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任天堂・宮本茂氏が明かす『スターフォックス』参戦秘話「任天堂の“ルール”を変える必要があった」<『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』インタビュー>

アニメ

「フォックス・マクラウド」の参戦には任天堂の“ルール”を変える必要があった!?

――『スターフォックス』のフォックス・マクラウド登場や、グレン・パウエルがキャストを担当することも話題になりました。彼の参戦はどういった経緯で決まったのでしょうか?

宮本氏:「マリオ」らしいギャラクシーを作ろうといろいろな話をしているときに、イルミネーションさんの方からフォックスを出したらどうかという提案がきたんです。とても面白いとは思いましたが、任天堂では「違うゲームのキャラクターを同じ作品内で共存させない」というルールがありました。なので、まずはこのルールを変える必要があるなと思い、僕は社内の人たちに「ちょっと崩すけどいい?」とロビー活動を行うことから始めました(笑)。

クリス氏:実は、前作公開後にグレン・パウエルさんから私の方に連絡があり「今、任天堂と一緒に映画を作ってるんですよね。私、『スターフォックス』が本当に大好きなんです! 私がどれだけこのキャラクターのことを好きなのかクリスさんには知っておいてほしいんです!」という情熱的な電話がかかってきました。そのときは、別に『スターフォックス』の映画を作るとか、そんなことは一切なかったんですけれども、のちに脚本のマシュー・フォーゲルさんや宮本さんとの会話で、本作にフォックスを出すのはどうだろうとなり、グレン・パウエルさんの情熱とパッションなら素晴らしいフォックスを演じてくれると思ってお願いすることにしました。オファーをする電話をかけたとき、彼は本当に喜んでくれて、とても楽しそうに収録していました。

宮本氏:日本語版の声優さんもアメリカのキャストの皆さんも「任天堂の映画をやるなら私が出たい!」とか「俺にやらしてくれ!」みたいな連絡が、結構クリスさんのところにくるんですよね。

クリス氏:いつもはそんなことないんです。大体こちらから出演依頼の電話をかけることが多いんですけれど、任天堂の映画となると俳優さんや声優さんの方から電話がかかってきます。本当に素晴らしいことだなと思っています。

――宮本さんはハリウッドスターから「出たい」という連絡がくることをどう思われていますか?

宮本氏:いや、本当にラッキーだなと思っています。イルミネーションのアニメを作ってる人たちも、キャストの皆さんもみんなマリオファンなんですよ。チーム全員がマリオを好きで作っているという、すごい新しいんじゃないかなと感じます。

――ロゼッタ役のブリー・ラーソンさんも、任天堂のゲームが大好きだそうですが、クリスさんのところに連絡があったから起用されたんですか?

クリス氏:そうです。ブリー・ラーソンさんも本当に任天堂のファンで、本作への出演を嬉しく思ってくれていました。それと、実はヨッシーを演じているドナルド・グローヴァーさんも前作を観て「ヨッシーを演じたい」という電話をくれました。

宮本さんもおっしゃっていましたが、やはりマリオや任天堂の映画に関われるということは、パリにあるイルミネーションのスタジオのスタッフにもかなり大きな影響があって、本当にワクワクしながら制作に取りかかっていました。その結果が映像にも現れているのではないかなと思います。

――本作が任天堂のIP全体にどういった貢献をされているのか聞かせてください。

宮本氏:ゲームでは、キャラクターがプレイヤーの操作によって特定の動きを繰り返すことが多かったのですが、映画になったことで、やっとキャラクターたちが自由に動き回れる“人間”になったと思います。また、監督を始めイルミネーションの人たちがみんな「マリオ」に詳しいものですから「こんなにいたのか」っていうぐらいたくさんキャラクターが出てくるんです。しかも、それが全部最初からいたかのように集まっているというのは僕らにとってもすごく新鮮で、「マリオ」の世界の広がりと40年間の歴史を改めて思い知らされました。

――子どもの頃に「マリオ」を遊んでいたけれど、現在は離れてしまっている大人の方もいると思いますが、そういった方たちに伝えたいメッセージなどありますか?

映画『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』場面写真 (C)2025 Nintendo and Universal Studios. All Rights Reserved.
宮本氏:任天堂のキャラクターは「親子で見てもらえる」というのが、1つの目標だったんですけど、今はもう親子3世代なので、自分の親と子どもを連れて映画館にきてもらえたら嬉しいです。任天堂のキャラクターは3世代でコミュニケーションができる可能性を持っていると思いますし。

昔ちょっとだけ遊んでいたとか、誰かが遊んでいるのを知っていただけでもいいんです。知ってもらえているだけでありがたいので。でも、この映画を見ると不思議と「マリオ」のことを全部知っていたような気分になれるので、ぜひ劇場で観てほしいです。

(取材・文:舘はじめ)

 アニメ映画『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』は、全国公開中。

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