ子のコンビによるムード・アクションの後期代表作。麻薬組織のために臭い飯を食わされた世界的ジャズ・ピアニスト・津田史郎は、復讐を誓い出所後組織と接触するため横浜へやって来るが、そこで財閥の未亡人・冴子と出会い、恋に落ちてしまう。横浜というバタ臭い土地を背景に、石原裕次郎と浅丘ルリ子が息のあったところを見せる。特にラスト、傷を負った裕次郎とルリ子がタラップの上でひしと抱き合うシーンの甘美さはなかなかのもの。主人公をつけまわす刑事役で珍しく志村喬が出演。
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栄光への5,000キロ
制作年:
パリ~ダカール・ラリーと並ぶ過酷な自動車レース、サファリ・ラリーに挑む日本人ドライバーの勇気と栄光を描く石原プロ製作の超大作。世界に通用する国際映画を作ろうとする製作者・石原裕次郎の熱い思いがこの作品となって結実した。
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姿なき追跡者
制作年:
復讐に燃える男の正体探しをメインにした、アクション作品。秋津組の跡目相続人、黒住俊道が殺された。ボスの秋津は残った幹部に、黒住の弟・健次を相続人とし、彼が必ず復讐に来ると遺言して死ぬ。まもなく、秋津組の縄張りに、ニセ刑事の島亮太郎と殺し屋の吾郎が現れる。幹部たちは、二人のどちらかが健次に違いないとにらむのだが……。
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さすらいのトランペット
制作年:
「嵐を呼ぶ男」のトランペット版といった感じの青春サクセス・ストーリー。トランペッター、明島秀夫は、敏腕プロモーター、矢崎竜二の力でスターになるが、作られた人気に嫌気がさし、一時トランペットを捨てる。北国で修行をする彼は、村祭りの太鼓を聞いて新たな音楽に目覚め、単身再起した。しかし、落ち目の矢崎は彼を逆恨みする。
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波止場の鷹
制作年:
佳作「夜霧よ今夜も有難う」に続く裕次郎とルリ子のコンビによるムード・アクション。横浜を舞台に、主人公の経営する会社を悪玉が麻薬の密輸に利用しようとするが、主人公は真っ向から立ち向かう。ムード・アクションの事実上の最終作となった。
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男が爆発する
制作年:
八ヶ岳のふもとの農場を継いだ若者・謙作は事故がもとで東京の病院に入院する。入院費に困り、父と離婚した母を訪ねるが、女社長の母にはほかに息子がいた。そして謙作は異父兄弟がたくらむ八ヶ岳の土地買収計画に巻きこまれていく……。地方を舞台にした、裕次郎=舛田利雄の名コンビで描くアクションもの。
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影狩り
制作年:
『週刊ポスト』に連載されていた、さいとうたかをの同名劇画の映画化。財政難の江戸幕府が、地方の弱小藩をとり潰そうと放った公義隠密“影“。かつてその犠牲となった3人の刺客は“影狩り“となって幕府の陰謀に立ち向かう。
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アジア秘密警察〈1966年〉
制作年:
“日活ダイヤモンド・ライン“の一人として、“日活ダンプガイ“の異名をとった二谷英明。これは彼が、そのラインから外れたあとの、数少ない主演作。二谷扮するアジア秘密警察員が、大量の金塊投入によって日本経済の混乱を計る悪漢と戦う。悪役を演じるのは宍戸錠。
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都会の空の用心棒
制作年:
ビラまきを主な仕事とするちっぽけな会社のヘリコプターのパイロットが、殺人事件に巻き込まれて大活躍する。「紅の翼」や「天と地を駈ける男」などで高い評価を得た日活特殊撮影陣による航空シーンが最大の見せ場だが、マイトガイ・小林旭の骨身惜しまぬアクション・スターぶりも高く評価される。「拳銃は俺のパスポート」や「夜霧のブルース」など日活アクション史上に残る傑作を監督した野村孝としては、中級のできながら、的確なドラマ運びとスピーディなアクション処理で楽しめる作品に仕上げている。ジェリー藤尾がアイスピックを持った殺し屋役で、特異な個性をみせた。
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海から来た流れ者
制作年:
大島に流れてきた男が、土建業者同士の対立抗争に巻き込まれていく。“渡り鳥““流れ者“を通して、小林旭演じる主人公と奇妙な友情で結ばれるライバルに扮した宍戸錠は、ここではまだ完全な悪役。この二人は、このあとコンビとしての面白さのボルテージを上げていく。
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高原児〈1961年〉
制作年:
ヒーローを慕う浅丘ルリ子のヒロイン、ライバルの殺し屋など、ほとんど同じ小林旭の“渡り鳥“シリーズを思わせるアクション。看護婦の伸子は、射撃の名手・健次に惚れていたが、彼の態度が煮えきらないので、ほかの男と婚約する。一方で、伸次の姉夫婦が経営する牧場を悪玉が狙っていた。その危機を知った健次は、牧場に駆けつけて……。
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大暴れ風来坊
制作年:
