カンヌ4冠『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督、脚本賞受賞時の心境明かす
濱口竜介監督が31日、都内で開催された映画『ドライブ・マイ・カー』一般試写イベントに、オンラインでサプライズ出席。同作で第74回カンヌ国際映画祭の脚本賞ほか4冠を達成した濱口監督は、現地でのスタンディングオベーションに関して「自分としては、すごく長い時間、スタンディングオベーションをいただいていたような気がします。5分間ということだったんですけれど」と述懐し「作った人たちを讃える拍手をいただいた気は、すごくしました」とも語った。
【写真】カンヌで授与されたトロフィーをお披露目する濱口竜介監督
村上春樹による短編小説を実写化した本作は、愛する妻を失った舞台俳優の家福悠介(西島秀俊)が、喪失を抱えながらも前に踏み出していく姿を描く。カンヌ国際映画祭において、日本映画では初の脚本賞受賞作品となり、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞という3つの独立賞も同時受賞しての4冠となった。
この日、観客にはサプライズで参加した濱口監督は、脚本賞を受賞した際のことについて「呼ばれたらスピーチしなきゃいけないということは分かっているので、脚本賞だと、何を言おうかっていうことを。頭を駆け巡ったっていうことがあります。うれしいとか何よりも、何を言おうっていうことは、すごく考えていた気がします」と回想。
監督として大切にしていることを聞かれると「自分が面白いと思っているものを作る」と回答。さらに「せっかく監督という立場でもあるので、どうしてもこれが面白いと思うものに関しては、ある程度、我を張らせてもらうというか。そういう風にはさせていただいていると思います。それを受け入れてくださる方たちと一緒に仕事をするっていうことも、大事なことなんじゃないだろうかという気がします」と話していた。
その後、主演を務めた西島からの受賞に対する反応に話が及ぶと「『おめでとうございます!』という感じで言っていただいて」と報告。そして「脚本を具現化してくれた人たち。それはスタッフも含めてですけど、そういう人たちに与えられているものじゃないかなという気がしております。なので、西島さんにも『おめでとうございます』と返しておきました」と続けていた。
映画『ドライブ・マイ・カー』は、8月20日全国公開。