<今夜金ロー>『SING/シング』日米ボイスキャストを比べてみた! グラミー受賞、歌うま人気女優、多彩すぎ声優も
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■ジョニー役 タロン・エガートン/大橋卓弥
ジョニー役の(左から)タロン・エガートン(C)AFRO/大橋卓弥
ゴリラのギャングの御曹司、ジョニー。父からは当然跡取りとなることを期待され、家業を手伝っているが、本当は音楽を愛する繊細な心の持ち主だ。劇中披露した楽曲は、「The Way I Feel Inside」(ザ・ゾンビーズ)「Stay With Me」(サム・スミス)「All Of Me」(ジョン・レジェンド)「I'm Still Standing」(エルトン・ジョン)。
オリジナルのボイスキャスト、映画『キングズマン』で知られるタロン・エガートンは、伝記映画『ロケットマン』で吹き替えなしでエルトン・ジョンを演じきり、ゴールデン・グローブ賞を受賞、グラミー賞にもノミネートされた実力派。Netflixの『ウォーターシップ・ダウンのウサギたち』や『ダーククリスタル: エイジ・オブ・レジスタンス』、『ムーミン谷のなかまたち』などアニメシリーズで吹き替えも行っている。
日本版ボイスキャストは、本作が声優初挑戦、音楽ユニット「スキマスイッチ」のボーカリスト大橋卓弥。東日本大震災が起きた際はYouTubeにて代表曲「奏(かなで)」の動画を公開、閉塞感漂うコロナ禍には希望を込めた「あけたら」を発表するなど、メロディに思いを乗せてきた大橋は本作で、サム・スミスやエルトンが込めたメッセージを日本語の軽やかな節回しで歌う。クライマックスで歌う「I'm Still Standing」では、字幕と吹き替えのニュアンスの違いもあってか、大橋は抱えきれない思いを爆発させるように、タロンは喜びを抑えきれない様子で歌い上げる。
■ミーナ役 トリー・ケリー/MISIA
ミーナ役のトリー・ケリー(C)AFRO(日本語吹替はMISIA)
ゾウの少女、ミーナは、素質も意欲もあるのに、極度の恥ずかしがり屋で、なかなか人前に出られないという役どころ。劇中では、「Hallelujah」(レナード・コーエン)「Don't You Worry 'bout a Thing」(スティーヴィー・ワンダー)で歌声を響かせる。
オリジナルの声を務めたのは、歌姫トリー・ケリー。2015年にアルバムデビューし、第58回グラミー賞新人賞にノミネート。2018年のアルバム『Hiding Place』で、グラミー賞最優秀ゴスペル・アルバムと最優秀ゴスペル・パフォーマンス/ソングを獲得している実力派。声の出演はこれが初挑戦だ。
対して日本からも国民的歌姫、昨年デビュー25周年を迎えたMISIAがミーナの声を担当。演技の仕事のイメージのない彼女だが、16歳の時に『天使にラヴソングを2』でローリン・ヒルの歌声に魅せられたのがルーツだというので、本作出演は必然といえよう。甘く軽やかな歌声のトリーに対し、MISIAはソウルフルなハイトーン・ボイスを響かせる。同じキャラクターなのに、歌声は全く別ものなので、両方聞いてみるのもおススメ。(文:寺井多恵)
アニメ映画『SING/シング』は、『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にて2月23日21時放送。