「春ドラマ」“期待度ランキング”上位3作品、第1話は実際どうだった? 徹底レビュー
20歳上の女性と禁断の恋に落ちるというセンセーショナルな題材を描くのが『東京タワー』(テレビ朝日系)だ。医大生の透を永瀬廉が、そして恋の相手、詩史役を板谷由夏が演じる。さらに共演にはTravis Japanの松田元太、MEGUMIが名を連ね、許されざる恋をじっくり描く。
江國香織の同名小説を原作とし、テレビドラマとしてリメイクした本作。これまでにも岡田准一と黒木瞳が出演した映画版や、ユ・アインとキム・ヒエが出演した韓国リメイク版『密会』などさまざまな作品が作られてきた名作だけに、今回のドラマ版では青年が大人の女性と恋をする様子をどう魅せていくのかに期待が高まる。
第1話では、特に永瀬と松田がとらえた透と耕二というキャラクターの魅力が光っていた。永瀬は透が詩史という女性に惹(ひ)かれていく過程をみずみずしく演じる。そこに過剰な会話やコミュニケーションは必要なく、ただ“空気”で惹かれ合う2人の思い。それが永瀬の眼差しやモノローグから鮮やかに滲み出ていた。さらに「透に一抹の焦りを感じる耕二」という構図も、やはり松田の表現の力で端的に表わされる。1話が25分程度と短い作品だが、原作が持つ文学的な美しさがしっかりと伝わってきた。