
増村保造
増村保造 出演映画作品
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鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽
制作年:2022年11月4日(金)公開
太宰治の『斜陽』執筆75周年を記念して映画化した人間ドラマ。昭和20年の日本を舞台に没落貴族の母娘が生活のために地方へ居を移すも、弟の帰還により、結婚を迫られる姉を描く。監督の近藤明男は、故・増村保造と白坂依志夫が遺した草稿を基に、脚本を完成させた。主演は宮本茉由。共演は安藤政信、水野真紀、奥野壮、田中健、柄本明ら。
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エデンの園
制作年:
金持ちの娘アレッサンドラと貧しい家の育ちのミケーレは互いに愛し合っていたが、身分の差が原因でアレッサンドラの家族から交際を禁じられる。やがて二人の夢は悲劇的な結末を迎える。増村保造監督の日・伊合作映画。
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エデンの園
制作年:
金持ちの娘アレッサンドラと貧しい家の育ちのミケーレは互いに愛し合っていたが、身分の差が原因でアレッサンドラの家族から交際を禁じられる。やがて二人の夢は悲劇的な結末を迎える。増村保造監督の日・伊合作映画。
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痴人の愛〈1967年〉
制作年:
谷崎潤一郎の同名原作を、女を描くことには定評のある増村保造が監督した3度目の映画化。ふと知り会った少女ナオミを自分の思いどおりの女に育て上げようとする譲二と、その肉体に磨きをかけやがて譲二を征服するナオミの逆転劇を、緊張感あふれる演出で描く。安田(現・大楠)道代が新しいナオミ像を生き生きと演じている。
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新兵隊やくざ・火線
制作年:
北支の最前線、北井小隊に転属した大宮と有田が、悪らつな鬼軍曹・神永と敵対する。大映倒産後、勝プロ製作・東宝配給によって新たに甦った9作目はカラーになって内容もグレード・アップ。特に、アクション・シーンのスケールの大きさに注目。
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悪名・縄張荒らし
制作年:
第1作「悪名」と第2作「続・悪名」のストーリーを再構成。増村保造監督以下、旧大映関係者の心意気が画面にみなぎり、一級の娯楽映画に仕上がった。田宮二郎の当たり役・モートルの貞を北大路欣也が熱演。
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千羽鶴
制作年:
人間の本能を赤裸々な描写で追求する増村保造が、日本的風土のなかで女性の美を描く川端文学を映画化。お茶の師匠と、その父親と関係のあった二人の女を中心に展開される色模様が描かれる。同じ新藤脚本にもかかわらず、吉村公三郎版とはまったく肌合いの異なったドライな仕上がりになっている。
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積木の箱
制作年:
三浦綾子の新聞連載小説を名匠・増村保造監督が映画化。姉と信じていた女と父との関係を覗き見てしまった15歳の少年の性の目覚めと自立を描く。複雑な人間関係を描き分けた演出力が見事。少年にとっての女神とも言うべき若尾文子のまろやかな美しさが印象的。
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積木の箱
制作年:
三浦綾子の新聞連載小説を名匠・増村保造監督が映画化。姉と信じていた女と父との関係を覗き見てしまった15歳の少年の性の目覚めと自立を描く。複雑な人間関係を描き分けた演出力が見事。少年にとっての女神とも言うべき若尾文子のまろやかな美しさが印象的。
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氾濫
制作年:
ある発明によって一技術者から会社の重役に成り上がった男の家庭が体験する、セックスと社会的野心が渦巻く愛と欲望の日々を描く。増村と脚色の白坂依志夫は、この主題を日本の社会的機構と切り離せぬものとして捉え、主人公たちの欲の強さと脆さを痛烈に風刺している。
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濡れた二人