四国・松山の瀬川運送は、県から払い下げられる土地の入札資金調達に奔走していた。瀬川は関西の実力者、大田黒に頼むが、彼こそ瀬川の土地を狙う悪漢で、執拗なまでに瀬川の土地を奪おうとする。そんな時、松山に得体の知れない風来坊がやって来る……。
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四十七人の刺客
制作年:
元禄14年(1701年)の春。江戸城で播州赤穂藩主・浅野内匠頭が勅使響応指南役・吉良上野介と刃傷沙汰を起こし、浅野は即日切腹、藩は取り潰しと処断された。しかし吉良は無罪。この一方的な処遇の裏には、時の宰相・柳沢吉保と上杉家江戸家老・色部又四郎の策謀があった……。「十三人の刺客」などの脚本家・池上金男が、別名で発表した時代小説の映画化で、おなじみ「忠臣蔵」の物語に新解釈を施し、一種の情報・経済戦争として扱っている点が異色。吉良邸討ち入りを胸に誓った大石内蔵助が、まず塩相場を操って資金を得るくだりや、意図的な流言で“吉良憎し“の世論を高めるなど、これまで“涙“や“義理“でごまかしていた部分を合理的な解釈で埋めている。高倉健が挑む4度目の時代劇で、市川崑との初顔合わせになる。日本アカデミー賞では色部を演じた中井貴一が助演男優賞に輝いたほか、美術・録音・編集の計4部門で受賞。
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渡り鳥いつまた帰る
制作年:
佐渡に流れて来た“渡り鳥“滝伸次は、戦時中に日本軍が隠匿した貴金属を独り占めにしようとする悪玉の野望を阻止する。宍戸錠が主人公のライバル“ハジキの哲“として登場し敵対するが、最後は協力して悪玉を倒す。
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銀座旋風児・目撃者は彼奴だ
制作年:
庶民経済会の前会長謀殺事件を追っていた刑事がある夜殺される。目撃者は銀座旋風児の二階堂卓也とサラリーマンの小山田。警察は小山田を犯人として捕まえるが、卓也は事件の鍵は猟銃にあるとにらみ、東京中の銃砲店を歩いて回るのだった。
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波止場の無法者
制作年:
海を捨て、陸で堅気になって働こうと決心した木島だが、飲み屋ではからずもケンカに巻き込まれる。キャバレーのマスターに気に入られた木島は用心棒として店につくことに。しかし、その店は香港の麻薬王に狙われていた……。「ギターを持った渡り鳥」の小林旭・斎藤武市コンビで贈るマドロスものアクション。
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結婚の条件〈1963年〉
制作年:
前作「憎いあンちくしょう」で女優として華々しく開花した浅丘ルリ子が、ハンサムな義兄を慕うカラッとしたOLを好演した作品。まひるは、二人の男から結婚を申し込まれている美人のOL。しかし、彼女の夫の理想像は、義兄の史郎だ。その史郎に、実は愛人がいたことを知ったことで、彼女の心は微妙に揺れ始める。
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狙撃
制作年:
永原秀一のオリジナル・シナリオによるハードボイルド映画の快作。一匹狼の殺し屋・松下徹は金塊密輸の手助けをするが、敵方の雇ったスゴ腕の殺し屋に仲間を殺されたうえ、恋人までも人質にとられ、ついに1対1の対決を挑む。病老の殺し屋に扮した森雅之が見事な風格を見せた。
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赤い夕陽の渡り鳥
制作年:
ギターを背に“渡り鳥“滝伸次が会津磐梯山の麓に現れ、牧場主を助けて、牧場乗っ取りをたくらむ悪玉一味を叩きつぶす。宍戸錠がライバル“ハジキの政“として登場し、大坂志郎が珍しく悪玉に扮する。
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世界を賭ける恋
制作年:
日活の製作再開5周年記念作品で、武者小路実篤の名作『愛と死』を石原裕次郎と浅丘ルリ子のコンビで映画化した純愛メロドラマ。新進建築家の村岡は、仕事で3ヵ月間ヨーロッパに滞在することになる。日本に残した恋人の夏子とはお互いに毎日手紙を書き愛をはぐくむが、村岡が帰国の途中に夏子は急死する。日本映画初の本格的ヨーロッパ・ロケーションが敢行されたが、この古臭いメロドラマを活性化させるには至らなかった。当時は主に小林旭と共演していた浅丘ルリ子が、石原裕次郎と初めて本格的な共演をした作品。
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愛の渇き
制作年:
三島由紀夫の同名小説を蔵原惟繕監督、浅丘ルリ子主演で映画化した文芸メロドラマ。大阪の豊中付近の大邸宅。未亡人・杉本悦子は夫の死後も杉本家に住み続け、いつしか義父と深い関係に陥っていた。ある日悦子は下男・三郎の若く粗野な肉体のたくましさに心惹かれるが、三郎は女中に子を孕ませていた……。「執炎」と並ぶ蔵原惟繕監督の代表作で、果てることのない愛のさすらいが白黒画面の中に鮮烈に焼きつけられた。「執炎」で演技開眼したといわれる浅丘ルリ子が、ここでも期待に応えて難役を見事にこなし、日活唯一の演技派スターの地位を不動のものにした。特にルリ子扮する未亡人が、下男の三郎に自分の愛の渇きを訴えて三郎に抱かれるものの、彼の強い抱擁が単なる男の暴力にすぎないと訴え、三郎を突き放すシーンは圧巻。浅丘ルリ子の女心のもろさと毅然とした外面の二律背反ぶりが示す演技は、実に見事であった。なお、蔵原惟繕監督は、この作品を最後に日活を退社しフリーになった。
