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中止、酷評も…“呪われた企画”『デューン 砂の惑星』映画化へのあくなき挑戦

映画

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●ついに映画化が実現するも…デヴィッド・リンチ版の紆余曲折

 SF映画ブームのおかげで、ホドロフスキー版のスタッフたちは1979年公開の『エイリアン』製作に再集結。映画も大ヒットし、イギリスの新進監督だったリドリー・スコットの次作に『デューン』映画化が再浮上した。製作は、イタリアのタイクーン(王侯のように絶大な権力を振るうスタジオ代表のこと)ディノ・デ・ラウレンティス。ジョージ・ルーカスの手が届かなかった『フラッシュ・ゴードン』を映画化し、次いで『デューン』に目標を定めた彼は、原作が長すぎてどうしても1本の長篇映画に収まらない問題を解決するため、なんと原作者フランク・ハーバート自身に脚色を依頼する。

 とはいえハーバートが自作のダイジェストを安易に行うわけもなく、無為に時間が過ぎ、スコットは新企画『ブレードランナー』のために去り、老齢のディノは娘のラファエラに『デューン』映画化を託す。『コナン・ザ・グレート』で成功したラファエラは、プロデューサーとして昇り調子で、『デューン』を大作映画として画策。監督には、美大出身で『イレイザーヘッド』『エレファントマン』で最短距離で名声をつかんだデヴィッド・リンチを抜擢。キャストも国際的なスター俳優たちを配置した。

デヴィッド・リンチ版『デューン/砂の惑星』より 写真提供:AFLO
 しかし、国際的なオールスター大作という映画作りの手法はすでに時代遅れであり、結果としてメキシコの撮影所に1年半ものあいだ留まることになったラファエラとリンチのコンビは、期待されたような映画を作ることができなかった。転んでもただでは起きないラファエラは、同じ撮影所で『キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2』を並行して製作。こちらは3ヵ月ですんなり撮了している。国際的なオールスター大作に必要なのは、『コナンPART2』のリチャード・フライシャーのような、古いタイプの経験豊かな監督であって、長篇2作の経験で『デューン』を任されたデヴィッド・リンチも不幸だった。

デヴィッド・リンチ版『デューン/砂の惑星』より 写真提供:AFLO
 いま見直すと、リンチ版でもっとも解せないのは、3時間以上あったものを2時間16分に切っているとはいえ、映画終盤の皇帝の帝位をめぐる争いの解決部分を、撮影したうえでばっさりカットしていること(ガウンを羽織るショットは残っているのに…)。このあとの惑星アラキスの環境激変シーンがあまりにも唐突で、失笑を買うことになるが、この前段があれば、遠い将来の出来事を予告したものとして、もう少し許容できたと思うと惜しいのである。

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