
藤村志保
藤村志保 出演映画作品
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救いたい
制作年:2014年11月22日(土)公開
国立病院機構仙台医療センターの麻酔科医長、川村隆枝が記したノンフィクション『心配ご無用 手術室には守護神がいる』を原作にしたヒューマン・ドラマ。東日本大震災によって傷を負った人々が過酷な現実を乗り越え、未来へ踏み出していく姿を、麻酔科医という存在に光をあてながら描く。主人公の医師夫婦を鈴木京香、三浦友和が熱演している。
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悪夢ちゃん The 夢ovie
制作年:2014年5月3日(土)公開
2012年に放映され好評を博した、恩田陸の小説に基づく同名ドラマの劇場版。予知夢を見る小学生の少女と、夢の謎を読み解く女教師が、新たな事件に立ち向かう。北川景子やGACKT、木村真那月らTV版のキャストが再結集し、独創的でスリリングなドラマを織りなす。TV版からスケールアップしたキャラクター造型やCG描写も見逃せない。
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この空の花 長岡花火物語
制作年:2012年05月12日(土)公開
『時をかける少女』や『転校生』など数々の名作を撮ってきた大林宣彦監督がセミドキュンタリータッチで描く人間ドラマ。舞台となるのは長岡市。松雪泰子扮する地方紙記者の女性が、長岡の地で遭遇する過去と現在の入り混じる不思議な体験と、長岡花火にこめられた人々の想いを描きだす。共演は高嶋政宏、原田夏希、柄本明、新人の猪股南。
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小津の秋
制作年:2007年9月15日(土)公開
『二人日和』の野村恵一監督が小津安二郎監督が仕事場として使った蓼科の別荘「無藝荘」を舞台に繊細な人間模様を描き出す。尖石遺跡、蓼科湖、茅野駅など秋が深まる蓼科高原の美しい風景と、藤村志保、沢口靖子、栗塚旭が織り成す心の移り変わりが見事にマッチしている。日本映画界を代表する女優、藤村志保のキメ細やかな演技が胸を打つ。
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夕凪の街 桜の国
制作年:2007年7月28日(土)公開
2004年の文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞と手塚治虫文化新生賞に輝いたこうの史代の同名漫画を、『半落ち』の佐々部清監督が映画化。広島への原爆投下から13年後に生きる被爆女性と、その姪で父の行動から叔母の残した思いを知ることになる現代の女性。ふたりの姿を通し、平和の尊さや生きることの喜びを市井の目線で描き出す。
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二人日和
制作年:2005年11月26日(土)公開
ALS(筋萎縮性側索硬化症)に冒された妻と、神祇装束司を務める夫。京都を舞台に、老夫婦に訪れた変化を、かけがえのない一瞬一瞬として描き出す1編。四季の移り変わりを背景に、伝統的な町家での暮らしを見つめたのは野村惠一監督。ベテラン、藤村志保が久しぶりの主演作で本領を発揮。
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カーテンコール〈2004年〉
制作年:2005年11月12日(土)公開
『チルソクの夏』『半落ち』の佐々部清監督最新作。昭和30~40年代の日本映画全盛期時代と現代の下関を舞台に、日韓の微妙な人間関係、そして数奇な運命を辿る人々の姿を描いた、感動の人間ドラマ。懐かしい昭和の歴史的な日本映画の数々が、スクリーンに映し出されるのも見どころ。
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白い犬とワルツを〈2002年〉
制作年:2002年4月13日(土)公開
「ハチ公物語」でも犬と共演した仲代達矢主演による心温まるファンタジー。亡き妻の生まれ変わりと思しき白い犬と一緒に、妻との約束を果たすため冒険の旅に出る老人の姿を見つめる。
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長崎ぶらぶら節
制作年:2000年9月15日(金)公開
第122回直木賞に輝いた、作詞家なかにし礼の同名小説を映画化。明治から昭和にかけて長崎の花街、丸山に実在した、名芸者、愛八の生涯と秘められた恋物語を端正に綴る。
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双生児
制作年:1999年9月15日(水)公開
日本が誇るカルトな鬼才、塚本晋也の新作は、江戸川乱歩の短編小説に基づく和風スリラー。瓜ふたつの容貌を持つ男たちが織りなす恐怖のドラマを、眩惑的な映像の中に展開させる。
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あ、春
制作年:1998年12月19日(土)公開
招かれざる客の出現に揺れる家族のとまどいを描きながら、現代人の悲哀を浮き彫りに。せつなさを匂わせつつも、かすかに温かみを残す、相米慎二監督の優しい視点が印象深い。