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太陽・海を染めるとき
制作年:
マイトガイ・小林旭と舛田利雄監督のコンビによる痛快娯楽アクション。主人公は外国航路の船員で、ある港で商船大学の同級生と2年ぶりの再会をするが、旧友は処女航海に失敗し、今はヤクザになっていた。主人公は彼のために悪玉と戦う。浅丘ルリ子が男勝りの娘を演じ、イキな啖呵を切るのが可愛らしい。
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花と竜〈1962年〉
制作年:
1954年東映版(佐伯清監督・藤田進主演)に次ぐ再映画化で原作は火野葦平の小説。明治末に沖仲士から身を起こし九州一帯の港湾荷役を手中に収めた大親分、玉井金五郎の一代記。裕次郎は無鉄砲でロマンチストの金五郎を演じた。ラストの雪中の決闘が見どころ。
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何か面白いことないか
制作年:
「憎いあンちくしょう」とほぼ同じスタッフとキャストによる青春ドラマの異色作。平凡な恋人との退屈な幸福に疑問を持ちはじめた倉橋典子は、父のセスナを売り払うことになるが、喫茶店で会った型破りの青年、早坂次郎に出会う。元パイロットだった彼は、何か突飛なことをやりたくて典子のセスナを手に入れる。典子は彼に協力するうちに次第に生きがいを感じ始め……。「憎いあンちくしょう」で明確に示された人間の真摯な生き方が、姉妹編的なこの作品では、結局不明瞭なままに終わってしまった感がある。しかし、商業映画の枠の中にあってテーマをしっかり見据える蔵原惟繕監督の前向きの姿勢は大いに評価される。
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意気に感ず
制作年:
サラリーマンを描く源氏鶏太の同名小説を、斎藤武市が映像化した企業内幕もの。神保物産営業部員・英吉は、神保物産から独立した西田物産に引き抜きの誘いを受けていた。それを蹴って、彼は神保物産立て直しをはかるべく、4年前退職した東沢を連れ戻す。が、社内にも西田物産派がおり、様々な妨害が……。
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男はつらいよ 寅次郎忘れな草
制作年:
マドンナとして通算4度の出演回数を誇る浅丘ルリ子を初めて迎えた一編。悪気はないのに法事をめちゃくちゃにしてしまった寅さんは、またまた周りの人々とケンカして北海道へ。網走の安キャバレーの歌姫・リリーと意気投合するが……。
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二人の世界〈1966年〉
制作年:
石原裕次郎主演の日活ムード・アクション。北条修一は身に覚えのない罪をきせられ、やむなく国外へ逃亡していたが、あと4日で時効という時になってフィリピン人・バルガスと名乗って帰国する。彼は帰国の船上で戸川玲子と知り合う。長崎に着くと、北条は玲子に置き手紙をし、汚名を晴らすために真犯人の捜査に乗り出す。玲子は北条の過去に強い興味を抱いて北条を追う。もう一人、スクープをものにせんとして、雑誌記者・川瀬も北条を追跡中。だが証人は次々と消されていた。主人公の過去を取り戻し、失われた自己の存在証明を得ようとする姿を、情感をたたえたムーディーな雰囲気で描いた佳作。
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大草原の渡り鳥
制作年:
北海道摩周湖付近の広大な自然を舞台に、ギターを背負った“渡り鳥”が、観光地の利権を狙う悪玉からアイヌ集落を救う。小林旭と宍戸錠が息のあったところを見せ、斉藤武市の演出も好調、シリーズの最高作となった。
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女を忘れろ
制作年:
「完全な遊戯」と並ぶ小林旭の初期の代表作。ボクシングの試合で相手を失明させてドラマーに転向した主人公は、浅丘ルリ子扮する美しい娘に心惹かれ彼女のために悪徳土建屋と戦う。恋人と別れて異国へ旅立つ小林を乗せた車が、冬の夜道を静かに去っていくラストシーンの余韻は忘れがたい。
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南国土佐を後にして
制作年:
ペギー葉山が歌い大ヒットを記録した同名曲にあやかり、斎藤武市監督、小林旭主演で映画化された歌謡アクション。刑務所を出所したヤクザの原田譲司は、故郷の高知へ帰り恋人と堅気に生きようとするが、恋人に横恋慕する地元ヤクザのボスにことあるごとに痛めつけられ、またヤクザの世界に舞い戻る。しかし再び恋人のために出直そうと決意し、警察に自首する。この作品は封切りで予期せぬほどの興行成績を収め、マイトガイ・小林旭は、石原裕次郎と並ぶスターの地位を獲得した。また、小林旭の全盛期を代表する“渡り鳥”と“流れ者”の両シリーズの原型となった点でも重要な作品。
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無頼無法の徒 さぶ
制作年:
山本周五郎の同名小説を小林旭と長門裕之のコンビで映画化。敏捷で腕のたつ栄二と鈍重なさぶの二人は、ある日、10年前に知り合った女性・すえと再会した。すえは栄二を慕うが、人気者の彼に嫉妬してしまう。そんな折、綿文屋の家宝が紛失し、栄二が犯人として捕らえられてしまうのだが……。
