立花日菜&大西沙織が『器用貧乏』に重ねたリアル――評価されない苦しさ、その先で掴んだもの
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――作中では、積み重ねた努力がやがて報われていきますが、お二人ご自身は、お仕事の中で「頑張りが評価されない」と感じた時、どのように気持ちを保ち、乗り越えてこられましたか?
大西:声優の仕事は、自分で自分を評価できる場面がほとんどなく、常に誰かに評価され続ける世界だと思っています。だからこそ、周囲が思う自分と、自分自身が思い描く姿との間にズレを感じて、悩むこともありました。
私の場合は、すぐに結論を出そうとするのではなく、時間をかけて向き合っていくタイプです。長く続ける中で、信頼できるスタッフさんや共演者の方が少しずつ増え、その中で「ここはやりやすいな」「次はこうしてみよう」と調整しながら進んできました。年単位の積み重ねの中で、少しずつ自分なりの答えに辿り着いてきた感覚があります。
立花:私は、歌やダンスのあるステージのお仕事が多くて、準備期間は振り付けや立ち位置を覚えて、歌詞や表現を詰めて……本番まではあっという間ですが、そこに至るまでには本当にたくさんの時間と努力があって。
でも、観ている方からすると、歌って踊っている姿は「できて当たり前」に見えてしまうこともありますよね。だからこそ私は、まず自分自身の頑張りをきちんと認めてあげるようにしています。そして、必死に取り組んでいるキャストさんたちには、もっと光が当たってほしいと、心から思っています。
――最後に、視聴者の皆さんに向けてメッセージをお願いします。
立花:本作は、長い時間をかけて大切に作り上げてきた作品です。放送を迎えるのが今からとても楽しみですし、ソフィアの成長や、オルンとの関係性の変化を、ぜひ皆さんと一緒に見守っていけたらうれしいなと思っています。
立花日菜
大西:『器用貧乏』と言われ、勇者パーティを追われてしまったオルンが、この先どんな道を歩んでいくのか……そこは大きな見どころのひとつです。そして個人的には、セルマとソフィア、この姉妹の関係性もとても魅力的だと感じています。可愛らしさと尊さの詰まった二人のやり取りにも、ぜひご注目ください!
大西沙織
(取材・文・写真:吉野庫之介)
テレビアニメ『勇者パーティを追い出された器用貧乏』は、TOKYO MXほかにて、1月4日より毎週日曜22時30分から放送。

