『マイファミリー』迫田孝也、『天国と地獄』で迷いが吹っ切れる 考察系作品への出演は「驚きがあって楽しい」
迫田はこれまで『集団左遷!!』『天国と地獄~サイコな2人~』(※以下『天国と地獄』)『ドラゴン桜』(いずれもTBS系)など、日曜劇場で印象的な演技を見せてきた。“日曜劇場”については「ドラマに携わる人間として、日曜劇場という枠は今のドラマの中では最高峰といいますか、質の良い作品を作られている枠なので、そこに出られるということは単純にうれしい」と語る。「続けて呼んでもらえているということは、それなりに自分の仕事はきっちりできているのかなと自信にもつながります」。
本作や『天国と地獄』、『真犯フラグ』(日本テレビ系)など、犯人考察系ドラマへの出演が続き、周囲から「犯人、誰なの?」と聞かれることも多いのでは…?「あります、あります! おかしいのは、ネット記事とかで『今回こそ迫田が犯人だ!』と書かれていたり」と笑顔。考察系作品への出演は「楽しいです! 毎度毎度驚きがありますし、それは日下部としてのリアクションに直結しますから、やりやすさもあります」とも。「この作品は、展開が早いので、犯人をじっくり考察するというよりも、ストーリーにどんどんどんどん巻き込まれていってるような感覚を皆さん感じているんじゃないですかね」と分析した。
20年を超えるキャリアを誇り、さまざまな作品で存在感あふれる演技を見せてきて迫田だが、やはり『天国と地獄』で演じた、悲しい過去と因縁を背負ったキーパーソン・朔也役が印象に残る。自身でも、道で振り返られることが増えるなど認知度の上昇を実感する作品だそうで、「プレッシャーも半端なかったんですけども、なんとかやりきったことによって、迷いが吹っ切れた役でもありました」と振り返る。「どんどんどんどん成長していきたいという思いがある中、でも気持ちだけが先走って、評価とかがついてこなくて焦りがあったりしました。自分への諦めではないですけども、“このくらいなのかな、自分の実力は”との思いもあったり…。そんな中で、プレッシャーも大きい中、役にまっすぐ向き合って演じた結果、こういう評価を頂けた。ただ一生懸命やればいいんだなと改めて思った作品と役でしたね」と迫田自身にとっても大きな意味を持つ作品となったという。
日曜劇場『マイファミリー』より (C)TBS
『天国と地獄』以来、この1年ほど、『真犯人フラグ』『マイファミリー』、さらに大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)での源範頼役など、日曜のテレビに欠かせない存在となった迫田。「世の中では“ミスターサンデー”と呼んでくれちゃったりしているので、自分でも乗っかっていこうかな」と茶目っ気たっぷりに話す。今後の俳優業の意欲について尋ねると、「あまり、こういう役をやりたいっていうのを考えてはやっていないんです。続けて同じような役がきたとしても、どんな役がきたとしても、その役を自分の中でしっかり消化させられて、見ている人たちを楽しませることができるのかというのが、僕たちの仕事」と語る。
ストーリーの加速が止まらない本作の今後について尋ねると、「視聴者の皆さんにとって一番の謎は、この誘拐事件がなぜ起きたのかということ。話が進むごとに明らかになっていく背景や犯人予想も楽しめる部分だと思います。警察サイドで言うと、これまで日下部と葛城の対立やそれぞれのエゴのぶつかり合いが描かれてきましたが、この2人が果たして、吉乃一課長を頭にして事件解決に向けて一枚岩になっていくのか、それともまとまらずに、ぶつかり合いが描かれていくのか注目して見てもらいたいですね」と語る。
「日下部管理官って絶対正義である警察組織の中でも、わりと人間味の出ている役どころだと思うので、警察官という職業と人間のハイブリッドと言いますか、1人の人間が警察官だった場合、何を感じて何を求めてどうやって動くのかという部分がこれから描かれてくると思うので、“日下部七彦”も楽しんでもらえたらと思います」とアピールした。
誘拐事件の行方はもとより、家族や組織を巡る人間ドラマからも目が離せない本作。迫田が肉付けした日下部管理官が、物語の中でどのような存在感や人間性を発揮するのか、最後まで注目して見続けたい。(取材・文:編集部)
日曜劇場『マイファミリー』は、TBS系にて毎週日曜21時放送。