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刑務所破り
制作年:
松方弘樹主演の大映任侠映画。流れ者の誠は兄貴分の遺志を継ぎ、刑務所を脱獄して仇敵・天王寺組を倒す。快調なテンポと壮絶な殺陣で、本家東映にひけをとらない仕上がり。兄貴分の田村高廣は貫禄十分。山本麟一が悪の総元締めとして準主役なのも魅力だ。
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長脇差忠臣蔵
制作年:
徳川幕府に崩壊の兆しが見え始めた時代を背景に、浜松城主に親分を殺された子分たちが、仇討ちに立ち上がる姿を描いたヤクザ版忠臣蔵。大石内蔵助同様、時節を待つ間、密偵を繰り出し、仇の状況を調べたあと、組員40数名を引き連れて浜松城に乗り込んでいく堀の内喜三郎の姿が綴られている。
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眠狂四郎 悪女狩り
制作年:
江戸城大奥の醜い権力争い、そして仲間を救うため大奥総取締のいうがままに狂四郎になりすまし、幕臣を切り捨てる隠れキリシタン。“人肌蜘蛛“の直後に入院した雷蔵の手術を経ての復帰作だが、病気のため殺陣は少ない。この年の7月に雷蔵は永眠し、シリーズは本作で終わる。
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狗神〈イヌガミ〉
制作年:
【原田眞人が凝った技法で冬のホラーに新風を】 「死国」の坂東眞砂子の同名小説を「金融腐蝕列島・呪縛」の原田眞人が映画化。呪われた血をめぐる土着的な伝奇サスペンスながら、乾いた空気感が漂う異色作になっている。
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ムルデカ・17805
制作年:
【インドネシア独立の理想に殉じた日本人兵士の生き様】 太平洋戦争終結後もインドネシアにとどまり、かの地の独立運動に参加した日本人兵士の姿を描いた悲壮な戦争映画。TV『水戸黄門』でも活躍中の山田純大が理想に燃える中尉を熱演。
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花〈2002年〉
制作年:
【現代を生きる人々に贈る感動のロードムービー 】 数々の国内映画賞を総ナメにした『GO』の原作者、金城一紀の短篇小説を映画化。脳に腫瘍が見つかり不安に駆られる青年と末期ガンの初老の男が、東京から鹿児島まで車でひた走る旅へ。その旅を通し、ふたりが自身を見つめ直す。主人公両人を演じる大沢たかおと柄本明の好演、クラシックギタリスト、村治香織の奏でる音楽が印象的。
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嗤う伊右衛門〈わらういえもん〉
制作年:
【誇り高きヒロイン、お岩! 新解釈による「四谷怪談」】 昨年22年ぶりに『青の炎』でメガホンを握った蜷川幸雄が早くも新作を発表。舞台でも全面的な信頼を置いている唐沢寿明を主演に、かつて『魔性の夏』でも取り上げた「四谷怪談」の世界に、京極夏彦の大胆な解釈で、再び挑む。美しく高貴な女としてまったく新たな生を与えられたお岩を『ラスト・サムライ』でも気を吐いた小雪が、力強く演じている。
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若親分を消せ
制作年:
中西忠三監督のデビュー作となった“若親分“シリーズ第6作。南条武の出獄を迎えにきた三野組の弥五郎が何者かに殺された。犯人を追う武は、その途中で竹村中佐に会い、町の芸者・千代竜の身請金の金策を頼む。彼女は武の海軍時代、海軍粛正運動の責をとって自刃した秋月中佐の娘だったのだが……。
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若親分千両肌
制作年:
“若親分“シリーズの最終作で、第1作の池広一夫監督が演出を担当した。南条武は、栄吉という男に間違われて何者かに襲われた。栄吉は宇島の青柳組親分の行方不明の息子であったが、その青柳組が建設中の海軍秘密工場が爆破され、秘密兵器の設計図が盗まれてしまう。その容疑は武に……。
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陰獣
制作年:
【江戸川乱歩の名作『陰獣』が妖艶に蘇る!】 江戸川乱歩が'28年に発表した『陰獣』を、ハリウッドでも活躍するバーベット・シュローダー監督が映画化。日本を訪れたフランス人小説家が事件に巻き込まれていくサスペンス。フランス人小説家にブノワ・マジメル、ヒロインの芸妓には映画初出演となる源利華が扮し、大胆な濡れ場を披露している。彼女を寵愛する実業家役の石橋凌にも注目。
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駿河遊侠伝 賭場あらし
制作年:
「座頭市」の生みの親、子母沢寛の原作を新藤兼人が脚本化し、ベテラン森一生がメガホンを執った異色の“次郎長“ものの第1作。旅の坊主に3年の命と占われて、ヤケクソになった清水港の長五郎が、放蕩無頼の結果、イカサマ博奕を打つヤクザになって旅に出る。
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ラッコ物語
