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“ディズニーいち気持ち悪いヴィラン”フロロー判事はなぜ愛される? <『ノートルダムの鐘』今夜放送>

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■こんなに気持ち悪いのに! なぜフロローは愛される?

 こんなにも気持ち悪いおっさんなのに、なぜかフロローのファンは少なくない。残忍でむっつりスケベなこの男に、どんな魅力があるというのだろう。

 神に忠実に生きてきた彼にとってエスメラルダは遅すぎる初恋の相手だった。好きすぎてめちゃくちゃ悩んで葛藤して、眠れなくて翌朝真っ赤になった目をごまかす…もしも、これがただの中学生の初恋だったらと思うと、ちょっとかわいらしくも思えなくもない。また、若いうちにそういった経験ができなかったフロローが少し不憫に感じてさえくる。カジモドを20年育てたこと、そしてエスメラルダに狂おしいほどの恋をしたことからしても、本来フロローのなかには人一倍の“愛情”があったのではないか。

 ディズニー映画には、『美女と野獣』のガストンや『アラジン』のジャファーなど、ヒロインを手に入れようとするヴィランは他にもたくさん登場してきた。とはいえ、「町一番の美女を自分のものにしたい」「王女と結婚して国を手に入れたい」など、決してヒロイン本人を愛しているわけではなかった。フロローはそうではない。むしろエスメラルダへの愛など消し去りたい。でも消せない。だから殺す。これこそが正しい道だ…と信じ込み、破滅への道を歩んでしまう。

映画『ノートルダムの鐘』(左から)エスメラルダ、カジモド(C)1996 Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.
 カジモドやエスメラルダと同じく、フロローもまた運命に翻ろうされる1人なのだ。もしも彼を愛する者が現れていたら、もしも生きる時代が違ったら、フロローは怪物にはならなかったかもしれない。そして、怪物になったのは別の誰かかもしれない、もしかしたら自分かも…そう思うと、フロローのことをただの“ヴィラン”で片付けるのはちょっと気が引ける。彼が愛される所以は、そんなところにあるのではないだろうか。

■本当の“怪物”はいったい誰なのか

 フロローの愛せるポイントをなんとか探して書いてみたが、前述の通り彼が正真正銘の“こじらせおじさん”であり、行動も大変気持ちが悪いことは覆すことはできない。この哀れで残忍なキモオジを愛せるか、ぜひ今夜放送の『ノートルダムの鐘』で確かめてみてほしい。(文・小島萌寧)

 映画『ノートルダムの鐘』は、日本テレビ系『金曜ロードショー』にて今夜21時放送。

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