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綾野剛が語るモラルと不道徳 タブーだらけの問題作で「シンパシー感じる」

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 スタッフ、出演者ともに強い気持ちで臨むことができた題材。「僕は実録ものが続いていますが、それって小説やマンガと違って、分からないことが多いんです。事件を引き起こした動機や目的が何なのかを探していく作業=『人間って何なの?』という所につながっていく。とても魅力的ですよね」と白石監督は本作の魅力を語る。

 一方で、暴力シーンや覚せい剤など、現代社会では表現することもタブー視されることも多い。「今の世の中は本当に潔癖症。不倫したら人生全否定みたいな。この主人公もつかまった時の報道だと『なんてひどい奴なんだ』で終わってしまう。でも彼にも青春があったり、当たり前に人としての営みもある。表現する場としては、それを描くべきだし、僕らはインモラルなことこそ見て、色々なことを学んで来た世代。日本全体がこういうご時世、一人ぐらいこういうことをやっていいんじゃないですかね」と白石監督。

 綾野も「面白い映画です。笑いながら観てもらっていい作品。白石監督の言葉を借りれば『不道徳なものから道徳を学ぶ』。今は比較するものがないから、モラルという言葉も非常に曖昧になってしまっている。こういう不道徳な作品があるからこそ、道徳の意味が分かるんだと思います」と追随する。

 インタビュー中、何度も二人が口にした「こういうのって楽しいじゃないですか」という言葉。インモラルなものをエンターテインメントに昇華していくために、お互い最高のパートナーを得たと笑顔を見せる。「スコセッシとディカプリオみたいにね」と、今後何度も続くことを示唆した白石監督&綾野のタッグから目が離せない。(取材・文・写真:磯部正和)

 『日本で一番悪い奴ら』は6月25日より全国公開。

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