さらば愛しき大地
【解説/みどころ】
「十九歳の地図」など、社会によって疎外され、反抗心をたぎらせた若者像を描き続ける柳町光男監督が、茨城県・鹿島地方の工業団地化を背景に、郷里の荒廃、人間の堕落していく姿を力強いタッチで描いた力作。映画の中で度々象徴的に現れる、風に立ち騒ぐ稲穂を捉えた田村正毅のカメラが美しい。当時問題になり始めた覚醒剤やジャパゆきさんの問題をしっかりと作品の中に取り込み、病める農村の風土的リアリティーを出すことに成功している。農業からダンプカーの運送屋に転業した幸雄は、仲間に勧められて覚醒剤に溺れていく。最愛の二人の息子が沼で水死したことから、幸雄はますます覚醒剤にのめり込み、幻覚の末、ついに愛人を殺す。
あわせて読みたい
最新ニュース
おすすめフォト
おすすめ動画 >
-
X
-
Instagram