制作年:
パンダ、コアラと並び、アイドル動物のなかでも高い人気を誇るラッコの生態を追ったドキュメンタリー。アラスカの自然をバックに、TV『わくわく動物ランド』の永田貴士が演出にあたり、斉藤由貴らが吹き替えを担当。ラッコを擬人化してほのぼのと描く。
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座頭市喧嘩旅
制作年:
市は旅の途中、手ごめにしようとした若殿にケガを負わされて逃げている娘を救い、一緒に旅を続けるが、娘は悪党一味にさらわれてしまう。市は単身乗り込んで悪党一味を斬り、娘を救い出す。市と対決する強力なライバルがいないのは寂しい。
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続・忍びの者
制作年:
織田信長の伊賀攻めによって伊賀の砦はつぶされ、その後も執拗な忍者狩りが続いていた。信長必殺を誓う石川五右衛門は、徳川方からの情報により本能寺で念願を果たすが、今度は秀吉に命を狙われる。権力者の覇権の道具でしかない忍者の悲劇が痛烈に描かれた力作。
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忍びの者 新・霧隠才蔵
制作年:
大阪夏の陣で豊臣家が滅亡したあと、駿府に潜み、家康暗殺を狙う霧隠才蔵率いる伊賀忍者たちの活躍を描く。徳川方は風魔一族を警護にあて伊賀ものを次々と殺していく。才蔵は駿府城潜入に成功するが……。ラストの風魔大十郎と才蔵の一騎打ちが迫力十分。
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忍びの者 続・霧隠才蔵
制作年:
大阪落城後、幸村を助け薩摩の島津家に落ち延びた才蔵は、徳川方の探索を逃がれ種ヶ島に渡るが、服部半蔵らに発見される。幸村は潔く自決し、復讐を誓った才蔵は駿府に潜入する。時代の流れに対してたった一人で戦いを挑む男のむなしさがよく出ている。
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座頭市鉄火旅
制作年:
例によって座頭市が、悪徳親分をこらしめるというストーリーだが、クライマックスの大殺陣で樽の中に入れられグルグル回された市が“盲にゃまわる眼がねェ!“と啖呵をきって、樽の中から樽ごと敵を斬り捨てるという趣向は面白い。
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わが愛の譜 滝廉太郎物語
制作年:
『花』『荒城の月』などの名曲を生み出し、23歳10ヵ月という若さでこの世を去った滝廉太郎の没後90年を記念して作られた伝記映画。東京音楽学校でピアニストを志すが挫折、それでも音楽への情熱を捨てず、ドイツに留学。そんな彼の青春を憧れの女性ピアニスト・中野ユキとの恋模様を軸に描き出していく。
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昨日消えた男〈1964年〉
制作年:
江戸中期、同心に変装した長屋に住みついた八代将軍・吉宗は、浪人・大橋兼四郎と知り合う。二人は、己之吉という男の死をキッカケに、幕府転覆をたくらむ美濃屋の陰謀を察知し、これに立ち向かっていく。“遠山の金さん“の将軍版とも言える、市川雷蔵の推理時代劇。相棒の剣豪に扮する宇津井健がもうけ役。
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忍びの衆
制作年:
雷蔵の死後、“眼狂四郎““若親分“と彼の人気シリーズを受け継いだ松方弘樹の“忍びの者“。司馬遼太郎の『伊賀の四鬼』を原作に、秀吉から信長の妹で柴田勝家の側室となったお市の方を誘拐するよう命じられた伊賀者たちの死闘を描く劇画タッチの作品。
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妻の日の愛のかたみに
制作年:
リューマチを患い闘病生活を強いられた池上三重子の同名手記を木下惠介が脚色した純愛映画。見合い結婚で北原家に嫁いだ千枝子は、夫の正之と仲むつまじく暮らしていたが、突然病魔が彼女を襲った。正之は入院する千枝子に、1日に何通もの手紙を書き、健康な日の訪れを信じて待つのだが……。
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雑兵物語
制作年:
戦国時代、荒れはてた寒村に足軽の徴発がきた。女までも男装させられて頭数をそろえたあと、一行は戦に参加するが、両軍の勝敗をバクチのタネにしたり、敵方の旗を盗んできて味方の難を避けたりと、ハチャメチャなノリで戦乱を駆け抜けていく。池広一夫監督のスラップスティック描写が楽しい時代劇。
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遠野物語
制作年:
古くから伝承と民話の宝庫とされる、岩手県上閉伊郡の早池峰山麓から遠野に至る地方の話の集大成、『遠野物語』に基づいて作られた幻想的フィクション。岩手放送開局30周年を記念して製作された作品。伝承の暗い部分が主に強調されているが、物語性のある隠れた名作。
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男はつらいよ 寅次郎頑張れ!