制作年:
若尾文子主演、増村保造監督という黄金コンビによる不倫ドラマ。若尾演じる万里子は、夫との生活に不満を感じている人妻。その不満は彼女を一人旅へと駆り立てた。そして彼女は、田舎町の青年、繁男と出会う。彼の素直さに惹かれた万里子は青年と結ばれる。しかし、彼女を待っていたのは……。不倫の果てに自立の道へ投げ出される女を、カメラはドライに見つめ抜く。
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しびれくらげ
制作年:
「でんきくらげ」につづく増村=渥美マリのコンビで放つ第2作。ファッション・モデルが肉体を武器にして大企業をゆすり、巨万の富をせしめるに至る。性の解放と女性の自立を結びつけた増村保造独特の美学。渥美のグラマラスな肢体が挑発的。
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しびれくらげ
制作年:
「でんきくらげ」につづく増村=渥美マリのコンビで放つ第2作。ファッション・モデルが肉体を武器にして大企業をゆすり、巨万の富をせしめるに至る。性の解放と女性の自立を結びつけた増村保造独特の美学。渥美のグラマラスな肢体が挑発的。
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でんきくらげ
制作年:
俗悪な生活環境のなか、時には性を武器にして体を張ってたくましく生きる女たちを、感傷を断ち切った、いわば乾いた知性を持って描いてきた増村保造の風俗映画。母の愛人に犯され、ホステスとなったヒロインは惚れた男の言いなりに金持ちと結婚し、その男の死後、結婚を迫る男を捨て、堂々と生きていくのだった。
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でんきくらげ
制作年:
俗悪な生活環境のなか、時には性を武器にして体を張ってたくましく生きる女たちを、感傷を断ち切った、いわば乾いた知性を持って描いてきた増村保造の風俗映画。母の愛人に犯され、ホステスとなったヒロインは惚れた男の言いなりに金持ちと結婚し、その男の死後、結婚を迫る男を捨て、堂々と生きていくのだった。
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この子の七つのお祝いに
制作年:
大臣秘書のお手伝いが何者かによって殺されたことから、平凡な母子がいかに傷ついて現在に至ったかを解き明かしていくミステリー。『この子の七つのお祝いに』のメロディーが、謎を解くカギとなっている。原作は第1回横溝正史賞を受賞した斎藤澪の同名小説。
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この子の七つのお祝いに
制作年:
大臣秘書のお手伝いが何者かによって殺されたことから、平凡な母子がいかに傷ついて現在に至ったかを解き明かしていくミステリー。『この子の七つのお祝いに』のメロディーが、謎を解くカギとなっている。原作は第1回横溝正史賞を受賞した斎藤澪の同名小説。
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セックス・チェック/第二の性
制作年:
名匠・増村保造監督自らの企画による異色作。中年男のコーチがある女子スプリンターを特訓するが、セックス・チェックの結果、半陰陽とわかり、大会出場の資格を得るため今度は女に戻すべく性の訓練に励むというもの。安田と緒形の個性のぶつかり合いが圧巻。
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曽根崎心中
制作年:
近松門左衛門の浄瑠璃が原作。堂島新地の遊女・お初と醤油屋の手代・徳兵衛は深く言い交わした仲であるが、夫婦になるには幾多の障害がある。この二人が心中を決意し、互いに刺し違えて死ぬまでを描いている。原作ではお初を、進退きわまった徳兵衛に同情して心中を決意する女として描いているのに対し、増村監督は、愛する男と夫婦になれなければ心中しか道はないと決意する女として描出。女の意地の凄まじさを梶芽衣子が美しく体現している。徳兵衛が女郎屋の床下に隠れる動作、セリフのやり取りなど、歌舞伎の演出がそっくり生かされていて、作品に奥行きを与えている。
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曽根崎心中
制作年:
