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チャドウィック・ボーズマンさん突然の死から1週間 悲しみ続くアメリカ

映画

 今作と『ブラックパンサー』の間には、歌手ジェームス・ブラウンの伝記映画『ジェームス・ブラウン〜最高の魂(ソウル)を持つ男〜』(2014)や、黒人で初めて米連邦最高裁判所の判事となったサーグッド・マーシャルの伝記映画『マーシャル 法廷を変えた男』(2017/日本未公開)に主演した。無名時代から彼のエージェントを務めたマイケル・グリーンは、「チャドウィックはいつも、『この役を通してどんなメッセージを伝えられるか』『これを通して黒人コミュニティにお返しや貢献ができるか』という基準で役を選んでいた」と振り返る。彼が次に出演を考えていた映画も、タイトルからして『A Civil Right(原題)』(市民権)だ。人種によって場所が区別されていたビーチで、その差別をなくそうとした人たちの実話だという。

 そして、彼の場合、それは決して偽善ではなかった。彼はいつも、真の意味で、黒人少年たちのお手本であり続けようとしたのだ。『ブラックパンサー』の大ヒットの直後、あるお酒の会社が、「ジョージ・クルーニーがテキーラを作ったように、うちとコラボレーションしませんか」と言ってきたが、彼は断っている。「黒人の子どもに『誰だってスーパーヒーローになれるんだ』と言ってみせた男が次にそんなこと(酒のブランドを作って宣伝するようなこと)をやったら、説得力がない」からだ。

 そんな実在のヒーローがわずか43歳で逝ってしまったとは、本当に悔やまれてならない。だが、彼の生き方は、これからも人々に大きな影響を与え続けることだろう。これまでどうもありがとう。ワカンダフォーエバー。(文・猿渡由紀)

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