チャウ・シンチー監督、『西遊記』裏テーマは“男女の恋愛” 「Gメン」曲秘話も明かす
また、本作では妖怪ハンター・玄奘や段の妖怪バトルとともに、2人の純愛ラブストーリーが描かれるところにも注目だが、そのことについてシンチー監督は「ラブストーリーの要素は、最初から入れようと決めていました。脚本を作るうえで、玄奘にとっての仏教観という大きなテーマがあって、そこから男女の恋愛関係をどう描くかが、大きなポイントになりました」と、本作の裏テーマも明らかにしてくれた。
さらに、劇中に往年の刑事ドラマ『Gメン’75』のテーマ曲が流れるサプライズが用意されている。「猛龍特警隊」のタイトルで香港放送されていた『Gメン』は、シンチーらアラフィフ世代にはヒーロー的存在であり、「僕の世代はみんなこの曲を知っていますよ」と一言。「玄奘と3人の弟子が旅に出る、妖怪退治に向かう状況は、まさにGメンが犯罪者に立ち向かうイメージ。だからこそ、あのテーマ曲を使ったんです」と、われわれ日本人の反応に満足気な様子だ。
このように細部まで計算され尽くした、一筋縄でいかないシンチー流「西遊記」。香港・中国を始め、アジア各国でのメガヒット後、われわれ日本人をも魅了するのも時間の問題だろう。(取材・文:くれい響)
映画『西遊記~はじまりのはじまり~』は、11月21日より全国公開。