近松門左衛門の浄瑠璃が原作。堂島新地の遊女・お初と醤油屋の手代・徳兵衛は深く言い交わした仲であるが、夫婦になるには幾多の障害がある。この二人が心中を決意し、互いに刺し違えて死ぬまでを描いている。原作ではお初を、進退きわまった徳兵衛に同情して心中を決意する女として描いているのに対し、増村監督は、愛する男と夫婦になれなければ心中しか道はないと決意する女として描出。女の意地の凄まじさを梶芽衣子が美しく体現している。徳兵衛が女郎屋の床下に隠れる動作、セリフのやり取りなど、歌舞伎の演出がそっくり生かされていて、作品に奥行きを与えている。
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音楽〈1972年〉
制作年:
近親相姦とフロイト的精神分析を扱った三島由紀夫の名作の映画化。監督は女を描くことに定評のある増村保造で、性的快感を得られない女性の深層心理を乾いたタッチで解き明かしていく。西洋バサミのイメージを効果的に使った数少ない日本のニューロティック映画。
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「女の小箱」より 夫が見た
制作年:
会社の株式課長の重責を担う川代。彼は今、会社の株が何者かによって買い占められようとしていることに頭を悩ませていた。そんな彼の妻・那美子は、家庭をほったらかされた腹いせに、バー“2・3“へ遊びにいく。そのバーの経営者・石塚こそが、川代の会社乗っ取りをたくらむ張本人で……。川代と妻・那美子、そして石塚とその秘書、バーのマダム。彼らが繰り広げる、陰謀と愛欲が入りまじった心理戦を、増村保造が持ち前のカット構成の技法を駆使して描く。増村=若尾コンビの代表作。
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刺青
制作年:
女の情念と、その妖しい美しさを生涯通して描き続けた大映出身の鬼才・増村保造の美学のまさに頂点ともいうべき作品。谷崎潤一郎の有名な処女短編小説『刺青』を原作として新藤兼人がシナリオ化した。主演の若尾文子は、増村保造とは何本もコンビを組み、増村描く女性像になくてはならない存在となった。物語は手代と駆け落ちした質屋の娘が、悪人のたくらみにかかり芸者として売られる。刺青師に白い肌一面に巨大な女郎グモを彫られた娘は、男と女の欲望のうごめく世界に本能のうごめくまま生きていく……。冒頭、山本学が演じる刺青師が、薬で眠らせた若尾文子の肌に、丹念に女郎グモを彫り込んでいくシーンの妖気ただよう美しさは見事。そしてラスト、若尾文子の肌に彫られたクモが、娘の体に絡み付き、まるで呼吸でもするかのように血の中でうごめくシーンのあざやかな地獄絵は日本映画史上忘れられない名場面であろう。また、随所に増村保造独特の色彩感覚があふれ、オレンジ・赤・青などの原色を使った画面は“大映調”の真骨頂といえる。
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妻二人
制作年:
作家を志していた柴田健三は、愛人の順子と別れ、雑誌社の娘・道子と結婚した。ある夜、何年かぶりに順子と会った彼は、彼女が昔の自分と同じように作家志望の男・小林を養っていることを知る。一方、順子と健三の関係を知った小林は、それをネタに道子を脅迫するのだが……。P・クェンティンの『酔いどれ波止場』を新藤兼人がシナリオ化、ミステリー趣向で迫る増村監督の異色作。
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陸軍中野学校
制作年:
昭和13年、陸軍少尉・椎名次郎は草薙中佐と名乗る男から奇妙な口頭試問を受ける。そして1週間後、次郎のほか17名の陸軍少尉が靖国神社近くのバラックに集まった。そこは、諜報部員を養成する機関、陸軍中野学校だったのだ。その日から次郎たちは親兄弟との接触を禁じられ、軍事教練、外交問題から女の悦ばせ方まで特別のスパイ教育を受けさせられる……。シリーズ1作目は、中野学校の実態をクールに描いたドキュメント風の作品。増村演出は、主人公をヒーローとして描くのではなく、時代や組織にのみ込まれた犠牲者として位置づけている。市川雷蔵の冷徹な魅力にも注目。
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妻は告白する
制作年:
日本的束縛の世界に生きる女性が、恋愛を契機になりふり構わず一直線に情念に走る姿を描き続けてきた、増村保造=若尾文子コンビの最高作。登山パーティーの一人が転落死する。メンバーは、大学の助教授とその妻、助教授の教え子で妻の愛人である男の3人。死んだのは助教授で、ザイルを切った妻は、その行為が事故を最低限度にするための緊急避難であったか、それとも殺意によるものだったのか裁判にかけられる。ラスト近く、雨でびしょ濡れになった和服姿で、男の会社を訪れる若尾の姿は、増村の演出と若尾の熱演により、恋に狂う幽鬼のような、すさまじい迫力を出している。
