真野恵里菜、公私ともに変化した2018年 「支えになりたい」が基本に
女優という仕事へのやりがいを再認識したという真野だが、今年7月、プロサッカー選手・柴崎岳と結婚し、生活の拠点をスペインに移した。今は「家庭を優先したいと思っています」ということだが「使いたいと思ってもらえるということが前提ですが、役者って何歳でもできる仕事だと思うんです。その意味で、今の海外の生活や、日常をしっかり過ごすことによって真野恵里菜という人間をより磨いていけるのかなと思っています」と現在の状況も女優業に対してはプラスになると考えているようだ。
人間を磨くという意味で、環境の変化は大きく真野の心を変えた。なによりも考え方がシンプルになったという。「横にいてくれる人ができたことはとても心強いです。今までは“格好いい自分”を見せようという思いがどこかにあったのですが、今はそんなことをする必要がない。誰かに批判や指摘されることを恐れていると、小さい世界で収まってしまう。それではもったいないですよね」。
さらにパートナーができたことで、新しい感覚も芽生えた。これまではご飯を作るのも、家のことをするのも、仕事もすべて自分のためだった。しかし今は「パートナーの支えになりたい」というのが行動の基本だという。こうした感覚を得たことで、改めて自分を応援してくれる人への感謝の気持ちが強くなった。「人の夢が叶う瞬間がこんなにも幸せなことなんだ」と実感したという。
日々の生活の中で感じることすべてが新鮮で、乾いたスポンジのように真野の心に吸収されていく。「今はたぶんインプットの時期だと思う」とはにかんだ真野。「未来が楽しみですね」と投げかけると「これまでは“こうなりたい”というものを思い描き過ぎていたのですが、今はとてもフラットな状態。毎日を大事に生きることだけなんです。でも逆に目標を立てるよりも、10年後、20年後、どんな未来が待っているか、すごく楽しみなんです」と希望に満ち溢れた表情で語ってくれた。(取材・文:磯部正和 写真:松林満美)
映画『青の帰り道』は12月7日より全国公開。