LGBTQの多様なあり方を映画から学ぶ! キアヌ・リーヴス出世作など12選
(9)『キャロル』(2015)
写真提供:AFLO
オスカー女優ケイト・ブランシェットと『ドラゴンタトゥーの女』(2011)のルーニー・マーラーが共演したラブストーリー『キャロル』は、1950年代のニューヨークが舞台。女性当時の恋愛が法律で禁止されていた時代に、愛し合ってしまった2人の運命は――。自分らしさとは? 心のままに生きるとは? など、見終わった後にさまざまなことを考えさせられるだろう。
(10)『ミルク』(2008)
伝記映画『ミルク』は、1970年代のアメリカが舞台。同国において、ゲイであることを公表した上で初めて公職に就いた政治家ハーヴェイ・ミルクの半生を描く。常に弱き者の味方で、人種や性別、年齢による全ての差別撤廃のために戦ったミルクの信念と行動力に、思わず胸が熱くなる。アカデミー賞主演男優賞を受賞したショーン・ペンの熱演は必見。
(11)『ボーイズ・ドント・クライ』(1999)
アメリカで最も保守的な地域といわれるネブラスカ州フォール・シティで起こった実話を基にした『ボーイズ・ドント・クライ』は、かなりヘビーな1作。自分の性に違和感を抱く性同一性障害の女性ブランドンが、ラナという女性と恋に落ち、恐ろしい事件が引き起こされてしまう…。ブランドン役で圧巻の演技を披露したヒラリー・スワンクがアカデミー賞主演女優賞を受賞。事実が題材だけに、辛さや刺さる部分も多い。
(12)『his』(2020)
8月5日にBlu‐ray&DVDリリース 発売・販売元:株式会社ハピネット (C)2020 映画「his」製作委員会 (C)2019 メ~テレ 協力:エンタメ~テレ動画
最後に紹介するのが、今年公開された『his』。ドラマ『偽装不倫』(日本テレビ系)でブレイクした宮沢氷魚が主演を務め、藤原季節と共に演じる男性カップルが、周囲の人々の理解を求めてほん走する姿を描く人間ドラマだ。LGBTQの人々が直面する社会の偏見や差別、法的な問題など、生きづらを描きつつ、希望や優しさも織り込んでいく。宮沢の自然体な演技と、前年に話題作『愛がなんだ』を撮った今泉力哉監督の演出が光る1本だ。
これまでLGBTについて考えたことがない人、これから知りたい人は、ぜひこれらの作品を見てほしい。映画だからこそ、さまざまな視点や意見、思いの丈などが、素直に自分の中に入ってくるはずだ。(文:安保有希子 )