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波濤を越える渡り鳥
制作年:
滝伸次は行方不明の兄を探すためタイのバンコクに渡り、そこで日本軍が戦時中に埋めた貴金属を奪おうとする悪玉と対決する。香港・バンコクに大ロケーションが敢行されたが、シリーズ特有のロマネスクな魅力が失われてしまった。
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都会の空の非常線
制作年:
「都会の空の用心棒」に続く小林旭のパイロットもの。旭扮するヘリコプターのパイロットが、土地の利権を狙う悪玉一味と戦う。「紅の翼」などで見せた日活特撮陣の航空シーンは今回も快調で、ヘリコプターによる航空活劇シーンが次々と登場する。
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紅の流れ星
制作年:
1958年に舛田利雄監督が石原裕次郎主演で撮った「赤い波止場」のリメイク。しかし、ラストはゴダールの「勝手にしやがれ」をモデルに大幅に改変してあり、前作の「赤い波止場」がデュヴィヴィエの「望郷」からモチーフを借りてきていることを加えると、3本の映画のモチーフで仕上がっていることになる。ただし、それはあくまでモチーフだけであり、作品としてはロマンチシズムと軽さがシャープな映像として結実していた。加島組の組長を高速道路で射殺した五郎は、神戸の関興業に身を寄せて1年が経とうとしていた。五郎は退屈さをもてあましながらも酒と女には何不自由なく過ごしていたが、殺し屋や刑事は五郎のことを狙っている。ある日、関と取引していた宝石商が行方不明になり、その婚約者だという啓子が訪ねてきた。五郎は啓子に惹かれるものを感じるが……。渡哲也はベルモンドばりに、ことあるごとにルリ子に寝たいと口説き、それまでの日活スターにない人物像を作り上げた。
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男の怒りをぶちまけろ
制作年:
21歳の若さで事故死した“和製ジェームス・ディーン”こと赤木圭一郎主演のアクション映画。圭一郎扮する新聞記者が、時価2億円のダイヤをめぐるギャング団同士の抗争に巻き込まれる。小品ながら彼のキビキビしたアクションで楽しめる一編に仕上がっている。
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待ち伏せ
制作年:
冬、寒風吹きすさぶ峠の茶屋に、得体の知れない5人の男女が現れる。それぞれの素性が明らかにされるにつれて、老中・水野越前の外様大名つぶしの陰謀が浮かび上がってくる。サスペンスたっぷりのアクション巨編。戦後映画界を代表する大スターが揃って出演。
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若草物語〈1964年〉
制作年:
若い後妻を持った父を気遣って、東京へ嫁いで行った長女を頼りに、そろって家出した次女、三女、四女の三姉妹。長女は仕方なく3人のためにアパートを借りてやるが、それぞれにいろいろな事件が持ち上がって……。豪華スター勢ぞろいの正月興行作となった女性青春ドラマ。
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緑はるかに
制作年:
国産コニカカラーによる日活最初の色彩映画。オーディションで選ばれた浅丘ルリ子の映画デビュー作でもある。少年少女向けのアクション映画で、科学者である父が悪漢に誘拐され、少女ルリ子が浮浪児たちの協力を得て父を救出するというお話。
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銀座旋風児
制作年:
インテリア・デザイナーの二階堂卓也は、戦時中に国民から上納されたダイヤを横領し、中国人になりすまして銀座のボスになった男・堀田を追い詰める。ラストに“風ノ如ク又カエリ来ル!”という紙片を残し、消え去る卓也のキャラクターのキザッぽさ、これぞ小林旭の真骨項といえよう。
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危いことなら銭になる
制作年:
紙幣用のスカシ入り和紙10億8千万円相当が強奪された。ガラスのジョー、計算機の哲、ブル健の3悪人は、紙を盗んだ奴らにニセ金作りの名人を高く売り込もうとたくらむが……。原作は都筑道夫の『紙の罠』。これを中平康が演出するアクション喜劇。宍戸錠扮する、ガラスをこする音にはまったく弱い、ガラスのジョーというキャラクターが笑わせる。
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嵐来たり去る
制作年:
石原裕次郎、浅丘ルリ子が共演した舛田利雄の人情アクション。時は明治37年、日露戦争たけなわの頃。出征していった親友との約束を守り、その弟と妹の相談役になった板前・富坂の英五郎。彼は、親友の弟、妹、そして将来を誓い合った芸者・小春を守るため、悪どい小松川一家に戦いを挑んでいく。
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地獄の破門状
制作年:
日活スター勢ぞろいといった感のある任侠映画。大正末期の浅草を舞台に、4人の男がそれぞれの思惑を胸に秘めながら、協力して悪徳ボスを倒す。小林旭・浅丘ルリ子という、かつての名コンビが久々に本格的な共演をした作品で、二人の日活時代の共演はこれが最後。浅丘の芸者姿がひときわ美しい。
