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女優・鈴木保奈美の“現在地” 赤名リカが、個性的かつパワフルなママになるまで

ドラマ

■2000年代の鈴木保奈美~復帰後はさらに幅を広げた役に挑む

 2000年代に入ると結婚や出産、子育てなどで女優業を休業している時期もあったが、復帰してからはこれまで以上に幅広い役柄への挑戦が見受けられる。

 2016年放送の『ノンママ白書』(東海テレビ/フジテレビ系)では、男性社会に切り込む49歳のバツイチ子なし女性・土井玲子を演じ、2018年に放送された『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)では、『東京ラブストーリー』以来27年ぶりに織田裕二と共演したことでも話題になったが、織田ふんする弁護士・甲斐正午の上司になる上杉法律事務所の所長兼代表弁護士の幸村チカを演じ、どちらも同性から“格好いい”という、彼女のこれまでのイメージを踏襲するようなキャラクターを演じた。

織田裕二と27年ぶりの共演となった鈴木保奈美 『SUITS/スーツ』オフショット  ※「鈴木保奈美」インスタグラムより 

 一方で、2020年放送の『35歳の少女』(日本テレビ系)では、現在放送中の『家庭教師のトラコ』の脚本を担当している遊川和彦とタッグを組み、25年間眠り続けていた娘・望美(柴咲コウ)の目が覚めることをひたすら信じる母・多恵を演じたが、鈴木の白髪姿に驚きを感じた視聴者は多かったのではないか。劇中、多恵は「目覚めた娘を守れるのは自分しかいない」という信念のもと暴走する。ビジュアルを含め、こういったキャラクターを演じる鈴木は、非常に新鮮に映った。

『35歳の少女』では白髪姿で役に挑んだ鈴木保奈美 ※「鈴木保奈美」インスタグラムより 

 鈴木自身「変身願望」や「コスプレ願望」があると以前のインタビューで話していたが、役によってイメージが大きく変わることは、その欲求を満たしてくれると前向きだった。この言葉通り、現在放送中の『家庭教師のトラコ』や『ちむどんどん』でも、いい意味で周囲をざわつかせるキャラクターを魅力いっぱいに演じている。

 「どうせ生きるなら楽しい方がいいじゃないですか」と明るく話していた鈴木。近年の彼女の作品を観ていると「楽しんで演じているのだろうな」というのが伝わってくるほど、演じるキャラクターには、おかしみがあり魅力的に映る。年齢を重ねるたびに「今後どんな役を演じるのだろう…」という楽しみが増してくる非常に魅力的な女優だ。
 
(文・磯部正和)

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