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卍〈まんじ〉〈1964年〉
制作年:
弁護士を夫に持つ人妻が、偶然知り合った独身の若い女の魅力の虜となり、同性愛の関係に陥る。そこに若い女の恋人である青年が絡んできて、夫を交えて奇妙な人間関係と倒錯したセックスの世界が、人妻の告白という形で描き出されている。女同士の同性愛という、その頃の日本映画ではタブー視された題材であるが、増村監督は、“恥も外聞もなく欲望を表現する狂人”たちが繰り広げる饗宴を肯定的に力強く描き、増村流美学をみなぎらせている。なお、この小説の映画化は市川崑監督が長年温めていた企画であるが、市川監督が「東京オリンピック」にかかったために、増村監督が演出を務めたという経緯がある。
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からっ風野郎
制作年:
主演に三島由紀夫を起用して話題を呼んだ増村保造監督作品。非情なヤクザの世界に身を投じた一人の若者をダイナミックに描く。銃弾を受けてエスカレーターに倒れるラストシーンの三島の熱演が見もの。なお彼は、劇中で自ら作詞した主題歌を歌っている。
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最高殊勲夫人
制作年:
三原家の兄弟と野々村家の姉妹はそれぞれ結婚し、三原商事の営業部長と秘書のニ組のカップルとしてうまくいっていた。両家は、残る三男の三郎と三女の杏子を結ばせようと画策するが、若い二人はこれに反発。だがいつの間にかお互いに惹かれ合って……。女性映画で名高い増村保造監督の青春ドラマの佳作。若尾と川口のみずみずしい存在感が魅力。
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赤い天使
制作年:
若尾文子が従軍看護婦に扮した人間ドラマ。天津の陸軍病院に配属された西さくらは、毎日、傷病兵の世話に明け暮れる従軍看護婦。彼女はそんな中、軍医の岡部と知りあい、愛し合う。だが、応急看護班を編成し、前線に向かった二人は敵に囲まれ、コレラの流行る部落に取り残されてしまうのだった……。増村ならではの壮絶な愛情描写が忘れがたい佳作。日本よりもヨーロッパで高い評価を得た。
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青空娘
制作年:
増村保造の監督第2作。源氏鶏太の連続ラジオ・ドラマをもとに、祖母の死によって初めて知らされた実の両親の家へ向かった娘が、様々な虐待にあいながらも明るく生きていく姿を描く。若尾文子の、さわやかでみずみずしい魅力がひときわ光る、はつらつとした青春映画の佳作。
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氷壁
制作年:
増村保造の映画には時々主題の展開の仕方、キャラクター、設定などに強い類似をもつものがあり、この映画も「妻は告白する」の姉妹編といえる。登山中に死んだ友人の愛した人妻に心惹かれた男に待ち受ける悲劇を、社会批判を交え鮮烈に描く。
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足にさわった女〈1960年〉
制作年:
和田夏十と市川崑のコンビが脚本を書き、増村保造が監督した沢田撫松の原作の3度目の映画化。走行中の特急列車に乗り合わせた美人で足の美しい女スリ・塩沢さやと、彼女の逮捕をもくろむスリ専門の刑事・北八平太の追い駈けっこを、軽妙なタッチで描く。大女優・京マチ子のコメディエンヌぶりも見もの。
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嘘
制作年:
嘘にまつわるエピソードを綴ったオムニバス。4人のボーイフレンドとかけ持ちで付き合う短大生が真実の愛に目覚める「プレイガール」(増村)、愛人と縁を切るため芝居を仕組んだ社長を描く「社用2号」(吉村)、ある男が殺された事件の法廷で、彼をめぐる女たちの証言がくるくると変わって真相が薮の中となる「女体」(衣笠)の3話で構成されている。
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可愛い悪魔 いいものあげる
制作年:
