イーストウッド新作『アメリカン・スナイパー』、予想外のヒットにハリウッド騒然
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先週木曜日のオスカーノミネーション発表で、6部門で候補入りしたのもまた、予想外。アワードシーズン前半、この作品は全米各都市の批評家賞は空振りなら、ゴールデン・グローブにもノミネートされなかったのだ。
だが、今月になって、オスカーの最も重要なバロメーターとなるPGA(プロデューサー組合賞)に候補入り。続いてイーストウッドがDGA(監督組合賞)にノミネートされ、勢いづいていたところへ、このビッグニュースが相次いだのである。
オスカーに投票するアカデミー会員の好みが一般観客とかけ離れていることは、言うまでもない。今年もまた、候補作8作中、同作を除く7作は地方の一般アメリカ人がほとんど見ていないインディーズ映画で、授賞式中継の視聴率低下が心配されていた。(ちなみに『タイタニック』が受賞した年に、オスカー中継視聴率は最高記録を達成している)
しかし、ここへきて同作を気に入った一般人が急増していることは、視聴率のアップにつながる可能性も十分。さらに、全体的な勢いが、オスカー投票者に投票する上で、なんらかの潜在的な影響を与えないとは言い切れない。授賞式まで、あと5週間。同作は新たな驚きを提供してくれるだろうか。(文:猿渡由紀)