『夜明けまでバス停で』大西礼芳、恩師・高橋伴明監督からの言葉を胸に臨んだ現場での変化
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こうした現場でのコミュニケーションは「とても大切」だという大西。「やっぱり会話はとても大事。話すことで、その人が持っている癖みたいなものが分かるじゃないですか。そういうのって必ず芝居にも出てくるので、反応がしやすくなります」。
それは対立する立場の関係性でも同じだという。「敵対する役であればあるほど、相手のことを信用していないとやりづらくなるので、対峙(たいじ)する人にもよりますが、できるだけコミュニケーションはとりたいと思っているんです」。
本作でも、共演者の方々としっかり会話をしながら撮影を進めることができた。先ほど高橋監督との現場で「緊張感はなかった」と話していたが、大西は、ある思いを胸に秘めて撮影に臨んでいたという。
「私は、伴明さんが監督をされた昨年公開の『痛くない死に方』にも出演させていただいたんです。そのとき、私の芝居を観た監督から『飽きたぞ』と言われてしまって…。結構グサッときてしまったんです」。
大西自身「なかなか人間らしさを出せるような芝居ができなくて、少しいい子ちゃん的な表現になってしまっていたと思うんです」と自己分析したが、「この現場でまた『飽きた』と言われないように、納得できないときは、伴明さんに相談しました。これまではもらった台本通りに演技をしてきたので、『言えないせりふはない』と思っていたのですが、あまり受け身にならず、能動的に役者からも発信できるようにという思いが強くなってきました」と自身の芝居に対する変化を明かした。