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群集の中の太陽
制作年:
城南大学ラグビー部部員の尾崎とその仲間3人は、祝勝会の料理屋で洋子と知り合う。洋子は尾崎の親友・武井と結ばれ、やがて彼らは大学を卒業するが、実業家志望の武井は事業に失敗、洋子も失踪する。新聞記者になった尾崎が乗り出すが……。地味ながら印象的な青春ドラマ。
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明日は明日の風が吹く
制作年:
石原裕次郎が、今は亡きヤクザの組長の次男に扮し、ふとしたことからヤクザの世界に足を踏み入れていくさまを描くアクション映画。1958年といえば、裕次郎がデビューして3年で、乗りに乗っている時期。北原三枝を相手役に迎え、きっぷのいい青年を好演。
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愛は降る星のかなたに
制作年:
日米間に緊張した空気が流れ始めた昭和16年、ヒトラーの信任厚いゾルゲによる赤色スパイ事件に関与したかどで、元内閣嘱託・坂崎秀美は逮捕される。残された妻・栄子や秘書・くに子は坂崎の真意を世に問うべく、彼の手紙の整理を始めるが……。ゾルゲ事件に連座した尾崎秀美をモデルにしたメロドラマ。
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絶唱〈1958年〉
制作年:
大江賢次の原作を小林旭と浅丘ルリ子のフレッシュコンビで映画化した純愛メロドラマの古典。戦前の山陰地方。封建的な大地主の息子・順吉は、山番の娘・小雪と恋仲になるが、周囲の猛烈な反対の末に駆け落ちする。二人はつかの間の幸福を得るが、戦争が始まり順吉は召集される。戦争が終り順吉が復員してきた日、小雪は息を引き取る。戦前派の滝沢英輔監督が、キメ細かな演出で観客の涙腺をゆるませ、小林旭と浅丘ルリ子の二人も初々しい演技で好感が持てる。特に小林旭は、“マイトガイ”として売り出す以前の青春スターとして地味に活躍していた時期の作品だけに、興味深い。
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嵐を呼ぶ友情
制作年:
「嵐を呼ぶ男」同様バンドマンの世界を背景とした男たちのドラマ。ジャズ喫茶“ジャズボート”では岡辺と川添のトランペットが人気を呼び、連日満員であった。二人は名トランペッター・旗から演奏を一から叩きこまれたのだった。そんなある日、恩師・旗の息子がチンピラとなっているのを知った二人は、彼をジャズの力で更生させようと誓う。
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御用金
制作年:
五社英雄監督、仲代達矢、中村錦之助、丹波哲郎の三大スター共演による時代劇の大作。天保年間の越前鯖江藩を舞台に、佐渡の御用金をめぐって様々な思惑を持った男たちの激闘がダイナミックなタッチで描かれる。フジテレビの劇場用映画第1作で、日本初のパナビジョン作品。
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夜明けのうた
制作年:
作曲家の愛人を持つ役者・緑川典子のもとに、新作映画「夜明けのうた」の脚本を持って、プロデューサーと脚本家が出演交渉にやって来る。しかし、その内容は彼女と作曲家との情事に酷似していた。彼女は怒って出演を断わるが、ふとしたことから純情なカップルに出会って……。蔵原=浅丘コンビによるメロドラマ。
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夜霧よ今夜も有難う
制作年:
ボギーとバーグマンの「カサブランカ」を日活が翻案して、石原裕次郎と浅丘ルリ子で映画化した。横浜でナイトクラブを経営している相良の前に、かつての恋人が突然姿を現し、彼女の夫である東南アジア出身革命指導者・グエンの密出国に力を貸してくれという。最初は冷たく断わっていた相良だが、やがて……。そろそろ青年期から離れるところにさしかかっていた裕次郎(当時33歳)をうまく使ったムード・アクション。構成は「カサブランカ」そのままだが、情感たっぷりの名セリフが裕次郎にふさわしく散りばめられていた。同名の主題歌は映画に先行して大ヒット。
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戦争と人間・第1部・運命の序曲
制作年:
財閥総帥の弟・伍代喬介は満州・関東軍の強硬派と結託し、利権を求めて画策していた。次男・俊介は、親友の標耕平や画家の灰山の影響で伍代家には批判的になっていく。長女・由紀子は柘植中尉との愛にすべてを賭ける。やがて、満州事変から上海事変へと戦火は拡大していった……。五味川純平の小説の映画化で、日本財閥と関東軍の謀略を、オールスター・キャストで描き上げた力作。ビデオは前篇と後篇がある。
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戦争と人間・第2部・愛と悲しみの山河
制作年:
軍部が権力を強めるなか、伍代産業は積極的に満州に進出する。そんな時期、俊介と人妻・狩野温子の激しい恋は悲劇的な別離に終った。標耕平は、俊介の妹・順子の愛を感じながらも、反戦運動に身を投じる。大陸では、日本軍が盧溝橋で攻撃の火蓋を切った。ビデオは前篇と後篇がある。
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水で書かれた物語
制作年:
