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なぜ惹かれてしまうのか 歴代『バットマン』ヴィランたちの“危険な魅力”をひも解く

映画

コミックと異なる“映画”での輝き

 コミックの世界でも『バットマン』のヴィランは十分魅力的だが、映画になると彼らはまた別の輝きを与えられる。それは映画のクリエイターたちが独自の視点でヴィランを描くからだ。実はバットマンそのものは、彼がなぜヒーローとして戦うのか? その動機付けがハッキリしている。幼少期に、両親を強盗に殺されたから犯罪と戦う決意をした。このように、バットマンは設定がしっかりして(しっかりしすぎて)いるから、あまりいじられない。

 ではヴィランの方はどうか? なぜ彼らは悪の道に身を落としたのか? そこはまだクリエイターが自分の解釈を入れる余地が残っている。例えばかつてジョエル・シューマカー監督の『バットマン フォーエヴァー』(1995)に登場したリドラーと、11日に公開されたマット・リーヴス監督の『THE BATMAN-ザ・バットマン-』に登場するリドラーは似て非なるものだ。

 『バットマン フォーエヴァー』版リドラーの正体はブルース・ウェインになれなかった男、『ザ・バットマン』版リドラーの正体はバットマンになれなかった男、と異なるアプローチがとられている。映画版において、監督が自由に描けるのはバットマンよりヴィランの方であり、それゆえの個性・新鮮味・面白味が出るのだ。

 『バットマン』映画は、個性豊かなヴィランが今度はなにをしでかしてくれるかが見物でもある。その一方で、先のリドラーについて言えば、アプローチの違いはあるものの“高いIQを持ちながらも社会に認めてもらえなかった男”という点は同じである。リドラーに限らず、どの『バットマン』のヴィランにも社会から疎外された者たちの悲哀を感じる。ここがまた大いなる共感ポイントなのかもしれない。(文:杉山すぴ豊)

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