ジョン・F・ケネディ・ジュニアとキャロリンの悲劇 語り継がれる“ケネディ家の呪い”
晴れてアメリカのロイヤルカップルとなった2人は、結婚から3年足らずの1999年7月16日夜、ジョンの操縦する小型飛行機で、キャロリンの姉ローレンとともに従姉妹ロリー・ケネディの結婚式に向かう途中、マサチューセッツ州マーサズ・ヴィンヤード付近の沖合で消息を絶ち、21日に遺体で発見された。父JFKと叔父ロバート・F・ケネディ(RFK)が暗殺されており、ジョンも大統領選出馬を待望されていたことから、陰謀論が囁かれたが、機械的トラブルの形跡が見つからなかったため、ジョンの操縦ミス、空間識失調が原因だと結論付けられている。
松葉杖をつくジョン・F・ケネディ・ジュニア 写真提供:AFLO
航空医学研究センターによると、空間識失調とは、操縦者が自分または操縦している航空機の姿勢、位置、運動状態(方向、速度、回転)などを客観的に把握できなくなった状態を指し、これに起因する事故が多数報告されているそう。ジョンは前年に操縦免許を取得したばかりで経験が浅かったうえ、機体も数か月前に購入したばかり。視界の悪い夜間の海上飛行、さらにはパラグライダーで足首を怪我して松葉杖が必要な状態と、悪条件がそろっていた。その陰には、ドラマでも描写されるジョンのリスクを好むライフスタイルや、パパラッチの目を避けようとするキャロリンの思惑、George誌の経営難、夫婦仲の悪化など、様々な遠因があったものとみられる。
■語り継がれる“ケネディ家の呪い”
なお、ジョン38歳、キャロリン33歳、ローレン34歳という若すぎる死は世間に衝撃を与え、“ケネディ家の呪い”と呼ぶ声が上がった。ケネディ家では、JFKとRFKの暗殺に加え、JFKの9人きょうだいのうち、海軍パイロットだった長子ジョセフ・ジュニアが秘密爆撃任務中に29歳で戦死。第4子キャスリーンが、やはり飛行機事故で28歳で命を落とし、第3子のローズマリーは23歳で受けたロボトミー手術が失敗し、歩くことも話すこともできなくなった。
また、ジョンの母親ジャクリーンは死産を経験した後、第4子を生後わずか39時間で亡くしており、ジョンのいとこにあたるマイケル・ルモインがスキー事故により39歳で即死するなど、不幸が相次いだ。そして2025年12月30日、ジョンの姉キャロライン・ケネディの娘で、環境ジャーナリストのタチアナ・シュロスバーグが、急性骨髄性白血病のため35歳の若さで逝去。新たな悲劇が加わる形となってしまった。
(文:寺井多恵)

