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任天堂・宮本茂氏が明かす『スターフォックス』参戦秘話「任天堂の“ルール”を変える必要があった」<『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』インタビュー>

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映画『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』(左から)宮本茂氏、クリス・メレダンドリ氏
映画『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』(左から)宮本茂氏、クリス・メレダンドリ氏

 任天堂とイルミネーションが共同制作する映画『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』が全国で公開中。前作『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(2023年)に続く2作目となる本作は、日本公開から一足先に海外で公開されており、全世界興収は1100億円を突破している。今回は、本作のプロデューサーでもある任天堂代表取締役フェロー・宮本茂氏&イルミネーションCEOクリス・メレダンドリ氏へインタビューを実施。作品へのこだわりや思いを伺った。

【写真】「ニンテンドーミュージアム」で笑顔の宮本茂氏&クリス・メレダンドリ氏

――ゲーム『スーパーマリオギャラクシー』を題材にした本作の世界観やキャラクターの性格はどのような過程で作られていったのでしょうか?

映画『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』場面写真 (C)2025 Nintendo and Universal Studios. All Rights Reserved.
宮本氏:最初はゲームからイメージを広げて、イメージボードを作るところから始めました。クリスさんはよく“トーン”とおっしゃるんですけれど、絵やキャラクターの性格も合わせたトーンをどうやって作っていくか、イルミネーションさんから提案をいただきました。それに任天堂が絵を描いて返したり、本当に密にやり取りさせてもらいました。

クリス氏:最初はどういうアイディアがいいか考えるところから始まり、その後ストーリーの構想に移っていきます。本当に最後の最後まで任天堂さんと綿密にやり取りを進めていき、お互いのアイディアやフィードバックをシェアできました。

これらのやりとりはオンラインだけではなく、定期的にしっかり対面しながら進めています。また、絵だけでなく音楽も宮本さんや近藤浩治さん(前作やゲームの「マリオ」シリーズで音楽を担当している作曲家)に見ていただいた上で、任天堂の作曲家にもフィードバックをいただきました。

――海外では日本より少し早く公開され、大ヒットしていますが心境はいかがでしょうか? また、本作の日本語版の脚本は単なるローカライズではないと伺いました。脚本へのこだわりも教えてください。

宮本氏:すでに北米でも大きな興行収入を記録しているので、日本がそれについていけなかったらどうしよう……っていうプレッシャーがあります(笑)。

脚本については、せっかく日本とアメリカで作るのだから、日本語版は単に英語をローカライズするだけでなく、きちんと日本語で書いて作りこもうとなりました。前作は英語と日本語の同時進行で制作されていましたが、今回の場合は制作のパターンがわかってきたので、最初は英語で進めて、それをもう1回日本語で作り直すということをやりました。

あと、日本語版の脚本を担当された「ヨーロッパ企画」の上田誠さんは昔から交流がある方なんです。僕は、彼らが作る舞台のように自然な会話をマリオたちにもしてほしいんですが、やっぱりローカライズだと会話のテンポが違うんですよ。日本と海外ではギャグが違ったりするので、そこをできるだけ自然な会話に仕上げたいんです。

――前作では日本語版キャストのみなさんが、かなりアドリブを入れたとおっしゃっていました。

宮本氏:役者さんたちは、基本的に原作を変えてはいけないという縛りがあるんですよ。ですが、本作では僕らから「この絵を元に日本語の面白いもの作ってほしいので、アドリブは大いに結構です」とディレクションさせてもらって、とても新鮮がられました。アドリブOKで収録をしてから仕上げたので、かなりこだわりが詰まっています。

――ゲームでのピーチ姫やロゼッタはプレイヤーの助けを待つシンボルという印象がありましたが、映画では心身ともに強いキャラクターとして描かれています。ゲームと映画におけるヒロインの描き方の違いについて伺いたいです。

宮本氏:ゲームの場合は、プレイヤーが何をしたらいいのかわかりやすいのが1番大事です。例えば『ドンキーコング』(1981年)なら「女の子が上にさらわれた。だから上に行くゲームなんだ」ということがわかるシンボルとしてヒロインを作ってきました。もちろん、それが現代の女性像と合わないことは理解していますが、ゲームの場合はそれを変えることが難しい。けれど、映画をやるときには思いっきり変えてみようということで、クリスさんたちと話しました。

