クランクイン!

「演劇は流行ってない」って、どこの話? MICHInoX・武者匠×コトリ会議・山本正典&大石丈太郎×冷蔵庫ポルカ・荒川颯音が地域演劇を語る

演劇

■団体の魅力と個性を凝縮した濃密な30分

――今回はショーケース形式で30分の作品を上演されますが、それぞれのあらすじや見どころについてもお聞かせいただけますか?

山本:2021年に東京芸術劇場の「もしもし、こちら弱いい派」という企画で、3団体各40分の作品を上演するショーケースに出たんです。その時にご一緒したいいへんじさんの作品(『薬をもらいにいく薬(序章)』)がすごく印象に残っていて……。順当にやったら2時間くらいかかるドラマがキュッと小さな声で詰め込まれていて、その構成に感銘を受けたんですよね。次にショーケースに参加するときは、我々も小さくも濃密なドラマを届けたい。そんな当時の思いをここぞとばかりに反映しました。内容は家族のお話。コトリ会議は幅広い年代のメンバーが集っている劇団なので、家族劇を描くうえではその特徴がそのまま強みになるのではないかとも思っています。

大石:もう1つの特徴としては、劇団員のみが出演するということですね。この数年間積み上げてきたものを形にできるいい機会だと思いますし、個人的にはこまばアゴラ劇場などで上演していた頃の風合いも含んだ、実にコトリ会議らしい作品に仕上がっていると思います。コトリ会議を知らない人には新鮮に驚いていただけそうですし、昔から知っている人には懐かしんでもらえるような。そんな作品になるんじゃないかな、と。

武者:僕たちは、せっかく吉祥寺シアターで上演できる機会だから、とにかく楽しいことをやりたいと思っていました。作・演出を担当している本田椋がかねてより小林多喜二の『蟹工船』をやりたいと言っており、色々話し合った結果宇宙を舞台に蟹工船をやるのはどうだ、ということになり、『劇場版 宇宙蟹工船カルキノスFINAL MISSION〜愛の底引き網を止めないで〜』というタイトルになりました! エネルギー――問題や食料問題を抱えている近未来の世界で、問題解決に有効な「超重力甲殻生命体タラバトロン」という宇宙蟹が発見され、それを取ることによって地球を助けることを生業にしている人たちがおり……という、実にスペクタクルな話です。

荒川:すごい!

山本:面白そう!

武者:目まぐるしく展開が変わる30分で、蟹漁の過酷さと未知への好奇心、地球を救うための愛を詰め込みました! 楽しさやバカバカしさを前面に押し出しつつ、最後には東北の空気を感じたり感じなかったりしていただけるのではないかと思っています。

――2団体の創作背景をお聞きして、すでに異なる個性が炸裂した作品が拝見できそうなことが伺えます。冷蔵庫ポルカ『どこにでもいきてどこにでもいる』もまた違った魅力がありそうですが、どんな作品を上演されるのでしょうか?

荒川:フフフっていう1人の女性のお話で、その女性はもうこの世にはいないんですけど、フフフがもし生きていたらどうなっただろうか、みたいなのをポートレートのように乱れ打ちしていくような演劇です。最大の特徴は4人の俳優で1人のキャラクターを演じること。「もしも」がいろんな方向に転がり、フフフのあったかもしれない可能性を紐解くような。そんなお話になりそうです。

 私は中学までは岩手県の遠野市っていうバスや電車もない田舎でどこにも行けない学生時代を過ごしていたんですけど、高校進学を機に盛岡市に出ることになって……。その時に初めて自分の足で自分の景色を獲得した感覚になったんです。バスを待っている時や電車に乗っている時にふと、「最初から自分がこの街で生きていたらどうなっていたんだろう」とすごく考えたんですよね。それは、上京後の生活にも同じことが言えると思うのですが、そういう感覚って人の数だけある気がするし、お客さんとも共有できたらいいなと思って今回の話を書きました。

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■現在の演劇シーンやその論争について思うこと

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【公演概要】

「ラブ・演劇博 -こちらの演劇、とおくのまちから。-」
「ラブ・演劇博 -こちらの演劇、とおくのまちから。-」ビジュアル

「ラブ・演劇博 -こちらの演劇、とおくのまちから。-」

■日程・会場
10月23日~25日 東京・吉祥寺シアター

■ラインナップ
MICHInoX『劇場版 宇宙蟹工船カルキノス FINAL MISSION 〜愛の底引き網を止めないで〜』
コトリ会議『スーパードヴァ』
冷蔵庫ポルカ『どこにでもいきてどこにでもいる』
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