草なぎ剛「初めて自分の持ち物について考えるきっかけになった」 主演ドラマ『終幕のロンド』で遺品整理人役
草なぎ剛 クランクイン! 写真:高野広美
――草なぎさんが演じる主人公・鳥飼樹(いつき)はどのようなキャラクターですか?
草なぎ:樹はすごくおせっかいなところがありますね(苦笑)。今の時代と逆行しているところもあるかもしれませんが、人のことを思って突き進んでいくところがあるなと思っています。それと、とても余白がある役だなと思いました。僕自身、この人はこういう人だと定義することってないと思っているんです。自分自身ですらわからないところが僕はあるし、人ってそういうものでいいんじゃないかなって思うんです。だから、自分自身も含め、人それぞれいろいろな感情があるものだからと捉えて、ドラマの世界観のなかで視聴者の方がグッときたり、楽しんでもらえたりするようなポイントを探して役作りしながら演じています。そして、キャストの皆さんとお芝居をする中で湧き上がってくるものを出していければ、すごく魅力的になるんじゃないかなと思っています。
――樹は親身になってくれそうなところがあるので、ベテラン社員・矢作海斗(塩野瑛久)に急かされる一幕もありますね。
草なぎ:そうそうそう。依頼人が「処分しろ」と言ってるのに、樹は食い下がるんです。樹は“見逃さない男”(笑)。そんな樹の気づきがきっかけでストーリーがどんどん面白くなっていくんです。
ドラマ『終幕のロンド ―もう二度と、会えないあなたに―』第1話より (C)カンテレ
――遺品整理人を演じる上で新鮮に感じる部分は?
草なぎ:遺品の中から故人が実は言えなかったことや誤解してたことが解き明かされていくところが、すごく感動的でグッときますね。それが、このドラマの良さだなと思いながら、毎回驚かされています。
――本作では恋パートが描かれますが、草なぎさんが思う見どころは?
草なぎ:SNSでのやりとりじゃなくて、公園で待ち合わせをするとか…そうした昭和感漂うシチュエーションをあえてやっているのが、キュンとするんじゃないかな。ドラマで描かれる世界は時代によって変わっていって、全てリアルを求めているわけでもないと思うんです。パラレルワールドだから何でもありだと思うし、それを僕はいつも妄想したりしながら、撮影しているんです。そこから作品としての着地を楽しみながら目指しています。視聴者の方が感じたものが全てだし、もしかしたらツッコミどころがあるかもしれないけど、それはそれで楽しくて面白いんじゃないかなと僕は思っています。
草なぎ剛 クランクイン! 写真:高野広美