本田翼、「ファンが減るかも」 自分も周囲も心配した役への挑戦

『告白』『夜行観覧車』などで知られるイヤミス(読ん後、イヤな気持ちになるミステリー小説)の女王こと、湊かなえの原作を、『しあわせのパン』『繕い裁つ人』の三島有紀子監督が本田翼主演で映画化した『少女』。多感な時期にある女子高校生の“死生観”を、独特の映像美で描き出す本作で、普段のイメージとは真逆といっていい、“陰”のオーラと“冷たい瞳”を印象付ける本田が、「ファンが減るんじゃないか」と心配するほどに入り込んだ作品を振り返った。
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本田が演じるのは親友の敦子(山本)以外には心を開かず、クラスメートたちと一線を画しているミステリアスな由紀。ときに周囲を蔑むような、ドキリとさせる暗い目をした少女だ。これまでの天真爛漫なイメージの本田とは程遠い役柄である。
「なんで私なんだろうとは思いました。原作の敦子が映画よりもやんちゃっぽいところのある女の子なので、私がやるならそっちかなと思ったんですけど、由紀だということで。なんでだろうと。ただ、由紀が普段、ひとりでいる感じはすごく共感できました。私も高校生のころは、人と合わせるのがめんどくさくて、一匹狼タイプだったので。わが道を行く感じは自分と重なりました」と、少し意外な学生時代の素顔を告白。
しかし三島監督は、本田と由紀にそこまで隔たりを感じていなかったそうで、そのことを伝えると「ほんとですか!? なにか奥底にある部分を見透かされてたんですかね~」と笑いつつ、「でも本当に初めての役柄だし、不安はありました。最初に三島監督とお話しさせていただいて、監督が、自分の求めるものをとことん追求していく、納得できないことは進めない方だという信頼感を最初から持てました。だから監督がOKならいいんだと思って演じることができた。撮影期間中は、ずっと何かにフラストレーションを抱えているように意識していました。高校生特有のどうにもならないむしゃくしゃした気持ちを。いい緊張感のある現場で、ずっと由紀のままでいられましたね」と振り返った。