母子相姦を描いた石坂洋次郎の同名小説を、松竹を離れフリーになった吉田喜重が撮った独立プロ第1作。松谷静雄は母・静香との二人暮らしのサラリーマンだが、幼い頃から静雄の父が胸を病み、病院暮らしが多かったためか、内向的な性格だった。静香は女手一つで静雄を育ててきたが、町の権力者・橋本と不倫の関係を結んでいた。静香と橋本は静雄に、橋本の娘・ゆみ子との結婚を勧める。“異母兄弟の結婚だ”と叫ぶ静雄だが、やがてゆみ子と結婚する。苦悩する静雄は母と関係を結ぶ。吉田はフォトジェニックな映像を使って、母子相姦を内向する観念として描いた。
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戦争と人間・第3部・完結篇
制作年:
標耕平は順子とひそかに結婚式を挙げ、大陸の戦場へ向かった。関東軍の方針を批判した俊介は、ソ満国境の最前線に投入される。ノモンハンの戦闘では、ソ連軍の圧倒的な物量の前に、日本軍は惨敗した。その頃、戦場から逃亡した耕平は、抗日運動に加わっていた。ビデオは前篇と後篇がある。
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告白的女優論
制作年:
岡田茉莉子、浅丘ルリ子、有馬稲子という3人の女優それぞれを主人公とするエピソードで構成。撮影開始を前に、失語症、自殺癖、性的恐怖など、様々なトラブルが彼女たちを襲う。吉田監督は、すべてが虚構の産物である女優という存在を鋭く描き出す。DVDは「吉田喜重全集 [68-73] 性と政治の季節」に収録。
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天保水滸伝 大原幽学
制作年:
大飢饉が相次いだ江戸・天保年間。厳しい年貢の取り立てや、新興ヤクザの勢力拡大で疲弊する農民たちを見て、農民の結束を呼びかけて立ち上がった、農協の始祖・大原幽学をクローズ・アップした作品。農協のキャンペーン映画でもある。
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踏みはずした春
制作年:
清順の太陽族青春映画の第1作。実在の青少年非行矯正ボランティア団体の若い女に左幸子が扮し、使命感と少年への思慕との間で揺れる姿を好演している。清順演出は、説教臭いストーリーをモダンなリズムで飄々と描いている。若き小林旭のふてくされたアウトローぶりが楽しい。
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拳銃無頼帖・電光石火の男
制作年:
ハイライト興業の元幹部・丈二が、3年ぶりにシャバに戻ってくる。足を洗うつもりだったが、町に残した恋人・圭子を忘れられない。ボスの麻島は丈二を消そうと流れ者の殺し屋・五郎を差し向ける。吉永小百合が喫茶店のウェイトレス役で本格的な日活デビューを飾った。
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大森林に向って立つ
制作年:
南アルプス。津山木材が所有する路線を乗っ取ろうとたくらむ神戸産業は、津山木材の人夫を一人残らず引き抜いていまう。仕方なく集められた臨時の人夫は、風来坊、賭博好き、酒飲みといったありさま。だが津山木材に恩があるヤクザの伊吹がやって来て、山は急に活気づき……。アルプスの広大な自然を背景にしたアクションもの。
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鷲と鷹〈1957年〉
制作年:
井上梅次が石原裕次郎と三國連太郎の初顔合わせで監督した海洋アクションの力作。貨物船“海洋丸”に、船長を父の仇と狙う若者と、保険金目当ての偽装沈没計画をかぎつけた刑事が、ともに水夫に化けて乗り込んでくる。二人は反目しあいながらも最後は協力して危機を乗り越える。井上梅次監督がボクシング映画の秀作「勝利者」に続いて演出した石原裕次郎主演作である。井上監督は裕次郎と二人の女の三角関係、三國連太郎との重量感あふれる殴り合い、そしてクライマックスのロケ、セットを巧みに併用した大暴風雨シーンと盛りだくさんの内容で、一級の娯楽作品に仕上げた。特に当時、東洋一の設備を誇った新設ステージにおける日活特撮陣入魂のスペクタクル・シーンは迫力十分で、この後、日活でこの種の大規模な海洋アクション映画が作られなかったのは惜しまれる。裕次郎は名優・三國を相手に堂々たる主演ぶりを見せ、「俺は待ってるぜ」を経て井上監督による「嵐を呼ぶ男」のドラマー役で国民的大スターに成長する。
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夜の牙
制作年:
石原裕次郎と井上梅次監督のコンビによるアクション・スリラー。ガード下で診療所を営む医師・杉浦は、ふとしたことから自分の戸籍が抹消されていることを知る。彼が内幕を探っていくうちに、裏で遺産相続が絡んでいることが明らかになる。
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私が棄てた女
制作年:
遠藤周作の人気小説の映画化。監督は「非行少女」以来5年ぶりとなった浦山桐郎。自動車部品の会社に勤めるしがないサラリーマンは、出世のため愛してもいない専務の姪と結婚しようとしている。そんな時、かつて遊んで捨てた女が自分の子を中絶し、苦しい生活をしているのを知る。彼は責任を感じるが……。愛とは何か、人生とは何かを考えさせられる叙情的な作品。圧巻は、全編モノクロームの中で、女が悲しく新相馬節を歌うシーンのカラー映像。緑の草原を駆ける馬たちの姿がスローモーションでかぶさる。
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東京の暴れん坊
