高畑淳子、「あっちゃんの芝居は面白くない」名優からの言葉が転機 自分をさらけ出し「芝居は遊んでなんぼ」をモットーに

高畑がいることで、作品世界がより深く、豊かなものになる。どんな作品でも躍動する彼女を見ていると、そう実感する人も多いはずだ。しかし大学卒業後に俳優デビューしながらも、なかなかうまくいかなかった時期には、故郷である四国に「帰らなきゃいけない」と思っていたと告白する。
「私は30歳まで、俳優として箸にも棒にも掛からなくて」と切り出し、「実家の母親からも“帰ってきいや”と言われたんです」と苦笑い。「“これで最後にするから、もう1本、お芝居をやらせて”と言って、出演したのが加藤健一さんとの2人芝居『セイムタイム・ネクストイヤー』でした。1年に1度だけ会って、ある同じところで浮気をし続ける男女の25年間を描くお話です。加藤健一さんから、“あっちゃんの芝居はどこも悪くないんだけれど、面白くないんだよね。お芝居は遊び場なんだよ。もっと遊びなよ”と言われて。その頃の私はとても几帳面で、“3歩、歩け”と言われたら、“死んでも3歩しか歩かない!”みたいな。言われたことを一生懸命にやるしかないと思っていたところがあったんです」。
加藤の言葉をきっかけに、高畑に大きな変化が訪れた。「おおらかに、漂うように心を開放して。楽しんで、あるいはちょっと企んで、遊んだりする。それがお芝居なんだと、教えていただきました。だから今は、遊ぶ心を大事にしています。自分をさらけ出して、“遊んでなんぼ”だと思っています」と輝くような笑顔を見せ、「橋爪さんなんて、それを体現している典型のよう。漂うように、現場にいらっしゃいます」と楽しそうに話す。

