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篠原涼子「表現の限界を突破したい」 体当たり演技に挑んだ思い

エンタメ

「お芝居が大嫌い」だった 女優人生に影響を与えた大きな出会い

 30年以上にわたって女優として活動してきた篠原をして「運命的な出会いだった」と表現した本作。そんな作品に出会えたのは、長きにわたり女優業を続けてきたから。女優を始めたころはお芝居が「大嫌いだった」という篠原だが、ある人物との出会いで、その気持ちは大きく変わった。


 「2001年に出演した『ハムレット』という舞台で蜷川幸雄さんと出会ったことは、とても大きかった。それまでもドラマや映画に出演させていただいていたのですが、正直全然お芝居を楽しいと思っていなかったんです。でも舞台でお客さんと向き合ってお芝居をしたとき、生のお客さんのリアクションを感じることができたんです。その反応がすごく生々しくて、もっとやりたいと思いました。蜷川さんも初舞台のときは、とても優しくてすごく褒めてくださったんです。私は褒められると調子に乗るタイプなので『もっと、もっとお客さんを喜ばせたい』と勇気が持てました」。

 貪欲に芝居に取り組むようになり、演じることの楽しさに魅了されていく篠原。しかし、芝居の楽しさを知れば知るほど、同時に思い通りにならない難しさも痛感することになる。

 「それまではなんとなくやっていたお芝居ですが、好きな仕事に変わってしまうと、もっとうまくなりたいと思うわけです。そうするとうまくできない自分にも直面して『なんでできないんだろう、本当に不器用だな』と落ち込むんです。でもそれを直すのって、繰り返しやるしかない。やっていくうちに、身体が覚えることもあるんですよね。いまだにくじけることは多いです。『もっといろいろと経験しておけば良かった』という後悔は常にあります」。

 キャリアを重ね、ベテランと呼ばれる年齢になったことで、ダメ出しされる機会も少なくなっているのではないか――。

 「まあ、面と向かって怒られることは少なくなりましたが、2018年に出演した舞台『アンナ・クリスティ』の演出を務めた栗山民也さんには、厳しく指導していただきました。やっぱりいくつになっても、しっかりと教えていただけることというのは、宝物だと思います」。


 「もっと新しい表現を模索したい」と貪欲に俳優業に向き合う篠原。

 「やっぱりこの仕事って正解がないので、やればやるだけ突き詰めていけるし、いくらでも楽しいことって見つけられるはずなんです。しかも、それを観ている人に伝えることができる。すごく魅力的な仕事だと思うし、目指せばいくらでも前に進めると思うんです」。

 一方で、女優は年齢を重ねると役柄の幅が狭まるという現実を口にする人もいる。

 「もちろん、自分の年齢を意識しながら仕事をすることも大切だと思います。でもあまり年齢にとらわれて『この年になったから、こういう役しかできないな』みたいに考えてしまうと夢がないですよね。役者って役になってしまえば、非現実的なことだって、なんでもできると思うんです。だからこそ限界を決めず、これからもチャレンジしていきたいと思っているんです」。


 「あまり決めつけることが好きではないんです」と語っていた篠原。その柔軟性と変化を楽しめる懐の深さが、彼女の大きな魅力なのかもしれない。(取材・文:磯部正和 写真:高野広美)

 Netflixシリーズ『金魚妻』は2月14日より全世界同時配信開始。

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