制作年:
俗に小林旭の“銀座の次郎長”ものといわれる作品の第1作。旭扮する主人公は、銀座のレストラン“ジロー”の若旦那。彼の恋人は、“松の湯”の一人娘で、この松の湯が悪玉一味に乗っ取られそうになり、主人公がやっつける。銀座の商店街の面々と力を合わせて事件を解決するという、ローカル性と明るくコミカルなタッチがなかなか面白い。
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泣かせるぜ
制作年:
石原裕次郎と浅丘ルリ子のコンビに、新人時代の渡哲也が絡んだムードアクション。不運な事故で一等航海士の職を辞した響伸作は、若い二等航海士の白石浩とともに、計画的に船を爆破し保持金を搾取しようとたくらむ悪玉一味をやっつける。正統派ムードアクションに属する作品だが、ストーリー展開がまどろこしく佳作とはいいがたい。「夕陽の丘」以来1年半ぶりにコンビを復活した裕次郎とルリ子も今一つ精彩を欠く。しかし特筆すべきはデビュー間もない渡哲也。暴風雨の中、甲板で裕次郎と激しく殴り合うシーンでは、裕次郎と伍して一歩も引かず、大スターの片鱗を見せた。
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憎いあンちくしょう
制作年:
愛が形骸化した男女が、ふとしたきっかけで日本縦断の旅に出ることになり、愛を取り戻すという物語。マスコミに生きる男女を描く一方、無医村で働く医師と遠く東京に離れて暮らす恋人の純愛を設定し、2組の愛を互いに照射させながら物語は展開していく。蔵原惟繕監督のスピーディーで歯切れのいいカッティングやカメラワークも冴え、時にスクリーン・プロセスを使ったラブ・シーンの処理も鮮やか。人気スター、北大作にはマネージャー兼恋人の榊典子がいるが、このところ多忙から二人の仲は倦怠気味。そこへジープを九州まで運ぶという仕事が舞い込んでくる。九州の無医村で働く恋人のために、美子が新聞広告を出したのだった。大作はこの話に共感して、その運転手を買って出る。一方、マスコミもこのニュースを聞きつけ、ジープを運転する大作のあとを追いかけまわす。典子はあわてて大作を連れ戻そうとするが……。
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女体〈1969年〉
制作年:
浅丘ルリ子を高く評価していた名匠・増村保造監督が彼女を想定して、池田一朗とともに書いたオリジナル脚本の映画化。自らの肉体を武器に生きる貧しい娘のエネルギッシュな生き方とその破滅を冷めた目で凝視する。主人公に扮した浅丘のパンチの効いた演技が素晴らしい。
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執炎
制作年:
蔵原惟繕の最高傑作ともいえる純愛もの。主演の浅丘ルリ子にとっては主演100本目の記念作にあたり、事実この映画は彼女が女優として大きく飛躍する分岐点となった。浅丘演じる娘・きよのは、水産学校を卒業した拓治と結婚する。情熱的に愛し合う二人だが、やがて拓治は戦争に駆り出される。ほどなく拓治は右足を負傷して帰還、きよのの必死の看病もあって彼は回復するが、再び赤紙が舞い込む。きよのは戦地の拓治の無事を祈ってお百度を踏むが、その甲斐もなく拓治は戦死。きよのも後を追って崖から身を投げる……。浅丘ルリ子の、愛する者を奪われ、精神的に追いつめられていく時の演技は、そのテンションの高さといい、思いつめる表情といい、一人芝居ながら緊張感にあふれ、観る者の胸を刺す。純愛が女のエゴに転化し、それがエロチシズムにまで昇華するには、同じ蔵原=浅丘による「愛の乾き」(1967)まで待たねばならないが、彼女の女優としての美が一つの結実をみたのは、この作品によってであった。
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赤いハンカチ
制作年:
日活ムード・アクション最盛期の傑作。石原裕次郎=浅丘ルリ子の共演作には「夜霧よ今夜も有難う」「夕陽の丘」「帰らざる波止場」など佳作が多いが、本編はそれらのなかでも代表的な1本。横浜麻薬ルートを追っていた刑事の三上は、参考人の男を殺してしまう。彼は自分の過失を悔やんで辞職し、北海道へと流れるが、土屋警部補から、誤射事件は同僚の石塚刑事の罠だと聞かされる。三上が横浜に舞い戻ると石塚は大実業家に変貌していた。石塚は、三上が殺した男の娘と結婚したが、彼女は以前知り合った三上の面影をひきずっている。麻薬を扱う裏稼業を三上に詮索され、彼に妻の心も奪われそうになった石塚は、三上を殺そうとするが……。大ヒットした主題歌、三上のストイックな愛など、ホロ苦いトーンが全体に漂う。さらに、この映画が魅力的なのは、下町の娘として登場する浅丘ルリ子の陽から陰への変貌ぶり。特に三上に抱いてくれと迫り、ベッドに身を投げ出した時の彼女のアップは、女優の美しさのきわみともいえる。
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夜霧のブルース
制作年:
菊田一夫の原作を石原裕次郎と浅丘ルリ子主演、野村孝の監督で映画化したムード・アクションの代表作。横浜港、船の荷役を牛耳る野上組は商売仇の岡部組を叩きつぶして得意の絶頂にあった。そんな時、西脇と名乗る男が野上に会見を申し込んでくる。殺気立つ子分たちの前で西脇は話を始める……。主人公の長い回想のあとにクライマックスがくるという大胆な構成のなかに、主役の男女のひたむきな愛を盛り込んだ一編。叙情派・野村孝の演出が冴えわたり、日活アクション史上に残る秀作に仕上がった。菊田一夫の原作は、1947年に松竹で大曽根辰夫監督、水島道太郎と月丘夢路主演により、「地獄の顔」という題でも映画化されている。