制作年:
電気工の青年と仲よくなった寅さん。青年が思いを寄せる食堂のウエイトレスとの仲をとりもつ指南役をかってでるが、失恋専門の寅さんのこと、万事ウラ目に出て青年は失恋。寅は彼女の美しい姉に一目惚れ。
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眠狂四郎 女妖剣
制作年:
エロチシズムを前面に出し、抜群の面白さを誇る第4作。淫欲とアヘンに溺れる将軍の娘・菊姫、隠れキリシタンの情報と引き換えにアヘン密輸を黙認されている備前屋、狂四郎と血のつながりを持つという聖女のぴるぜん志摩、この3者に狂四郎が絡み、浜松で意外な結末を迎える。狂四郎に志摩の情報をもたらした隠れキリシタン島蔵と妹・小鈴の処刑場に狂四郎が斬り込むシーンのロングと横移動のあざやかなカメラワーク、大小二刀による狂四郎の見事な居合い。そして第1作以来の宿敵・陳孫との闘いなどアクション・シーンが最高。己れの前に肉体をさらす聖女を一刀のもとに斬り捨てるラストの切れ味も抜群だ。
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大魔神怒る
制作年:
八雲の湖のほとり、千草と名越の平和な領内に隣国の御子柴弾正が攻め入った。弾正は一族の守護神である武神像を爆破。千草の若き城主・十郎とその許嫁・早百合が捕らえられ、火あぶりにされようとする時、湖が泡立ち大魔神が出現する……。
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なみだ川
制作年:
山本周五郎の名作『おたふく物語』を三隅研次が情緒豊かに演出した佳編。江戸・日本橋を舞台に、長唄の師匠、おしずと仕立屋のおたかの姉妹が、お互いの幸せを願って見せる美しい姉妹愛を描く。藤村志保と若柳菊が、姉妹に扮し好演。
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鯨神
制作年:
今や官能小説の雄ともいうべき宇能鴻一郎の若き日の芥川賞受賞作『裁かれる越前守』の映画化。メルヴィルの『白鯨』を思わせる骨太な作品で、日本では育ちにくいジャンルを、大映時代劇の中堅・田中徳三が正攻法で演出し、一応の成果を得たのは注目に価する。
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青葉城の鬼
制作年:
山本周五郎の小説『樅の木は残った』の映画化。主人公、原田甲斐は、実説では伊達六十二万石の存続を危うくした、お家騒動の黒幕的存在。これを、実はこの騒動が、老中・酒井雅楽頭の外様大名取り潰しの策謀であるとし、伊達家存続に尽力しながら、一人で罪を背負って死んだ男として、原田甲斐を解釈している。長谷川一夫が、善悪の境界線上で苦悩する甲斐を熱演。
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新選組始末記
制作年:
子母沢寛の原作を三隅研次監督、市川雷蔵主演のコンビで映画化した幕末もの。浪人・山崎蒸は恋人・志満の反対にもかかわらず、当時京都で活動し始めていた壬生の新選組に入るが、内部には策謀が渦巻いていた。近藤勇に扮する城健三朗(=若山富三郎)が好演。
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破れ傘長庵
制作年:
悪徳医師・村井長庵が主人公で、持ち前のず太さと賢さで“欲しいものは何でも手に入れる”とばかりに悪事を重ね、逆に悲業の死を遂げるまでが描かれている。森監督の、人間を冷めた目で見つめる演出の確かさと、勝のアンチ・ヒーローぶりが光る作品。
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大殺陣 雄呂血
制作年:
二川文太郎監督による無声映画の傑作時代劇「雄呂血」の再映画化。市川雷蔵扮する実直な道場の師範代が善意で行動したことが誤解され、友人にも裏切られ浪人に身を落とし、流れ流れてついにやり場のない怒りを爆発させ、追っ手を斬りまくる。
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怪談 雪女郎
制作年:
田中徳三が日本の古典的な伝説『雪女』を、格調高く描いた意欲作である。怪談的要素よりも雪女と人間の恋愛物語が中心に置かれ、雪女ものの一つのクラシックとなった。藤村志保が雪女に扮し、抑制のきいた演技で難役を見事に演じきった。