オナペット女優No.1と言われた肉体派渥美マリが、自立した女性のふてぶてしさを好演した作品。幼い頃に両親と死に別れ、芸者置屋の女将に育てられた石川ゆみの夢は、いつか豪華なクラブを持つこと。その目標のため、彼女は自分の若い体を武器に、社長の愛人として、男を渡り歩いていく。
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御用牙・かみそり半蔵地獄責め
制作年:
かみそり半蔵は、捕らえた盗人から、寺や神社ではやっている“子おろし”に関係する殺人事件をかぎつける。女神主を得意の拷問にかけて、事件の裏に潜む尼寺の腐りきった実態を突き止めていく……。名匠・増村が1作目に負けぬ迫力で描いた佳作。
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御用牙・かみそり半蔵地獄責め
制作年:
かみそり半蔵は、捕らえた盗人から、寺や神社ではやっている“子おろし”に関係する殺人事件をかぎつける。女神主を得意の拷問にかけて、事件の裏に潜む尼寺の腐りきった実態を突き止めていく……。名匠・増村が1作目に負けぬ迫力で描いた佳作。
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大地の子守歌
制作年:
売春宿に売られた少女の苛酷な運命と、流転する生のたくましさを描く。一貫して力強い女を描き続けてきた増村保造にピッタリの素材である。四国の山奥で祖母と二人で暮らしていた少女りんは、祖母の死後、瀬戸内海の小さな島に売春婦として売られていく。13歳だったりんは初めのうちは下働きをさせられていたが、初潮を迎えるとすぐに客をとらされた。狂ったように働いたりんは、視神経を冒され盲目になるが、それでも働き続ける……。当時、デビュー2作目の新人だった原田美枝子は、この作品で演技開眼したといっても過言ではないくらいの熱演。時としてオーバーに聞こえるセリフ回しも、逆に生命の息吹きを感じさせるほどだ。
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御用牙・鬼の半蔵やわ肌小判
制作年:
シリーズ3作目は、2作目の監督・増村保造が脚本を担当。1、2作目ほどの圧倒的なパワーはないが、それなりに楽しめる。江戸城のお濠ばたに出るという幽霊のウワサを聞いた半蔵は、その裏に盗まれた小判が隠されていることに気づくのだが……。
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偽大学生
制作年:
当時、文壇の若きリーダーだった大江健三郎の『偽証の時』を、脚本・白坂依志夫と監督・増村保造という大映の気鋭コンビが映画化した作品。学生運動で揺れるT大学歴史研究会に一人の新入生・大津彦一が加わる。リーダー・空谷の保釈運動にも彦一は積極的に参加し、メンバーの信頼を得るようになる。だが警官との乱闘で留置場に入った彼がニセ大学生であることをすでに警察側は見破っていた。やがて研究会の中にスパイ疑惑が発生し、一人だけ早く釈放された彦一がまず疑われる。猿ぐつわで椅子に縛りつけられた彼は発狂してしまう。同年の「日本の夜と霧」(大島渚監督)にも共通する、学生運動を扱った問題作。
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遊び
制作年:
増村保造監督による、野坂昭如の小説『心中弁天島』の映画化。町工場で働く貧しい少女とチンピラヤクザの少年が出会い、逃亡の果てに真実の愛をつかむまでをダイナミックに描く。デビューして間もない16歳の関根恵子の初々しい存在感が魅力。
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遊び
制作年:
増村保造監督による、野坂昭如の小説『心中弁天島』の映画化。町工場で働く貧しい少女とチンピラヤクザの少年が出会い、逃亡の果てに真実の愛をつかむまでをダイナミックに描く。デビューして間もない16歳の関根恵子の初々しい存在感が魅力。
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大悪党
制作年:
洋裁学校の生徒が街のヤクザに睡眠薬を飲まされたうえにヌード写真を撮られ、人気歌手と寝ることを強要される。そのことでゆすられた歌手は弁護士の所へ駆け込むが、これがまたとんでもない悪徳弁護士だった……。田宮二郎が、名実ともに脂の乗りきった頃に主演したピカレスク・ロマン。
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闇を横切れ
制作年:
サスペンスの名手でもある増村監督が手がけた松本清張ばりの社会派ミステリー。ある地方の市長選挙がらみや、都市計画にまつわる汚職など、社会派に似合う記号を散りばめて、新聞記者が連続殺人事件を追うスタイルを採っている。ストリッパーが殺され、その死体の傍に泥酔した市長選立候補者が倒れていた。ある警官の話から誰かに依頼された殺し屋が浮かび上がる。
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暖流〈1957年〉
制作年:
戦前の同名作品を、名匠・増村保造監督が再映画化。前作では高峰三枝子扮する啓子が自ら身を引いたのに比べ、本作では啓子がぎんに敗北するという形に改変され、女のバイタリティーが強調されている。“二号でも妾でもいい”と東京駅で叫ぶ左幸子の姿は圧巻。
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華岡青洲の妻
制作年:
世界最初の全身麻酔に成功した華岡青洲。だがその麻酔薬発明の裏には、青洲の妻と母との深い確執があった。青洲の愛を確かめるために、互いに争って実験台になろうとまでする女たちの凄まじいまでの自我を、増村は鬼気迫る演出で描き出す。
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清作の妻
制作年:
1924年日活版(村田実監督)に次ぐ再映画化。元囲われ者の若尾文子が、村の模範青年と結婚する。村人たちの白い目。夫は日露戦争で負傷して帰るが、二度と戦場へ行かせぬよう、妻は夫の目を五寸釘で突くのであった。増村流の女性のパッションが凄まじく鬼気迫る。
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盲獣
制作年:
江戸川乱歩のマゾヒズム小説を増村保造が監督した異色極まりない怪作。モデルのアキは、ある日突然盲目の男に誘拐され、巨大な女体像のある倉庫の一室に監禁される。男はアキをモデルに彫像を作り始める。最初は拒んでいたアキも、いつしか男との暗闇の中でのマゾヒスティックなセックスに没入していく。
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黒の超特急
制作年:
大阪からさらに岡山方面へ延長されようとしていた新幹線。だがその超特急路線の用地買収の裏には、甘い汁を独り占めようとする政界のボスの陰謀があったのだ。青年不動産業者は一人戦いを挑んでいくが……。“黒”シリーズの最高傑作。
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黒の超特急
制作年:
大阪からさらに岡山方面へ延長されようとしていた新幹線。だがその超特急路線の用地買収の裏には、甘い汁を独り占めようとする政界のボスの陰謀があったのだ。青年不動産業者は一人戦いを挑んでいくが……。“黒”シリーズの最高傑作。
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巨人と玩具
制作年:
現代のマスコミ社会を痛烈に戯画化した、開高健の同名の小説の映画化。ある製菓会社の敏腕宣伝課長とその部下が、街で拾った虫歯だらけの小娘をCMキャラクターに起用し、アイドルに仕立て上げる。しかし、やがて裏切られるハメに陥り、課長は過労から吐血して倒れ、部下は一人サンドイッチマンとなって街頭を歩いていく……。タイトルバックから増村のスピーディーな演出が横溢。エネルギッシュに自己主張する登場人物の衝撃性もあって、新しい時代を開く新感覚の日本映画の誕生、と注目を集めた。野添ひとみの屈託のない可憐らしさが魅力でもある作品。
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動脈列島
制作年:
新幹線がもたらす公害に抗議し、これを爆破しようと狙う若者と、それを阻止する警察側との息詰まる駆け引きを描いた極上のサスペンス映画。日本推理作家協会賞を受賞した清水一行の原作を、増村保造がスピーディーな画面展開で映像化。近藤正臣が迫真の演技を見せる。
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動脈列島
制作年:
新幹線がもたらす公害に抗議し、これを爆破しようと狙う若者と、それを阻止する警察側との息詰まる駆け引きを描いた極上のサスペンス映画。日本推理作家協会賞を受賞した清水一行の原作を、増村保造がスピーディーな画面展開で映像化。近藤正臣が迫真の演技を見せる。
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女体〈1969年〉