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今日のいのち
制作年:
病院の再建に奔走する理子と、彼女をいちずに慕う年下の男・岳二との恋愛を描いたメロドラマ。前年の「太陽の季節」でデビューした石原裕次郎が岳二の恋のライバルとして出演している。原作は「女中っ子」に続いて由起しげ子の作品が選ばれた。
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北帰行より・渡り鳥北へ帰る
制作年:
“渡り鳥”滝伸次は弟分を殺した敵(かたき)を求めて函館へやって来て、造船所乗っ取りをたくらむ悪玉と対決する。ライバルに宍戸錠の実弟・郷英治が扮したが、貫禄不足は否めなかった。この作品は事実上シリーズの最終作となった。DVDタイトルは「渡り鳥北へ帰る」。
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若い人〈1962年〉
制作年:
石坂洋次郎の原作を石原裕次郎・浅丘ルリ子・吉永小百合の三大スター競演で映画化した青春ドラマ。特殊な生活環境からひねくれた育ち方をした思春期の少女の多感な心理を描く。原作は今度が3度目の映画化で、前2作では原作通り北国を舞台にしているが、ここでは舞台が南国に移っている。
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男はつらいよ 寅次郎紅の花
制作年:
神戸から瓦せんべいをよこしたきり、音沙汰のない寅。くるまやの面々が噂をしていると、村山首相と一緒に寅の姿がテレビに映し出される。どうやら震災後の神戸でボランティアとして働いていたらしい。一方、甥の満男のもとに、かねて思いを寄せる泉が訪れ、見合い相手との結婚を考えていると伝える。思わず祝福の言葉をかける満男だが、式当日、花嫁行列を通せんぼして大騒動に。傷心の満男は、その足で奄美大島にたどり着く。一文無しの満男は美しい女性に助けられ、案内された家には呑気にくつろぐ寅の姿が。女性は、寅のかつての恋人・リリーだった。そして、結婚をやめた泉が満男を追いかけてくる。満男と泉、そして寅とリリーの恋の行方は……。フレームを強く意識した画面作りも印象的な堂々たる第48作。幕切れも絶妙で、はからずも有終の美を飾ることになった。浅丘ルリ子が11作、15作、25作に続いて15年ぶり4度目のリリーを演じている。
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男はつらいよ・寅次郎相合い傘
制作年:
第11作『…寅次郎忘れな草』に続いて浅丘ルリ子が相手役。東北の旅先でヘンな蒸発男と道連れになった寅さんは、かつて思いを寄せたキャバレー歌手のリリーとばったり再会。彼女は妻の座に納まらずにまたドサ回りをしていたのだった。何度かケンカと仲直りをくりかえす二人は結局東京へ戻り、“とらや”の面々は二人の結婚を画策するが、やはり堅気にはなれない運命だった。浅丘はキネマ旬報主演女優賞に輝いた。
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男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花
制作年:
旅回り歌手・リリーから“沖縄で入院中”との便りが届き、寅さんは急遽沖縄へ。看病した甲斐もあって快方に向かい、二人は夫婦気取りの生活を始めるが……。「…寅次郎忘れな草」「…寅次郎相合傘」に続いて浅丘ルリ子が3度目のマドンナ役を演じる。寅さんの恋愛~結婚についての本音がよく表れた好編。山田洋次自身、“最も気に入っているものの一つ”と言っており、1997年には撮り下ろしシーンを加えた[特別篇]が公開された。
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銀座の恋の物語
制作年:
石原裕次郎、浅丘ルリ子主演、蔵原惟繕監督によるメロドラマの秀作。新進の画家、伴次郎は恋人、秋山久子との結婚を決意するが、久子は交通事故に遭って記憶を喪失してしまい、伴次郎の前から姿を消す。数年後ようやく久子を探し当てた伴次郎は、久子の記憶を取り戻そうと必死に努力を続けるが……。山田信夫と熊井啓の脚本は、久子の記憶を取り戻すまでの過程に二重、三重のひねりをきかせてあり、脚本構成の巧みさは心憎いばかり。この作品は「赤いハンカチ」で花開く裕次郎とルリ子のコンビによる一連のムード・アクションの前哨戦的な作品としても、興味深いものがある。
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太平洋ひとりぼっち
制作年:
1962年の夏、弱冠22歳の一人の青年が、小型ヨットを駆って94日間の太平洋横断を成功させた。その青年・堀江謙一の、日記風の同名の手記を原作にして、市川崑が演出した青春冒険映画。無風状態の大阪湾内を1日半も迷走した“マーメイド号”は一転してシケで大荒れの海原で悪戦苦闘する。やっと太平洋に出たと思えば今度は台風。やがて水は腐り、食料も不足気味になり、体力も消耗し尽くす。しかし目指すサンフランシスコは目前に迫っていた。一人の青年が壮挙を成し遂げる様子を、スリルとユーモアで描く感動的作品。遠くに金門橋を見つけた時の狂わんばかりの歓喜が、観る者に深い感動を呼び起こさずにはおかない。
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