『はがない』瀬戸康史&北乃きいの確かな決意「人間が演じることで伝わることがある」
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北乃も「学生時代、教室の席が夜空と同じ場所だったんですよ! 私は、お仕事をしていたせいもあって、学校の行事にもあまり参加したことがなくて。夜空のように、教室で一人でいる感覚はわかります。『それでもいいや』と思っている自分がいて」と、瀬戸と同じ“はがない”気持ちを打ち明ける。「共演者の方と話すのも苦手で、これまで、自分からあまりそういう機会は持ってこなかった。この映画で初めて、同世代の共演者の方たちとご飯に行って。すると、すごく楽しかったんですよね。この映画をきっかけに、一歩踏み出せるようになった気がします」と、まさに“隣人部”のように、確かな絆を育んだようだ。
「友達が少ない」という瀬戸と北乃だが、最後に「友達の存在が励みになった経験はある?」と聞いてみると、意外な人物の名前を挙げてくれた。「南海キャンディーズの山ちゃんに(山里亮太)」と、口火を切ったのは瀬戸だ。「山ちゃんに、『僕は人見知りで、友達も少ない』と相談したことがあって。すると山ちゃんが、『人見知りって、全然ネガティブなことじゃない』って言うんです。『アンテナを張ることができて、周りに気を配ることのできる人なんだよ』って。良いこと言うなぁと思ったけど、山ちゃんはこの言葉、実はタモリさんから聞いたそうです」と、しっかりとオチまでつけて激白。
「(俳優の)寺島進さん」というのが、北乃だ。「寺島さんに、『私、この仕事向いていないのかも』って悩んで、相談したことがあるんです。すると寺島さんは、『俺もいまだに向いていないと思うよ。役者は、向いていないと思っているくらいの方が良いんじゃないか』と声をかけてくれたんです。その言葉をもらってから、私の仕事に対する考え方が変わったんです。誰かの存在や言葉が励みになったり、支えになってくれることってありますよね」。(取材・文・写真:成田おり枝)
『僕は友達が少ない』は2月1日より全国公開。