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中国史の闇を描いた8時間越えのドキュメンタリー『死霊魂』予告完成

映画

映画『死霊魂』場面写真
映画『死霊魂』場面写真

 第71回カンヌ国際映画祭特別招待作品で、山形国際ドキュメンタリー映画祭2019では大賞と観客賞をダブル受賞した中国のワン・ビン監督による8時間26分のドキュメンタリー映画『死霊魂』。中国史の闇を描いて世界を震撼させた本作の予告編が完成した。

【写真】8時間を超える渾身の大作!『死霊魂』フォトギャラリー

 本作は、『鉄西区』『無言歌』『三姉妹~雲南の子』などのドキュメンタリー監督ワン・ビン(王兵)による渾身の大作。2018年の第71回カンヌ国際映画祭に特別招待された際は「カンヌ公式作品史上最長! 圧倒的!」(Screen Daily)、「これは爆発物だ!」(The Hollywood reporter)と評されるなど世界の映画界を騒然とさせた。

 本作が捉えたのは、いまだに明らかにされていない部分も多い<反右派闘争>という中国史の闇。1950年代後半、突然、中国共産党によって<反動的な右派>と名指しされた55 万人もの人が理由もわからず収容所に送られ、そこに世界史に類のない大飢饉が重なり、彼らが送られた収容所は凄惨極まりない地獄と化した。映画の核となるのは、「生還率わずか10%」ともいわれたこの<飢餓収容所>を生き延びた人々の証言で、Screen Daily紙はホロコーストの生存者を題材としたドキュメンタリー映画『SHOAH ショア』(1985)にたとえ「我々の時代の『ショア』だ」と賞賛している。

 予告編は、収容所があったゴビ砂漠を風が吹き荒れる中歩く場面からはじまる。ふと立ち止まると、足元には野ざらしにされた人骨が。その後、当時の壮絶な記憶を伝える証言者たちが次々と登場する。

 「収容所の話など誰も覚えとらん。あんな苦しい目に遭ったのに」「右派とされた者は誰も理由など知らんだろう」「自分はどうやら国にだまされていた」「死体はどこにでも転がっていた」「人は極限状態になると人間性を失ってしまうものだ」「人の肉を食ったやつがいた」「遺体の肉を削ぎ落として食べた」

 率直に語る彼らの姿から、歴史の重みがずっしりと伝わる。そして最後は、「扉を開ける第一部 衝撃がはしる第二部 壮絶にして崇高な第三部へ―」という言葉に続き、弾圧側の証言者がワン・ビン監督に「君ならどうする?」と問いを投げかける場面で幕を閉じる。2005年から2017年までに撮影された120人の証言、600時間にも及ぶ映像から完成した本作の一端を垣間見られる、迫力ある予告編となっている。

 映画『死霊魂』は4月4日より全国順次公開。

中国史の闇を描くドキュメンタリー大作『死霊魂』予告編

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