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『北の国から』『男はつらいよ』『クイズダービー』――竹下景子が語る、かけがえのない出会いと時間

ドラマ

■幸運な出会いが繋いだ道、ありのままでいる強さ



 長く第一線で活躍を続ける秘訣を問うと、「周りの人たちや作品にとても恵まれてきました。本当に幸運な出会いがたくさんあったんです」と謙虚に語る。その大きな出会いの一つが、国民的映画『男はつらいよ』だという。竹下はファンの多い『男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎』ほか3度にわたりマドンナを務めている。

 「撮影当時はこんなに息が長くて、皆さんが思い出してくださる作品になるとは思っていませんでした。でも、あの帝釈天の参道の風景も、その当時は当たり前の日常だったものが、今や日本の原風景みたいになっていますよね。そういう中に、私も一緒に同じ空気を吸って関わらせていただいたっていうのが、本当に大きな財産になっています」。

 『クイズダービー』でのお茶目な姿も、多くの人々の記憶に刻まれている。「三択の女王」と呼ばれ、お茶の間の人気者に。俳優業とは違うフィールドでの経験もまた、今の竹下を形作る大切な要素だという。

 「(初代の司会を務めていた大橋)巨泉さんが『番組をヒットさせる秘訣はね、番組の中にスターを作ることだよ』っておっしゃって、当時大学生だった私も抜擢してくださった。ドラマとはまた違う意味で、あの番組のファンの方がとてもたくさんいてくださったおかげで、今でも『クイズダービー見ていましたよ』なんてお話が始まることもあります。そこで過ごした時間、一緒に仕事ができた人たちとの出会いが、今の私の本当に大事な部分になっています」

 そして近年、ありのままの自分を受け入れる、もう一つの転機があったという。

 「割と最近なのですが、NHKのドラマ『70才、初めて産みますセブンティウイザン。』(2020年)という作品があって。70歳で初めて母親になるという役だったのですが、その時に『あ、もうここでヘアカラーをするのをやめましょう』と思って。自分のそのままのグレーヘアになることで、なんかもう一つ自分がすっと素になれるっていうか、肩の力が抜けて、『あ、今の私でいていいんだ』っていうふうに思わせてくれたのがその作品でした」。


 そんな竹下に、これから挑戦したいことについて問うと「コロナ禍に上演した『まるは食堂』という舞台がありまして。主人公のうめさんという女性を演じたのですが、続編でも再演でもいいので、もう一度やってみたいですね」と目を輝かせる。

 常に好奇心を持ち、一つひとつの出会いを力に変え、どこまでもしなやかに、そして誠実に進む俳優道。これからも、明るく朗らかな笑顔で視聴者に豊かな物語を届け続けてくれることだろう。(取材・文:磯部正和 写真:高野広美)

 プレミアムドラマ『終活シェアハウス』は、BSP4K・BSにて、10月19日より毎週日曜22時放送。

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