横浜流星、絶望・苦悩・怒り―現代に生きる若者が抱える闇を体現『ヴィレッジ』ティザービジュアル
俳優の横浜流星が主演する映画『ヴィレッジ』より、幻想的な霧が漂う村に横浜がたたずむティザービジュアルが解禁された。
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本作は、「村」という閉ざされた世界に、現代社会の闇を投影した異色のサスペンス・エンタテインメント。とある日本の集落・霞門村(かもんむら)を舞台に、そこで生きる人間たちの、きれいごとだけでは生きていけないリアルな姿を描く。環境問題、限界集落に若者の貧困、広がり続ける格差社会と、道を誤ったら這い上がることが困難な社会構造の歪みといった、現代日本が抱える闇をあぶり出している。
主演の横浜流星が演じるのは、霞門村に住む主人公・片山優。村の伝統として受け継がれてきた神秘的な「薪能」を見たことによって、能に魅せられ「能教室」に通うほどになっていたが、しばらくして、村にゴミの最終処理場が設立されることになる。建設を巡って起きたある事件によって、優の人生は大きく狂っていくことに…。
脚本・監督を手掛けるのは、『新聞記者』で第43回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞、記録的大ヒットとなった『余命10年』のメガホンを取った藤井道人。企画・製作は、『新聞記者』『ヤクザと家族 The Family』『空白』などの話題作を世に贈り出してきたスターサンズの河村光庸プロデューサー。本作は彼の遺作となった。
解禁されたティザービジュルで描かれているのは、逃げることも、助けを求めることもできず、閉ざされた「村」という世界で生きることを余儀なくされた、たったひとりの優の姿。うつむき加減におぼろげに前を見つめる彼の表情からは、絶望の日々と、自分一人ではどうしようもできない現実と過去に押しつぶされそうになる耐え難い苦悩、そして行き場のない怒りが伝わってくるようだ。
藤井監督の作品では毎回ビジュアルテーマが掲げられているが、本作では“霧”をテーマとして取り入れているという。藤井は、「能との出会いもあり、今回は輪郭がくっきりしたものにしたくなかったんです。(村というタイトルではあるけど)村ってこういうもんだよねという風に定義したくなく、あいまいなコミュニティで、本当のことをわかってない。結局のところみんなおぼろなんだというところを、今回は一貫して描きたかったので、この作品では霧を意識しました」と解説している。
さらに、同日夜、映画公式SNS、横浜、藤井監督のSNSアカウントでアザーデザインとなるビジュアルを解禁予定。美しく、幻想的な世界観を堪能できる2種のビジュアルがお披露目となる。
映画『ヴィレッジ』は2023年公開。