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古都憂愁 姉いもうと
制作年:
三隅研次監督による、数少ない現代劇の女性映画。京都で老舗の料亭ののれんを守るきよ子は、結婚に失敗し、今では店のことと、妹・ひさ子のことだけを考えている。そのひさ子の婚約者、明男が、きよ子に愛を打ち明けた。きよ子は苦悩しながらも、明男と一夜の過ちを犯して……。藤村志保が、初主演ながら、きよ子役を見事に演じた。
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鼠小僧 次郎吉
制作年:
大佛次郎の原作を新藤兼人が脚色し、三隅研次が監督した、正義の味方的な時代劇。怪盗鼠小僧は大名や豪商を襲い、奪った金品を貧乏人にばらまき、庶民の英雄として人気を集めていた。江戸の暗黒街を牛耳る安五郎は鼠小僧に煮え湯を飲まされたので復讐を企てる。林与一が二役で活躍。
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斬る〈1962年〉
制作年:
三隅研次監督、市川雷蔵主演による“剣3部作”の一編。雷蔵が演じるのは、複雑な出生の秘密を持つ小諸藩士・高倉信吾。彼は藩士の許しを得て江戸に出、千葉道場の栄次郎に剣の腕を認められる。栄次郎の勧めで信吾は大目付・松平大炊頭に仕えることに。そして3年の月日が流れ、信吾は大炊頭とともに水戸藩の取り締まりに赴くが、策略によって主君を殺され、彼も切腹して果てる。とにかく殺陣がすさまじく、すばやいカット割りとダンスをするような立ち回りは圧巻のひと言。また、雷蔵が敵を真上から一刀両断するシーンでは、人が文字通り、まっぷたつになる。雷蔵の虚無的なキャラクターは、翌年からの“眠狂四郎”シリーズに受け継がれた。
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忍びの者
制作年:
大泥棒として有名な石川五右衛門を、権力に反逆した下忍として描いた村山知義の同名小説の映画化。監督は社会派の巨匠・山本薩夫があたり、リアルで豪快なアクションと権力の道具として生きるしかない下忍の反逆の叫びを描き出し、時代劇映画に新たな地平を切り拓いた。戦国末期、全国制覇の野望に燃える織田信長は延暦寺、石山本願寺など宗門の掃討に取りかかる。伊賀の国、百地三太夫配下の下忍・石川五右衛門は抜群の技術を誇り、仲間から一目置かれる存在だ。天台、真言修験僧の流れを汲む忍者たちは信長暗殺の密命を受けるが、なぜか五右衛門だけは残されてしまう……。三太夫役の伊藤雄之助の迫力ある熱演が見もの。
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破戒〈1962年〉
制作年:
島崎藤村の同名の原作の映画化はすでに木下惠介の手によるものがある。こちらは市川崑の演出によるもので、厳しいリアリズムに貫かれた作品に仕上がっている。丑松に市川雷蔵を、猪子蓮太郎に三國連太郎を配し、お志保にはこれがデビュー作で、原作者の藤村と役名から名付けられた藤村志保が起用されている。
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眠狂四郎 勝負
制作年:
シリーズの実質的な出発点となった秀作。三隅研次の演出により風格ある仕上りをみせている。ある年の正月、狂四郎が偶然知り合った老人は幕政改革に燃える勘定奉行だった。彼は、将軍の子・高姫の御化粧代二万両を支給停止にするなどの政策で、幕府の特権階級やその取り巻きから命を狙われていた。老人の人柄に惹かれた狂四郎は、彼の命を守るため高姫の一味と斬り結ぶ。謎の女に操られた刺客たちとの決闘、柳生との御前試合など見せ場も数多い。また二八そば屋の呼び声や正月の風物などの江戸情緒が詩情を添える。狂四郎の人物像はより虚無的になり、もはや、いささか一徹な、かの老人にしか心を開かない。
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眠狂四郎 無頼剣
制作年:
義憤にかられ、江戸の町を火の海にしようとたくらむ浪人・愛染と、それを阻む狂四郎の対決。伊藤大輔の脚本を得て一段とスケール・アップした第8作。大火をバックに大屋根で展開する天知茂扮する愛染との一騎打ちなど三隅の演出が冴えわたり、シリーズ屈指の出来に仕上がった。
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