有村架純、ドラマ・CMで光る“潔癖さ”“頑なさ”“無防備”さが同居する魅力

【人物コラム/田幸和歌子】NHK連続テレビ小説『ひよっこ』の脚本家・岡田惠和との6度目のタッグとなる連続ドラマ『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ系/毎週火曜21時)が10月27日から放送されることが発表された有村架純。
【写真】有村架純の魅力あふれる撮りおろしカット
今回演じるのは、両親を事故で亡くし、大学進学を断念した後、ホームセンターで働きながら女手ひとつで弟3人を養う“肝っ玉姉ちゃん”だという。素朴かつ真面目で責任感の強そうな人物像を設定するあたり、「さすが岡田惠和は有村架純を、そして世間が有村架純に求めるものをよく分かっているな」と謎の上から目線で感心してしまった。
『ひよっこ』でも、失踪した父を探すため、家計を支えるために「出稼ぎ」で上京した長女・みね子を演じていた。今回演じる役柄は「突っ走り姉御キャラ」だそうで、みね子よりも感情の起伏が激しく、エネルギッシュであることが予想される。それにしても有村には、なぜこんなにも「家族」だとか「故郷」だとか、温かくも重たい存在が似合うのだろうか。
■アラサーが漂わせる「未成熟感」の意味
そんな有村架純の魅力が今、最大限に引き出されている一つが、「JA共済」のテレビCMでもある(JA共済からは1円ももらっていないので、宣伝ではない。念のため)。浜辺美波と萩原利久がファミレスらしき場所で、こんなやりとりをしている。
「俺がついてる先輩がさぁ、もうド天然でさぁ」
「うちの姉よりもヤバい(笑)」
そこへ登場するのが、奇しくも二人が話題にしていた、まさかの同一人物 “天然”有村架純で、妹と後輩が一緒にいることに目を丸くする。そして、慌てて立ち上がり、姿勢を正す萩原と、ニヤける浜辺の様子を見ながら、「何を言ってたの?」と萩原に詰問する。
また、別のバージョンでは、資料を見ながら「どういえば伝わるかなぁ」とつぶやく有村が、萩原に「若者の気持ちになってみましょうよ」とサラリと失言され、「えっ? 私まだ若者なんだけど? だよね??」とムッとし、プレゼン相手の前で自他を指しつつ何度も「若い?」「若い」を呟きながら確認するシーンが描かれている。
他にも数種あるこれら一連のCMシリーズの恐ろしさは、現在、若手美人女優のトップクラスである浜辺美波・20歳を差し置いて、有村架純・27歳が全部もっていってしまうこと。
そこにはアラサーに差し掛かっているにもかかわらず、どこまでもつきまとう有村架純の「少女っぽい」魅力が影響していると思う。おそらく有村本人が天然というわけではないのだろうが、有村架純という女優が醸し出す「未成熟感」と「真面目さ」「頑なさ」とが、どうにも人の視線を引き付けてしまうのだ。