松潤主演ドラマで注目浴びるショコラティエ チョコレートに関わる仕事あれこれ
「そんなことはありません。“チョコレートが好き、お菓子が好き”という気持ちがあふれる社会人であればこそ、その思いが変化球ではありますが、成し遂げられることもあります」。
アパレルショップ店員だったある20代後半の女性は、「このままの形で洋服店を展開するのは違う」と考え、ケーキやコーヒーのある温かい場所とともに提供したいという思いから、お菓子作りを学び、その結果、ショコラティエの道に進んでいったという。
他にも、フードコーディネーターとして、TVや雑誌等のメディアで、視覚的にも美味しく感じられるようなお菓子の盛り付けや、ショコラをのせる器選びなどを研究しながら、自分のブランドショコラを販売し始めた40代の女性も。
「この仕事には年齢的な制限がないので、一つの職業に区切りをつけてから、また、子育てを終えた主婦の方でも取り組めるような側面を持っています」。
米沢さんは続ける。
元々小学校の教諭であったある女性は、あらかた子育てを終えた50代からお菓子教室に通い、その流れでチョコレートに触れ、さらに学び、現在では親しい人だけを集めたショコラ教室を開催するまでに。一度は退いた「教える」という仕事を、チョコレートを通して再開する事になったそう。
一言で「ショコラティエの道」といっても、全ての人がチョコレートショップで作る側に回っているわけではないようだ。商品開発、新製品の宣伝活動、メディアを通しての見せ方の研究など、これらも欠かせないショコラに関する仕事である。
インターネット使用率の上昇を見越して、自宅を兼ねた工房でチョコレートを作り、場所代を差し引いて価格をおさえた上で販売するオンライン専門の店舗は、数年前と比べるとだいぶ増えた。
「“ショコラティエになって有名店でチョコレート作りに従事する”という夢はもちろん素晴らしいことですが、もしそれが叶わなかったとしても、強い思いがあれば、夢は様々な形で広がっていきます」。
そう語る米沢さん。
大事なことは、どの方面に携わる仕事をしようとも、“チョコレートと、チョコレートを楽しむ人が好き”という、純粋な気持ちを常に持ち続けることなのだろう。(取材・文:塚田牧夫)