制作年:
浅丘ルリ子を高く評価していた名匠・増村保造監督が彼女を想定して、池田一朗とともに書いたオリジナル脚本の映画化。自らの肉体を武器に生きる貧しい娘のエネルギッシュな生き方とその破滅を冷めた目で凝視する。主人公に扮した浅丘のパンチの効いた演技が素晴らしい。
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黒の試走車〈テストカー〉
制作年:
スポーツカーの新車売り出しをめぐってしのぎをけずる、二つの自動車メーカーをバックに、花形産業の舞台裏で暗躍する産業スパイたちの愛と憎しみを鋭く描き出した異色作。スパイ合戦のスリリングな展開と、花形産業にメスを入れた社会性がヒットの要因。
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兵隊やくざ
制作年:
昭和18年、ソ連国境に近い孫呉の丘にそびえ立つ関東軍兵舎。ここに、元ヤクザの用心棒で札つきの暴れ者と噂される大宮貴三郎が入隊してきた。早々に大宮は浴場で大立ち回り、十数人の砲兵隊をブチのめしてしまう。指導係を任されたインテリ上等兵・有田は頭をかかえるが、規律に縛られない奔放な大宮に奇妙な友情を感じていた……。記念すべきシリーズ第1作は、大宮と有田の出会いと、男としてお互いに惹かれ合っていく二人の姿をテンポよく見せる。シリーズもののキャラクターは1作ごとに成長、変化していく場合が多いが、“兵隊やくざ”は本作ですべてを確立、以後最後までまったく変わらない。
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くちづけ〈1957年〉
制作年:
川口松太郎の原作を、イタリア国立映画センターに留学していた増村保造が帰国後に第1回作品として監督した青春映画。欽一と章子は小菅の拘置所の面会室で知り会う。欽一は章子をオートバイに乗せて海岸まで突っ走り、青春を謳歌しようとする。一方、章子は父の保釈金と母の入院費の工面に困り、身体を売ろうとし……。“ボーイ・ミーツ・ガール”の単純なメロドラマ構造に、現代的な青春像をドライかつエネルギッシュにたたき込んだ鮮烈なデビュー作。その甘い感傷を排した、ストレートでみずみずしい行動描写は、やがて台頭する松竹ヌーヴェル・ヴァーグの若手監督たちに大きな影響を与えた。
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やくざ絶唱
制作年:
「兵隊やくざ」以来5年ぶりにコンビを組んだ増村保造監督と勝新太郎の、兄妹相姦願望をテーマにした作品。妹に異常ともいえる愛をそそぐ勝新扮するヤクザは、彼女に近づく男は皆ぶっ飛ばす。妹はそんな兄を嫌い去っていく。絶望した勝新は新興ヤクザのボスを殺し、自らも銃弾に倒れる。
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好色一代男
制作年:
江戸元禄を背景に世之介の女性遍歴を描いた、井原西鶴の『好色一代男』の映画化。「刺青」「清作の妻」などで、どんな障害にも負けず自分の欲望を貫く女性像を描いた増村保造は、それを男性に置き換え戯作的に描いた。但馬屋の一人息子、世之介は父親の心配をよそに放蕩三昧。怒った父は世之介を江戸の出店に修行に出すが、そこでも世之介はしたい放題で、ついに勘当される。頭を丸めた世之介は、流転の末、私娼のヒモにまで成り下がっていく。やがて父が死に、但馬屋を引き継ぐやいなや金にまかせての女遊びの毎日で、お上に財産を没収されてしまう。世之介は好色丸に乗り、新世界に向けて船出するのだった。
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ある殺し屋
制作年:
もっぱら時代劇俳優として伝説的なまでの人気を博した市川雷蔵が、珍しく現代劇に取り組み、しかも殺し屋を演じるという作品。原作は藤原審爾の『前夜』で、普段は小料理屋の無口な板前だが、裏の顔は名を知られた殺人請負業で生きているという男の話である。暴力団・木村組から敵対するボス・大和田の殺人を2千万円で請け負った主人公・塩沢は競馬場、大和田邸、大和田の妾宅と大和田を狙ったが果たせず、遂に大和田主催のパーティーに芸人として潜入。畳針で一気に刺殺するというあざやかな仕事ぶりをみせる。しかし塩沢の報酬の横取りを狙う者がいた……。ニヒルなキャラクターにぴたりとはまった市川雷蔵の殺し屋ぶりが実に素敵だ。
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