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“恐怖の工場=ブラムハウス”の総帥ジェイソン・ブラム A24やNetflixをどう思ってる?

映画

ジェイソン・ブラム
ジェイソン・ブラム (C)2023 Universal Studios. All Rights Reserved.

 全米No.1ヒットのホラー映画を次々と送り出す“恐怖の工場=ブラムハウス”の総帥ジェイソン・ブラムが新作『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』をひっさげて来日! 幼い妹を抱え、生活のために閉鎖されたピザレストランの夜間警備員を始めた青年。だが、そこは夜になると機械仕掛けの巨大なマスコットロボたちが動き出す、呪われた怪奇スポットだった! 北米週末興収ランキング初登場1位を飾り、全世界累計でブラムハウス史上最高額を稼ぎ出した本作の舞台裏、今年24年目を迎えるブラムハウスの変遷、そして昨今のホラーのフィールドについて忖度なしの本音を聞いた!

【動画】『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』本予告

■公開まで成功の手応えを感じることは「滅多にない」

――新作『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』は先に公開されて大ヒットした『M3GAN/ミーガン』(2022)同様、コワかわいいロボットが登場しますが、この成功をどう分析していますか?

ジェイソン・ブラム:最大の要因は丁寧に映画化したことだね。通常、ハリウッドのスタジオは原作の知的所有権(IP:インテレクチュアル・プロパティ)を高額の権利料で取得し、自分たちで選んだスタッフに翻訳させる。『~フレディーズ』も大ヒットゲームが原作だが、ゲーム開発者のスコット・カーソンを最初から巻き込み、創作面のリーダーになってもらった。ただ、彼はゲームの世界観を熟知する一方で、映画製作については白紙状態だった。おかげで双方が納得するまで煮詰める作業が大変でね、結局、完成まで10年もかかったが、いいものができた。『M3GAN/ミーガン』は監督のジェラード・ジョンストーンがクレイジーでね。AI人形のキャラづけにやたら固執した。彼の執着心には参ったけど、やはり独自のこだわりが成功につながったと思うよ。

――これはいけると手応えを感じたのはどの時点で?

ブラム:公開するまで「成功」の手応えを感じることは滅多にない。試写の反応が判断材料にはなるけどね。しかし、公開初日がロケットスタートでも、打ち上げ花火で終わるかもしれない。海外市場も含めた息の長い成功になるかは、常にフタを開けてみないと分からないんだ。

――捨てられたぬいぐるみが殺人を犯す『ベニー・ラブズ・ユー』(2019)や、子供番組の着ぐるみロボが大暴れする『バナナ・スプリッツ・ホラー』(2019)が人気を集め、ニコラス・ケイジ主演の『ウィリーズ・ワンダーランド』(2020)はまさにゲーム版『~フレディーズ』に着想を得た企画ですが、類似作には脅威を感じますか?

ブラム:実はどれも見ていないんだ。パロディにされるのは成功の証だからうれしいけどね。2010年のアカデミー賞授賞式では、司会のアレック・ボールドウィンとスティーヴ・マーティンが『パラノーマル・アクティビティ』(2007)を再現してくれた。

――輝かしい成果を上げ、今年24周年を迎えるブラムハウスですが、“恐怖の工場”という呼称についてどう思いますか?

ブラム:“工場”はちょっと抵抗がある(笑)。でも、ハリウッドの数少ないインディペンデントスタジオとしてブランドを確立できた。一生懸命に努力して築いたブラムハウスのネームバリューで、普段なら見過ごされそうな映画にスポットが当たることもある。作り手に大きなプラットフォームを提供できるのは僕らの誇りだ。

――同じくホラーのトレンドを生み出すプラットフォームとして、A24やNetflixについてどう思いますか?

ブラム:Netflixは各国のローカルホラーを世界に配信するチャンスを作り、ジャンルを再開拓した功績はあると思う。A24は確かに目立つブランドだが、彼らが推すのは「エレベイテッド(高尚な)」ホラーで、僕は正直この言葉が嫌いだ。ホラーは大衆娯楽だと考えているからね。ホラー以外にも賞狙いの作品(笑)を多数手掛けているし、ブランドの方向性は全然違うよ。

――では、自社ブランドをフレッシュに保つ秘けつは?

ブラム:一番重要なのはお金をかけすぎないこと。有名スターを起用しなければ、可能性が増える。人選もストーリーテリングも賭けをすることができるんだ。主要キャラが登場から30分で死んでも問題ない。巨費を投じた企画では制約ばかりになる。僕らは新しい才能を発見して、可能な限り創作の自由を保証したい。創造性に関してお金は敵だね。

――リフレッシュといえば、2022年に会社のモーションロゴがリニューアルされましたね。

ブラム:旧ロゴに愛着はあったけれど、会社も少し成長したからね。旧ロゴが第1幕なら、現在は第2幕。僕らの状況を奥行きをもって表現したんだ。最初のロゴはプロダクションデザイナーに500ドル払って作ったけど、今度のはもう少し高かったよ(笑)。

(取材・文:山崎圭司)

 映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』は全国公開中。

映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』本予告

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