前作ではピーチ姫を戦う女性として描きましたが、本作でまた同じことをしてもつまらない。そこで今回は、マリオとピーチ姫の微妙なすれ違いといった心の機微を描くことで、前作より表情豊かな女性として描けたかなと思います。

クリス氏:私は作品を鑑賞してくれたお客さんたちの反応を見るのが好きです。前作と本作では女性の強さを描いたわけですが、女性たちからは、ピーチ姫やロゼッタの強さを見て「すごくよかった」という意見が多く、興味深くもありました。ですので、日本のお客さんにもぜひ劇場に足を運んでいただいて、そういった反応が見られたら嬉しいなと思います。

宮本氏:マムーの「お前たちプリンセスはどうしていつもさらわれるんだ?」っていう台詞が結構面白いと思っていて(笑)。その台詞からロゼッタに何かがあったことをピーチ姫が察するという、ストーリーにも絡んでいるところがいいんです。

映画『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』場面写真 (C)2025 Nintendo and Universal Studios. All Rights Reserved.
――本作は宇宙が舞台ということもあってか、前作以上にバトルがダイナミックでした。アクションシーンのこだわりを教えてください。

宮本氏:前作ではお客さんが映画で何が観たいのかを考えた結果、自分が遊んだアクションゲームが映像になり、カッコよくアクションしている姿が見たいんじゃないかと思って制作したら、お客さんにも響いてくれました。今回は重力を使った新しいアクションを楽しんでもらえたら、それは『スーパーマリオギャラクシー』を使う意味がすごくあるなと思います。

ただ、ゲームのプレイで無重力というのは面白いんですが、映像で使うと絵がわかりにくくなるじゃないですか。だから、アクションシーンとしては通常の重力と無重力を混ぜて作っています。例えば、大作映画のカーアクションとかを見ても、すごすぎて何が起こっているのかわからなくなるのが僕はすごく嫌で。だから、クリスさんたちとは何が起こっているのかわかるように作りたいということも話しました。クッパJr.とマリオのバトルなんかは、どんなところでどんなふうに動いていたかが全てわかるように作られていて、かなり迫力がありますよ。

クリス氏:それから、前作ではクッパのピーチ姫に対する叶わない恋を描いていたわけなんですけれども、そういったストーリー性を今回の映画でもしっかりと主軸に置いていきたいなと思いました。悪役の話が面白ければ面白いほど、その映画も面白くなるという風に私は考えていますから、今回の映画ではクッパJr.とクッパという親子の関係性をしっかりと入れこむことを大切にしました。

――マリオシリーズは大人はもちろん、子どもにも大人気ですが、おふたりが子どもたちに向けて作品を作るときに大切にしているものがあれば教えてください。

宮本:僕は、子どものことを“まだ知識が少ないだけで大人”だと思っています。だから、下ネタで笑わせるようなことはしたくなくて、クリスさんにも下ネタ禁止令を出しています(笑)。あ、だからワリオが出ないわけじゃないですよ? アクションって大人も子どもも等しくわかる材料なので、アクションを中心に作れば退屈しない作品ができると思っています。

クリス氏:先日私はLAの映画館へ行き、お客さんの反応を見てきたんですけれど、大人はもちろん子どもたちも喜んでいて、本当に嬉しかったです。それは宮本さんを中心としたクリエイティブなアイディアがどんどん出てくる任天堂の方たちと制作をしたからこそ、こういう作品にたどり着くことができたと思っています。

今回の映画制作においては、宮本さんが真ん中にいて、その周りの制作陣が宮本さんの考えをしっかりと理解する。そんな感じで進めていったんです。子どもたちが何を好きなのかを考えるところから進めていくと、結果的に平坦でつまらない作品ができあがってしまうこともあるんです。ただ、今作はしっかりと宮本さんと一緒に進めたことで、子どもたちも楽しめるものになってます。

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「フォックス・マクラウド」の参戦には任天堂の“ルール”を変える必要があった!?

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