18歳になった城桧吏、『万引き家族』是枝監督と今も交流 「いい意味で」引きずるリリー・フランキーの影響とは

世間の古い常識や偏見で凝り固まった昭和の“おっさん”がLGBTQ+や推し活、二次元LOVE、メンズブラ……といった新しい“常識”に出会ったことで、自身を少しずつアップデートしていく姿を描き、熱烈なファンを生んだドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』。このたび映画化が実現し、にぎやかで温かな主人公一家がスクリーンにお目見えする。メイクやかわいいものが大好きな息子・翔役の城桧吏は、「翔はさらに成長しています」とにっこり。『おっパン』の現場の特別さや、自分の「好き」を追い求める翔からもらった勇気。憧れの俳優像まで、18歳の胸の内を語ってもらった。
【写真】18歳になり背もぐんと伸びた城桧吏
■「翔は支えられる側から、支える側に成長」
映画版には、『おっパン』ファミリーが総登場。絶賛アップデート中の主人公・誠(原田泰造)、ボーイズグループの推し活中である妻・美香(富田靖子)、不登校から復帰した高校生の息子の翔、二次創作のBL同人活動をしている大学生の娘・萌(大原梓)。愛犬カルロスが見守るなか、沖田家の面々に降りかかる新たなる疑問や難題を描いたオリジナルストーリーが展開される。
『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』場面写真(C)練馬ジム | LINEマンガ・2025 映画「おっパン」製作委員会
「映画化」という一報を聞いた時、城は「またあの家族と一緒に撮影ができるんだ! 皆さんと会える!と楽しみになりました」と大喜びしたそう。「撮影現場では、スタッフの皆さんが『おかえり』と声をかけてくださって、『おっパン』の現場に帰ってきたんだなとすぐに実感することができました。『おかえり』と言っていただける現場に来られることもなかなかないことなので、ものすごくうれしかったです」と再会に感激しきり。
温かで、エネルギッシュなパワーがにじみ出ているような作品だ。「スタッフさん、キャストさん同士もものすごく仲が良くて、みんなで分け隔てなくお話をしたりしています。他の現場ではちょっと見ないくらい、騒がしい現場です」と楽しそうに撮影現場の様子を明かした城は、「(中島)颯太さんがいつも鋭いツッコミを入れて、現場を盛り上げてくれます。颯太さんは関西出身だからか、めちゃくちゃツッコミが早いんです」と一番のムードメーカーとして大地役の中島の名前をあげながら、「お芝居についての考え方もみんなで相談しながら、確認し合いながら進めています」とコミュニケーション豊富な現場だと語る。
城がドラマ版から演じてきた翔は、元野球部の高校生。父親の望む自分になれない葛藤や「自分は何者か」と悩み、不登校になって引きこもっていた。彼がメイクやかわいいものが好きだという自分を受け入れ、前に進んでいく姿を描いたドラマ版では、城が翔のひたむきさを体現して多くの視聴者の心をつかんだ。映画版では「翔くんはさらに成長しています」と城。「支えられる側から、支える側に成長しています。台本を読んだ時に、『これ、翔なの!? すごい』と驚きました。学年も上がり、周囲の人のことも考えられるようになって。『お母さんが大変だから』と、お弁当も作っています。めちゃくちゃかわいいお弁当なんです。翔は、周りのものを全部かわいくしたくなる」とキャラクターにたっぷりと愛情を傾ける。